2018年1月3日水曜日

合格する勉強法~質的調査の徹底理解!!

社会調査の手法には,量的調査と質的調査があります。

質的調査は,観察,インタビュー(面接),記録類を分析するものです。

量的調査よりは理解しやすいと思います。

それでは,今日は前説なしでいきます。


22回・問題81

調査手法としての観察法に関する次の記述のうち,適切なものを一つ選びなさい。

1 観察法においては,文字により記録したデータが主たる分析対象となるので,写真や音声などは,分析対象とはならない。

2 観察法においては,マジックミラー(ワンウェイミラー)を使った観察を行ってはならない。

3 参与観察と非参与観察の違いは,観察に当たって,調査者が観察対象者に具体的な指示を出すか出さないかである。

4 観察中にメモをするなどして蓄積されるフィールドノーツは,非参与観察では大いに活用してよいが,参与観察では使用しない方が望ましい。

5 参与観察における調査者の立場は,観察に徹する「完全な観察者」と参加を重視する「完全な参加者」との間で行き来することがある。


そんなに難しくはないかもしれません。

しかし,こういう問題で得点できるかどうか極めて重要です。

それでは詳しく見ていきましょう。


1 観察法においては,文字により記録したデータが主たる分析対象となるので,写真や音声などは,分析対象とはならない。


ちょっとスタイルは違いますが,「〇〇は●●だが,○○は●●ではない」のパターンですね

もちろん写真や音声なども分析対象となります。

実際に観察していると,メモしきれないので,許可を得て,写真を撮ったり録音したりすることはよくあることです。

よって間違いです。


2 観察法においては,マジックミラー(ワンウェイミラー)を使った観察を行ってはならない。

言い切り表現に正解少なし,のパターンです。

許可を得るなどの配慮の上で行うのであれば,不適切とは言えません。

よって間違いです。


3 参与観察と非参与観察の違いは,観察に当たって,調査者が観察対象者に具体的な指示を出すか出さないかである。


質的調査は,文化人類学の手法を活用しています。ヨーロッパの国々が新しい文化に出会い,理解するためにいろいろな手法が使われました。

外部から観察する方法,対象者と一緒に生活しながら観察する方法などです。

前者が非参与観察,後者が参与観察です。

どちらも指示は出しません。

よって間違いです。


4 観察中にメモをするなどして蓄積されるフィールドノーツは,非参与観察では大いに活用してよいが,参与観察では使用しない方が望ましい。


内容はともかく,「望ましい」「望ましくない」という文章は,多くの場合間違い選択肢であることが多いです。

参与観察でも,メモは取ります。

よって間違いです。


5 参与観察における調査者の立場は,観察に徹する「完全な観察者」と参加を重視する「完全な参加者」との間で行き来することがある。


「あいまい表現に正解多し」は何度も出てきましたね。

「行き来することがある」があいまい表現です。

この問題でもやっぱりこれが正解です。


<今日の一言>


「あいまい表現に正解多し」「言い切り表現に正解少なし」が分かってくると,正解にたどり着きやすくなります。

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