今年,受験される方は20日を切り,最後の追い込みをしているところでしょう。
基本的には,今までの勉強を繰り返すことが大切です。
決して知識を広げようとしてはだめです。
今,ある知識を「しっかり」「確実」な知識にすることが一番大切です。
国試の出題範囲は広いですが,その反面,深掘りをすることはありません。
試験委員のトラップを避けて,正解にたどり着くことができる
これが何よりも大切です。
このブロクの検索バーで「トラップ」と検索するとたくさん出てくると思います。
ぜひ参考にしてくださいね。
さて,今日は法人会計を取り上げます。
事務系の仕事をしている人なら,会計に関する問題は簡単かもしれません。
基本的には,今までの勉強を繰り返すことが大切です。
決して知識を広げようとしてはだめです。
今,ある知識を「しっかり」「確実」な知識にすることが一番大切です。
国試の出題範囲は広いですが,その反面,深掘りをすることはありません。
試験委員のトラップを避けて,正解にたどり着くことができる
これが何よりも大切です。
このブロクの検索バーで「トラップ」と検索するとたくさん出てくると思います。
ぜひ参考にしてくださいね。
さて,今日は法人会計を取り上げます。
事務系の仕事をしている人なら,会計に関する問題は簡単かもしれません。
そうでない人にとっては,かなり理解しにくいものだと思います。
しかし,国試では,第27回以降,毎年出題されているので,最後の追い込みとしては,確実に押さえておきたいです。
基本用語をまず押さえましょう。
減価償却
固定資産を取得した費用をその資産を使える期間で費用配分するものです。使用期間によって価値が下がる物品や建物は減価償却の対象となります。ただし,土地は期間によって価値が下がるということはないので,減価償却の対象外となることに注意しましょう。
貸借対照表
ある時点(期末)での資産,負債,純資産の状態を示す書類です。
借方(かりかた)(左側)には資産に関する勘定科目,貸方(かしかた)(右側)には負債と純資産に関する勘定科目を記載します。かりかたの「り」は左に曲がっているから「左側」,かしかたの「し」は右に曲がっているから「右側」と覚えます。
借方なのに資産,貸方なのに負債は変な感じですが,訳しかたの問題です。我慢して覚えましょう。
事業活動計算書
ある一定期間の事業活動を示す書類です。
資金収支計算書
ある一定期間における収入と支出の増加(減少)の状況を示す書類です。
財務諸表(計算書類)の覚え方ポイント
貸借対照表
ある時点,あるいは会計年度末現在(期末)
事業活動計算書,資金収支計算書
ある一定期間,あるいは会計年度
これを押さえて今日の問題です。
第27回・問題119
社会福祉法人の会計や財務諸表に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 社会福祉法人は,その会計や財務諸表をインターネットや広報などにおいて公表する必要はない。
2 貸借対照表とは,事業の収支の状態や継続性をみるために,当該会計年度における支払資金の増加及び減少の状況を表示するものである。
3 資金収支計算書とは,資金の調達や資産への投入状況をみるために,当該会計年度末現在における資産,負債及び純資産の状態を表示するものである。
4 財務諸表では,「土地」のように価値が上下する資産については,毎期一定の方法により償却計算を行わなくてはならない。
5 社会福祉法人には,配当(利益処分)が認められておらず,「過去の利益の蓄積額」は,赤字経営をしない限り増加する特性がある。
苦手な人にとってはいやになるような問題かもしれませんが,しっかり覚えていきましょう。
1 社会福祉法人は,その会計や財務諸表をインターネットや広報などにおいて公表する必要はない。
社会福祉法人は,現況報告書,貸借対照表,資金収支計算書,事業活動計算書は公表が義務化されています。
よって間違いです。
2 貸借対照表とは,事業の収支の状態や継続性をみるために,当該会計年度における支払資金の増加及び減少の状況を表示するものである。
貸借対照表 ➡ ある時点,あるいは会計年度末現在(期末)
当該会計年度となっているので,貸借対照表ではないことが分かります。
よって間違いです。
ある一定期間,あるいは会計年度は,事業活動計算書,資金収支計算書のいずれかです。
資金の増減と書かれているので,資金収支計算書です。
しかし,貸借対照表ではないことが分かればこの選択肢は消去できます。
3 資金収支計算書とは,資金の調達や資産への投入状況をみるために,当該会計年度末現在における資産,負債及び純資産の状態を表示するものである。
資金収支計算書 ➡ ある一定期間,あるいは会計年度
ここでは,当該会計年度末現在となっていますので,貸借対照表だと分かります。
よって間違いです。
4 財務諸表では,「土地」のように価値が上下する資産については,毎期一定の方法により償却計算を行わなくてはならない。
土地は,使用期間によって価値は下がりません。
そのため,減価償却の対象とはなりません。
よって間違いです。
5 社会福祉法人には,配当(利益処分)が認められておらず,「過去の利益の蓄積額」は,赤字経営をしない限り増加する特性がある。
これが正解です。
この問題が出題された時は,「なぜ?」だと思いましたが,今思うと,ここから社会福祉法人改革につながっているのだと思います。
<今日のまとめ>
法人会計に関する問題の中で,減価償却に関する出題は100%!! しっかり押さえておきましょう。
財務諸表(計算書類)の覚え方ポイント
貸借対照表
ある時点,あるいは会計年度末現在(期末)
ある時点,あるいは会計年度末現在(期末)
事業活動計算書,資金収支計算書
ある一定期間,あるいは会計年度
ある一定期間,あるいは会計年度
とても複雑に思うかもしれませんね。
しかし,この分野の正解選択肢は,実に分かりやすいものが配置されています。
<第27回の正解選択肢>
社会福祉法人には,配当(利益処分)が認められておらず,「過去の利益の蓄積額」は,赤字経営をしない限り増加する特性がある。
<第28回の正解選択肢>
減価償却とは,固定資産(土地と建設仮勘定を除く)の取得原価を,その耐用年数にわたって費用化する手続である。
<第29回の正解選択肢>
法人全体の財務諸表を作成しなければならない。
問題を難しくしているのは,貸借対照表,事業活動計算書,資金収支計算書です。
しかしそこには正解があることはほとんどありません。
これらをうまくくぐりぬけるとその先に答えが広がります。