勉強したものが,そのまま得点力になるとは限らないのが,社会福祉士の国家試験の特徴です。
何度も受験されている方は,本当に辛いことでしょう。
ここであと数点アップさせるコツについてお伝えしたいと思います。
答えが分からない時,ヒントを見つけ出すポイント
1.試験委員の気持ちになって考える
なぜこの問題を出題しようと思ったのか,その意図を考えると答えが見えてくることがあります。特に報告書からの出題には有効です。
2.知らない用語はざっくりとらえる
勉強したことのない用語が出題された時,びっくりすることがあっても決してあわてず,自分の知っている言葉に関連させてみます。
3.間違い選択肢をつくる時の常とう手段がないか,確認してみる
今までさんざん述べてきたように,間違い選択肢をつくるときの常とう手段はたくさんあります。「一律に」などはその例です。
さて,今日は久々にあいまい表現に正解多しを取り上げます。
あいまい表現に正解多し
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それでは,今日の問題です。
第23回・問題114
集団に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 集団の作業能率に関するホーソン実験によって,作業環境と金銭的条件が作業能率に強く関係していることが明らかになった。
2 集団の凝集性が高ければ業績が高くなり,集団の凝集性が低ければ業績が低くなる,とは限らない。
3 アッシュ(Asch,S.)の実験によれば,集団圧力とそれに対する同調を免れるのは,集団の半数以上が自分の味方になる時点であることが,明らかになった。
4 集団で考えると,誤った決定あるいは,偏った決定に陥らないですむようになることを集団思考(groupthink)という。
5 シェリフ(Sherif,M.)らの実験によれば,2つの集団間の対立の解消は,両集団が楽しいひとときを一緒に過ごすことで可能になることが明らかになった。
先にヒントを秒殺かもしれません。
それでは,詳しく解説していきます。
1 集団の作業能率に関するホーソン実験によって,作業環境と金銭的条件が作業能率に強く関係していることが明らかになった。
ホーソン実験は,第25回に出題されたのが最後で,近年は出題されていません。
しかし,その前は超頻出だったものです。そろそろ出そうですね。
さて,ホーソン実験は,作業能率はどのようにすると上がるのかを作業環境から明らかにしようと試みた実験です。
しかし,明らかになったのは,作業環境や給与といったもののではなく,インフォーマルな関係が強く関係していることでした。よって間違いです。
2 集団の凝集性が高ければ業績が高くなり,集団の凝集性が低ければ業績が低くなる,とは限らない。
これが正解です。
「とは限らない」。究極のあいまい表現ですね。
これを国試の会場で感じてほしいのてす。
3 アッシュ(Asch,S.)の実験によれば,集団圧力とそれに対する同調を免れるのは,集団の半数以上が自分の味方になる時点であることが,明らかになった。
「同調」は地味ですが,現行カリキュラムでは,第24回と第29回に出題されなかっただけで,そのほかは毎年出題されています。
かなり難しいです。試験委員はここにトラップを仕掛けていることが分かります。
答えは,半数以上ではなく,味方が一人でもいたら免れることができます。
よって間違いです。
4 集団で考えると,誤った決定あるいは,偏った決定に陥らないですむようになることを集団思考(groupthink)という。
集団思考は,第22・25・26回で出題されています。
注意したい第26回に出題されているので,しっかり覚えておきたいですね。
集団思考は,集団で意思決定した方が,個人で意思決定する時よりも良いものにならないことです。
よって間違いです。
無難な結論を出すのはコーシャスシフト,危険な結果を出すのはリスキーシフトです。
コーシャスシフトは今まで国試では出題されたことがありません。
5 シェリフ(Sherif,M.)らの実験によれば,2つの集団間の対立の解消は,両集団が楽しいひとときを一緒に過ごすことで可能になることが明らかになった。
これも難しいです。
ここにも試験委員はトラップを仕掛けています。
何と慎重なのでしょう。
実はこれはけっこう有名な実験です。
知っている人は知っているというものです。
2つの集団間の対立の解消には,一緒に取り組まなければならない課題に取り組ませることが有効です。
よって間違いです。
職場でもセクション同士の溝があった場合,施設内研修でやってみると良いです。
また,まだあまり仲が良くない男女が親しくなりたければ,怖いつり橋を一緒にわたる,巨大迷路に一緒に入る,などの方法もこの応用です。
<今日のまとめ>
今日の問題は,あいまい表現に正解多し,が分かっていればすぐ答えが解けますが,それに気が付かなければ,正解にたどり着くのはかなり難しいです。
今は冷静なので,こんなものに引っ掛かるわけがない,と思うかもしれません。
しかし,試験会場は独特の雰囲気です。
冷静になるのはかなり難しいです。
普段なら絶対にしない読み間違いはしょっちゅう起きます。
今まで私たちが主張してきたことを思い出していただけましたら,かなりトラップにはまる率は下がることでしょう。