今日から「福祉サービスの組織と経営」に入ります。
「福祉サービスに係る組織や団体」では,社会福祉法人,NPO法人,医療法人が出題されています。
そのうち,最も出題頻度が高いのは,社会福祉法人です。
特に今,社会福祉法人改革が進んでいます。それも必ずどこかの科目で出題されると思います。
社会福祉法人改革
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さて,それでは今日の問題です。
第28回・問題119
社会福祉法人の制度に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 社会福祉法人は,社会福祉事業と公益事業以外を行ってはならない。
2 非営利組織である社会福祉法人は,自主的に経営基盤の強化を図る必要はない。
3 社会福祉法人には,出資持分が認められている。
4 社会福祉法人が解散した際の残余財産は,社会福祉法人その他の社会福祉事業を行う者又は国庫に帰属する。
5 1つの市の区域のみを事業の対象とする社会福祉法人の所轄庁は,都道府県知事である。
社会福祉法人は,社会福祉事業を行うことを目的として,1951(昭和26)年の社会福祉事業法によって規定されました。
さて,それでは詳しく見ていきましょう。
1 社会福祉法人は,社会福祉事業と公益事業以外を行ってはならない。
社会福祉法人は,先述のように社会福祉事業を行うための法人です。
しかし,公益事業も収益事業も行うことができます。
よって間違いです。
ただし,社会福祉事業が主たる地位を占めていなければなりません。
2 非営利組織である社会福祉法人は,自主的に経営基盤の強化を図る必要はない。
社会福祉法人は,福祉の担い手として重要です。
経営不振になり,経営譲渡なども行われることもありますが,譲渡先がなければ,福祉サービスを利用していた地域住民は困ってしまいます。
社会福祉法人の経営基盤の強化の意味は,事業を安定して継続することにあります。
よって間違いです。
3 社会福祉法人には,出資持分が認められている。
持分とは,出資に対しての責任です。
社会福祉法人は,誰かが出資して設立されます。しかし誰の持ち物ではありません。
医療法人では,社団の場合,出資持分を認めている法人もあります。
ただし現在はそのような定款を持つ医療法人は新しく設立することはできません。
社会福祉法人にはそのような出資持分は一切認められていません。
よって間違いです。
4 社会福祉法人が解散した際の残余財産は,社会福祉法人その他の社会福祉事業を行う者又は国庫に帰属する。
これが正解です。
5 1つの市の区域のみを事業の対象とする社会福祉法人の所轄庁は,都道府県知事である。
指定都市・中核市の所轄庁は,指定都市の長・中核市の長です。
よって間違いです。
2つ以上の都道府県にまたがる場合は,厚生労働大臣が所轄庁でしたが,社会福祉法人改革によって,都道府県に権限移譲されています。
<今日の一言>
「福祉サービスの組織と経営」は苦手としている人も多いかもしれません。それは,理論系の問題があるからでしょう。
しかし,今日見たような法制度に関する出題もあります。そこをしっかり覚えれば,決して0点を恐れることはないでしょう。
頑張って得点を稼ぎましょう!!