それとともに,児童相談所には,里親支援が新たな業務として加わっています。
さて,今日の問題は,その児童相談所の業務についての問題です。
問題22・第142(改)
児童相談所の業務内容に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 児童福祉法に基づき,必要があると認めるときは児童の一時保護を行うこと。
2 児童福祉法に基づき,保育所への入所決定を行うこと。
3 児童福祉法に基づき,母子生活支援施設への入所決定を行うこと。
4 障害者総合支援法に基づき,放課後等デイサービスの給付決定を行うこと。
5 児童福祉法に基づき,児童委員を指揮監督し,業務の遂行に対して必要な指示を行うこと。
児童相談所に関する出題ですが,実はいろいろに要素が入っている問題です。
さすがは現行カリキュラムによる初めての国試の問題だなぁ,と思います。
それでは,詳しく見ていきましょう。
1 児童福祉法に基づき,必要があると認めるときは児童の一時保護を行うこと。
一時保護は,児童相談所の業務です。
よって正解です。
なお一時保護の期間は「2か月を超えてはならない」と規定されています。
<一時保護に関する関連問題>
↓ ↓
http://fukufuku21.blogspot.jp/2017/08/blog-post_3.html
2 児童福祉法に基づき,保育所への入所決定を行うこと。
近年話題になる保育所に関する問題です。
保育所の入所決定は,市町村の業務です。
よって間違いです。
3 児童福祉法に基づき,母子生活支援施設への入所決定を行うこと。
母子生活支援施設などの入所施設の措置は,都道府県の役割です。
よって間違いです。
4 障害者総合支援法に基づき,放課後等デイサービスの給付決定を行うこと。
放課後等デイサービスなどの通所系サービスの給付決定は,市町村の役割です。
よって間違いです。
5 児童福祉法に基づき,児童委員を指揮監督し,業務の遂行に対して必要な指示を行うこと。
児童委員を指揮監督するのは都道府県知事です。
業務の遂行に対して必要な指示を行うのは市町村長です。
<児童委員・民生委員・保護司の整理>
<児童委員>
都道府県知事の指揮監督を受ける。
市町村長は、児童委員に対し,必要な状況の通報及び資料の提供を求め、並びに必要な指示をすることができる。
都道府県知事は、児童委員の研修を実施しなければならない。
任期は3年。
<民生委員>
都道府県知事の指揮監督を受ける。
市町村長は、民生委員に対し、援助を必要とする者に関する必要な資料の作成を依頼し、その他民生委員の職務に関して必要な指導をすることができる。
都道府県知事は、民生委員の研修を実施しなければならない。
任期は3年。
<保護司>
保護観察官で十分でないところを補い、地方更生保護委員会又は保護観察所の長の指揮監督を受けて、保護司法の定めるところに従い、それぞれ地方更生保護委員会又は保護観察所の所掌事務に従事するものとする。
任期は2年。
<今日の一言>
2016年の児童福祉法の改正では,市町村の役割と責務が明確になっています。
施設入所等の措置は都道府県が行っていますが,入所措置に至らなかった場合,児童への在宅支援を行うことを市町村の責務としました。