皆さんが受験するのは,社会福祉士の国家試験です。
社会福祉士の国試対策の勉強が必要です。
テキストや参考書を読む勉強は大切ですが,実際の問題を解いて覚えるという方法もあります。
これだと解ければ覚えたことが実感できます。そして最初は解けなくても繰り返すことで解けるようになれば,知識が増えたことになります。
勉強の手ごたえを感じないと張り合いを感じることは難しいので,ぜひ問題を解くという勉強も取り入れることをおすすめします。
さて,今回から自立支援プログラムを取り上げます。
自立支援プログラムとは・・・
生活保護受給者の自立を阻害する要因を分析して自立支援を行うためのプログラムです。プログラムは,個別に作られるものではなく,類型化したもので,それに合う被保護者を選定し,本人の承諾のもとに実施されます。
自立とは,就労による経済自立だけではなく,自分で自分の健康・生活管理を行うなど日常生活において自立した生活を送ることができる日常生活自立,地域社会の一員として充実した生活を送ることができる社会生活自立があります。
それでは今日の問題です。
第23回・問題60 生活保護における自立支援プログラムに関する次の記述のうち,適切なものを一つ選びなさい。
1 自立支援プログラムの支援対象者に対する「説明・同意」は,生活保護申請時に行われる。
2 自立支援プログラムの支援対象者は,提供されるプログラムを「選択・決定」しなければならない。
3 自立支援プログラムの支援対象は,被保護者である。
4 自立支援プログラムに参加しない場合は,保護の停止又は廃止が行われる。
5 経済的自立に関するプログラムは,他のプログラムに優先する。
難しそうに見える問題ですが,よく見れば答えは簡単なところにあります。
それでは解説です。
1 自立支援プログラムの支援対象者に対する「説明・同意」は,生活保護申請時に行われる。
自立支援プログラムは,被保護者のうちからそのプログラムに合った人を選定し,同意を得て実施します。申請時ではなく,保護受給中です。よって間違いです。
2 自立支援プログラムの支援対象者は,提供されるプログラムを「選択・決定」しなければならない。
自立支援プログラムは,「選択・決定しなければならない」といった性格のものではなく,その人に合ったものが提示され,同意して実施されます。
自分で選択するものではありません。よって間違いです。
3 自立支援プログラムの支援対象は,被保護者である。
何のひねりもなく,これが正解です。
4 自立支援プログラムに参加しない場合は,保護の停止又は廃止が行われる。
参加は,同意に基づいて実施されます。
参加することが保護の受給要件ではないので,参加さなかったからといって,保護の停止又は廃止が行われるようなものではありません。
よって間違いです。
5 経済的自立に関するプログラムは,他のプログラムに優先する。
自立は,経済自立,日常生活自立,社会生活自立がありますが,どれが優先するというものではありません。
よって間違いです。
自立支援プログラムに関するものをこれから数回にわたって紹介していきますが,問われる内容はいつも一緒です。