70%の人が合格し,30%の人が不合格になるなら,不合格になるのはちょっと恥ずかしいような気がします。
しかし,社会福祉士の国家試験で不合格になるのは70%です。つまり大半の人は不合格になります。
だからと言って
国試の合格率は30%程度だから,落ちてもともと
と考えていると必ず不合格になります。
「合格できたらもうけもの」とは思わず,「合格するんだ」という強い意志を持って勉強に取り組んでいくことが大切です。
真剣に勉強したのにもかかわらず万が一不合格だった場合は,とても悔しいはずです。しかし,その悔しさは必ず次の受験につながります。もう不合格になりたくないからです。
逆に「合格できたらもうけもの」と思っていると不合格になってもそれほど悔しくはありません。もしかすると防衛機制かもしれませんね。しかし悔しくないので,次の年もあまり勉強せずに受験に突入することになります。
もちろん何年もかかって合格される人はたくさんいます。受験をあきらめないで受験を続けることは大切なことです。
もともとこのブログは,毎年数点の差で不合格になっている人たちを応援するつもりで始めたものです。あと数点の得点を伸ばすための受験のコツを伝えてきました。
3割しか合格できない試験なので,決して易しいものではないことは確かです。
だからこそ価値のある資格であるとも言えます。
試験に向けて強い意志を持って,自分との戦いに勝ってください。
すべてはそこから始まります。
そうすれば,必ず合格をつかめます。
私たちチームfukufuku21は,真剣に合格を目指す方々のサポーター集団です。
合格するために必要な情報をお届けしていきます。
さて,今回も「低所得者への支援と生活保護制度」に取り組みたいと思います。
生活保護の実施のまとめです。
それでは,早速今日の問題です。
第29回・問題69 生活保護の決定と実施に関する次の記述のうち,正しいものを2つ選びなさい。
1 他の法律に定める扶助は,生活保護法による保護に優先して行われる。
2 生活に困窮していても借金がある場合は,保護を受けることができない。
3 資力調査等に日時を要する場合は,保護の開始の申請から60日まで保護の決定を延ばすことができる。
4 急迫した状況にある場合は,資産等の調査を待たずに保護を開始することができる。
5 生活保護法による生活扶助は,居宅よりも保護施設において行うことが優先される。
問題の難易度はそれほど難しいものではないと思います。
しかし注意しなければならないのは,正しいものを2つ選ぶ問題になっているところです。
毎年12~15問程度,2つ選ぶ問題が出題されます。それほど数が多くはないので,見落とさない細心の注意が必要です。
国試までにその対策を必ずしておいてください。
まず生活保護の基本原理・基本原則をおさらいしておきましょう。
生活保護の原理・原則~その1
https://fukufuku21.blogspot.com/2018/09/1_9.html
原理と原則の違いは,
原理 → 例外のないルール
原則 → 例外のあるルール
それでは,復習したところで解説です。
1 他の法律に定める扶助は,生活保護法による保護に優先して行われる。
④保護の補足性の原理
保護は,生活に困窮する者が,その利用し得る資産,能力その他あらゆるものを,その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる。
2 民法に定める扶養義務者の扶養及び他の法律に定める扶助は,すべてこの法律による保護に優先して行われるものとする。
3 前二項の規定は,急迫した事由がある場合に,必要な保護を行うことを妨げるものではない。
第二項のように,他の法律に定める扶助は,生活保護法による保護に優先して行われます。
よって正解です。
2 生活に困窮していても借金がある場合は,保護を受けることができない。
②無差別平等の原理
すべて国民は,この法律の定める要件を満たす限り,この法律による保護を,無差別平等に受けることができる。
無差別平等の原理は,困窮に陥った理由は問わなない例外のないルールです。
借金があろうがなかろうが,労働能力があろうがなかろうが,困窮の事実をもって保護します。
よって間違いです。
3 資力調査等に日時を要する場合は,保護の開始の申請から60日まで保護の決定を延ばすことができる。
国試は少しずつ重なっていて,少しずつ違う
何度も述べてきました。
この選択肢は現行カリキュラムではこの時初めて出題されたものです。
そのため,参考書によって書かれていないものもあったと思います。
勉強してもしても,勉強しないものが出題されるのが国試です。
しかし多くの場合は,そういったところに正解選択肢は配置しないのです。
なぜなら,多くの人が勉強できないものを正解にすると正解できる人が極端に少なくなってしまいます。
そういった問題が多くなると,第25回国試のように合格基準点が72点になるといったことが起きます。
勉強した人も解けない
といった国試は不適切です。
さて,問題に戻ります。
(申請による保護の開始及び変更)
通知は、申請のあつた日から十四日以内にしなければならない。ただし,扶養義務者の資産及び収入の状況の調査に日時を要する場合その他特別な理由がある場合には,これを三十日まで延ばすことができる。
つまり延長できるのは60日ではなく,30日だということです。よって間違いです。
これを知らなくても,通知が60日まで延長するのは長すぎると思えると思います。
4 急迫した状況にある場合は,資産等の調査を待たずに保護を開始することができる。
これは正解です。
①申請保護の原則
保護は,要保護者,その扶養義務者又はその他の同居の親族の申請に基いて開始するものとする。但し,要保護者が急迫した状況にあるときは,保護の申請がなくても,必要な保護を行うことができる。
原則は,原理と違って,例外のあるルールです。
原則は申請保護,例外は職権保護です。
5 生活保護法による生活扶助は,居宅よりも保護施設において行うことが優先される。
保護施設には,生活扶助を目的とする救護施設と更生施設があります。
しかし,保護は居宅保護が原則です。
保護施設は,全部で5つの種類があります。
そのうち最も多い救護施設でさえ,全国には約180箇所しかありません。
<今日の一言>
国試合格は,毎日の勉強の積み重ねです。
勉強は進んでいないから,今年は記念受験。次回にかけよう!
と決して思ってはいけません。
3か月あれば,十分合格できる実力は身につきます。
まして今は3か月どころか,4か月近くあります。
今ならまだ間に合います。