第31回国家試験で出題されたものは,以下のとおりです。
問題84 社会調査の意義と目的
問題85 自計式調査と他計式調査
問題86 測定
問題87 量的調査の集計と分析
問題88 量的調査の集計と分析
問題89 面接法
問題90 質的調査における記録の方法と留意点&質的調査のデータの整理と分析のミックス
量的調査が7問中4問出題されています。
第30回も4問の出題です。
量的調査は難しいというイメージが先行する領域なので,いやだなぁ,と思うかもしれません。
しかし,国試にこの科目が出題されるようになって,10回を数える中,出題される内容がほぼ定まってきたように思います。
第31回の国試の出題に限ると,難易度が高いと思われる問題はありません。
参考書をしっかり覚えれば,満点が取れる内容です。
ひねりがあったと言えるのは,以下の問題です。
問題87 調査票の回収後の手続に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 調査票で記入者が回答していないところは,欠損値として数値を割り当てる必要はない。
2 回収した調査票が正確かどうかを確認する作業のことをコーディングという。
3 40歳以上65歳未満を対象とした調査で,40歳代のみを対象とした質問項目の場合,50歳以上の当該質問項目の回答は「非該当」として処理する。
4 複数の質問項目の組合せの論理的な矛盾は調査票作成時に確認するので,回収後に確認する必要はない。
5 入力ミス以外のはずれ値は,必ず除去しなければならない。
正解は選択肢3の「非該当」です。
これがわからなくでも,消去法でたどり着きます。
正解にたどり着くためのポイントは,「コーディング」です。
回収した調査票が正確かどうかを確認する作業は,何というのかがわからなくても,コーディングとは違うことはわかるでしょう。
コーディングは,コード化すること,例えば,性別は「1.男」「2.女」などと数値化します。
このコーディングにより,エクセルなどの表計算ソフトに入力することができます。
そうすることで様々な分析を行うことができるようになります。
第31回で比較的難しかったと思うのは以下の問題です。
問題88 量的データの集計や分析に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 中央値とは,データの中で出現率が一番高い値のことである。
2 度数分布表は,一つの変数について,それぞれのカテゴリー(階級)に当てはまる度数をまとめた表である。
3 分散と標準偏差は,どちらも平均値からの散布度を示すが,これら二つの指標には関係はない。
4 クロス集計表により変数間の関係を観察するには,相対度数ではなく,観測度数を表示する。
5 ピアソンの積率相関係数は,二つの変数間の非線形関係を表している。
正解は,選択肢2の度数分布表です。
得られたデータをカテゴリー化したものをまとめたものが度数分布表です。
年齢の場合は,10歳代,20歳代,30歳代など,年代別にカテゴリー化して,その人数をまとめます。これが度数分布表です。
この選択肢だけがちょっと難しいかもしれませんが,それ以外の選択肢は,すべて過去に出題されたものの焼き直しです。
ピアソンの積率相関係数は,第8回,第22回,第28回,第31回に出題されていますが,すべて過去に出題された内容で,判断できるものとなっています。
つまり繰り返しです。
第28回で出題された問題は以下です。
第28回・問題87 ピアソンの積率相関係数に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 値は0から1の範囲の間で変動する。
2 2つの変数の因果関係を表すものである。
3 年齢と所得の相関係数は,所得が円単位でもドル単位でも同じ値になる。
4 2つの変数の間に完全な相関がある場合,散布図は円形になる。
5 2つの順序変数の関連の強さを測る指標である。
この問題の正解は,選択肢3です。
第31回の問題と重なっているのは,選択肢4です。
第28回では「円形」,第31回では「非線形」と表現しているところに違いがあります。
覚えたいポイントは,相関がない場合は,「円形になる」でも「非線形」になるでもありません。
覚えるべきポイントは,「相関がある場合は『直線になる』」です。
<今日のまとめ>
「社会調査の基礎」は,勉強不足の人は,点数は取れない科目です。
しかし,勉強した人は,かなり点数が取れます。
場合によっては満点さえも可能な科目です。
もし,第22回以降の過去問題集が学校の図書館などにあったら,それを集中して勉強してみると良いです。
それが完璧に理解できれば,必ず国試では高い得点が取れる科目になります。
なぜなら,出題が限定されてきているからです。
別な言い方をすると,法制度系の問題は,制度が新しくなるたびに,そこからも出題するので,満点を取るのはなかなか簡単ではありませんが,時事ネタもなく,法制度にもほぼ関係しないこの科目は,出題するポイントが固定されるからです。
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