参考書には,たくさんの人名が記載されています。
それらを覚えなければいけないと思うかもしれません。
もちろん覚えないよりも覚えた方が良いに決まっています。
しかし,社会福祉士の国家試験に出題されるのは,ほとんどがいわゆる一見さんです。
また,人名を覚えておかなければ答えられない問題はほとんどありません。
そんなところに時間をかけるなら,法制度をしっかり覚えたほうが良いです。
しかし,悪いことに,歴史や概論的な内容は,科目の最初にあります。国試で合格するために重要なのは,法制度です。
歴史や概論の部分で疲弊してしまって,本来十分に時間をかけて覚える必要がある法制度が覚える時間がなくなるのでは,本末転倒です。
中学校の歴史の授業のようなものです。
古代に時間をかけて,受験で重要な近代を教える時間がなくなってしまったということと同じです。
今の時点で苦手意識を持っているとすれば,それを克服するほどの時間はありません。
1・2点のために,貴重な時間を費やすのは適切ではないと思います。
多くの受験生は,歴史も人名も苦手です。
合格する人は,苦手な部分があっても,得点しなければならないものは,しっかり押さえています。
人名で絶対に押さえておきたいのは,児童福祉に関連する5人(児童福祉五人衆)です。
石井十次
石井亮一
留岡幸助
野口幽香
糸賀一雄
の五人です。
5人くらいなら,何とかなりませんか?
こういった人を覚えなければならないのには意味があります。
「社会理論と社会システム」や「心理学理論と心理的理論」(現時点の科目名)は,目に見えない,あるいは目に見えているものに印をつけた人(つまり提唱者)であるのに対し,この領域の人は,理論家や研究者ではなく,実践者です。
現在の福祉現場にいる人にとってはイメージしにくいかもしれませんが,法制度で守られた中でその人たちが活動したのではなく,逆にその実践が法制度をつくることにつながったものさえあります。
コミュニティを定義した人は多くいるかもしれません。
しかし,家庭学校をつくったのは,留岡幸助しかいません。
滝乃川学園をつくったのは,石井亮一しかいません。
ということで,今日の問題です。
第26回・問題138 我が国の児童福祉の歴史に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 高木憲次は,愛知県北西部から岐阜県下にかけて大きな被害をもたらした濃尾大震災の孤児を救済するために,光明学校を設立した。
2 留岡幸助は,少年教護法の制定後,非行少年の教護事業を目的とした家庭学校を東京巣鴨に設立した。
3 石井亮一は,アメリカの発達保障の理論を持ち帰り,近江学園を設立した。
4 山室軍平は,イギリスのバーナード(Barnard,T.)が建てたビレッジ・ホームを模した小舎制のキングスレー館を設立した。
5 野口幽香は,貧困家庭の子ども等,不幸な境遇にある子女に対して幼児教育を行うために,二葉幼稚園を設立した。
五人衆以外に出題されているのは,高木さんと山室さんです。
高木さんは,整形外科医であり,肢体不自由児の父と呼ばれる方です。
日本で初めての肢体不自由児療育施設を創設しました。
山室さんは,岡山四聖人と呼ばれ中の一人で,社会鍋で知られる救世軍の指導者です。
軍という名称がついていますが,軍隊ではありません。
岡山四聖人は,石井十次さん(岡山孤児院),留岡幸助さん(家庭学校),A.アダムスさん(岡山博愛会),そして山室軍平さん(救世軍)です。
留岡さんは,東京と北海道で活躍しますが,ルーツは岡山にあります。
それにしてもすごい人が集まったものですね。
こういったところには,正解があることはあまりありません。
この問題の正解は,
5 野口幽香は,貧困家庭の子ども等,不幸な境遇にある子女に対して幼児教育を行うために,二葉幼稚園を設立した。
ほかの選択肢も見てみましょう。
1 高木憲次は,愛知県北西部から岐阜県下にかけて大きな被害をもたらした濃尾大震災の孤児を救済するために,光明学校を設立した。
高木さんが創設したのは,日本で最初の肢体不自由児施設となった整肢療護園です。
2 留岡幸助は,少年教護法の制定後,非行少年の教護事業を目的とした家庭学校を東京巣鴨に設立した。
現在の児童自立支援施設は,1900年の感化法で感化院が法で規定されて,1933年の少年教護法で少年教護院となり,戦後,児童福祉法で教護院,1998年の改正で現在の名称になりました。
留岡さんは,法規定されてから家庭学校を設立したのではありません。もしそうだったら,国家試験に何度も何度も出題されるようなことはないでしょう。
法に規定されずに慈善事業として活動したところに国試に出題される価値があります。
3 石井亮一は,アメリカの発達保障の理論を持ち帰り,近江学園を設立した。
石井(亮)さんが設立したのは,滝乃川学園です。同学園は現存します。
初代理事長になったのは,一万円札の渋沢栄一です。
渋沢さんは,現在の全国社会福祉協議会の源流の一つである中央慈善協会の初代会長でもあります。
近江学園を設立したのは,糸賀一雄さんです。
4 山室軍平は,イギリスのバーナード(Barnard,T.)が建てたビレッジ・ホームを模した小舎制のキングスレー館を設立した。
山室さんは,先述のように,救世軍の日本における指導者です。
ビレッジ・ホームを模して創設したのは,石井(十)さんの岡山孤児院です。
セツルメントハウスであるキングスレー館を設立したのは,キングスレー館です。
<今日の一言>
今日の問題の解説の詳細はこちらにあります。
↓ ↓
https://fukufuku21.blogspot.com/2017/07/blog-post_31.html
児童福祉五人衆の出題頻度をまとめたものはこちらにあります。
↓ ↓
https://fukufuku21.blogspot.com/2018/02/20180217.html
人名はたくさん出題されますが,現在の国家試験で人名を覚えておかなければならない最優先は,この五人衆です。
人名が苦手だという人でも5人なら覚えられるでしょう。
どうしても覚えられないなら,親しみを持つため,ちょっとだけネットで調べてみるのもおすすめです。しかし,本当にちょっとだけですよ。はまったら大変なことになってしまいます。
2019年11月30日土曜日
2019年11月29日金曜日
戦前の法に規定される児童の年齢は?
現在の法では,児童の定義の年齢は,18歳です。
20歳が規定されている法は,レアケースです。
それでは,戦前はどうだったのでしょうか?
前回の復習です。
恤救規則も救護法も13歳以下であることは共通です。
覚えやすいですね。
さらに言えば,
戦前の児童虐待防止法(1933)の児童は,14歳未満(つまり13歳以下)です。
この辺りから,戦前は,14歳になると大人だとみなされていたのではないかと想像することができます。
それは,明治~大正~昭和(第二次世界大戦前)の学制とつながりがあるように思います。
尋常小学校は,6年制です。今と同じですね(ただし明治中期までは4年制)。
卒業は12歳となります(4年制の時代は10歳)。
ほとんどの児童は,12歳で社会に出ます。
一部の裕福な家庭の子は,2年制の高等小学校に進学しました。
5年制の旧制中学校に進学する子はもっと少なかったことでしょう。
それどころか,尋常小学校でさえ満足に通えなかった子もいたでしょう。
1911(明治44)年に制定された工場法では,12歳未満の児童の労働が禁止されました。
この時に尋常小学校は4年制から6年制に変更されています。
学校系統図(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/others/detail/1318188.htm
法によって多少の違いはありますが,尋常小学校を卒業する12歳辺りを児童の範囲として設定したのではないかと考えられます。
2年制の高等小学校を卒業すると14歳です。そこまではぎりぎり子ども。それ以上は,完全に大人扱いだったと考えられます。
恤救規則(明治7年)の前年に,尋常小学校が規定されています。学制と児童の規定は密接に関連していると考えてよいでしょう。
それでは,今日の問題です。
第25回・問題139 我が国の第二次世界大戦前の各法における児童の対象年齢に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 恤救規則は,無告の窮民であって,かつ13歳以下の孤児を救済することを規定していた。
2 感化法に規定されていた感化院の入院対象年齢は18歳未満であった。
3 工場法では,18歳未満の児童労働を禁止していた。
4 救護法では,貧困であって15歳以下の幼者を救済の対象としていた。
5 第二次世界大戦前の児童虐待防止法の対象年齢は16歳未満であった。
知識がなければ正解するのは難しい問題だと思います。
しかし,知識があれば,消去法ではなく,答えがわかる問題です。
この問題の正解は,選択肢1です。
1 恤救規則は,無告の窮民であって,かつ13歳以下の孤児を救済することを規定していた。
この文章を受けて,前回の問題の
1 恤救規則では,15歳以下の幼者について,人民相互の情宜に頼らず,国家が対応すると規定した。
この文章が作られたと考えられます。
そっくりですね。
それではほかの選択肢もどこが間違っているのかを確認してみましょう。
2 感化法に規定されていた感化院の入院対象年齢は18歳未満であった。
感化院は,そのあと教護院となり,現在は児童自立支援施設となっています。
対象は,8歳から16歳未満の児童でした。
この年齢がわからなくても,戦前の18歳は立派な大人であると思える感性が必要です。
3 工場法では,18歳未満の児童労働を禁止していた。
工場法で,児童の労働を禁止したのは,12歳未満の児童です。
これも選択肢2と同様に,戦前の18歳は立派な大人であると思える感性が必要です。
4 救護法では,貧困であって15歳以下の幼者を救済の対象としていた。
救護法は,恤救規則と同じく,13歳以下の児童を救済の対象としていました。
5 第二次世界大戦前の児童虐待防止法の対象年齢は16歳未満であった。
戦前の児童虐待防止法の対象年齢は,14歳未満です。
<今日の一言>
現在の児童の定義も複雑ですが,戦前も複雑で覚えるのがいやになるかもしれません。
しかし,基本を押さえるという覚え方はいつも使えます。
戦前の児童は,13歳辺りである,という覚え方です。
質の悪い模擬問題なら,13歳以下を13歳未満といったような引っ掛けをしてくるものもあります。しかし国家試験はそういったいやらしい引っ掛けはしません。
国家試験の合格で必要なのは,おおよそをつかむことです。
「児童の年齢のおおよそ」とは,以下のようなことです。
児童の年齢は,
戦前は,13歳辺り。
現在は,18歳が基本。20歳の規定があるのはレアケース。
あとは,レアケースを覚えることだけで済みます。
きっちり覚えるとはこういうことを言います。
別な言い方をすると,こういった覚え方をしないと,国家試験ではあいまいになって間違う原因となります。
勉強したはずなのに,正解できなかった。
というのは寂しすぎます。
20歳が規定されている法は,レアケースです。
それでは,戦前はどうだったのでしょうか?
前回の復習です。
救済の対象
|
児童
|
高齢者
|
恤救規則
|
13歳以下
|
70歳以上
|
救護法
|
13歳以下
|
65歳以上
|
恤救規則も救護法も13歳以下であることは共通です。
覚えやすいですね。
さらに言えば,
戦前の児童虐待防止法(1933)の児童は,14歳未満(つまり13歳以下)です。
この辺りから,戦前は,14歳になると大人だとみなされていたのではないかと想像することができます。
それは,明治~大正~昭和(第二次世界大戦前)の学制とつながりがあるように思います。
尋常小学校は,6年制です。今と同じですね(ただし明治中期までは4年制)。
卒業は12歳となります(4年制の時代は10歳)。
ほとんどの児童は,12歳で社会に出ます。
一部の裕福な家庭の子は,2年制の高等小学校に進学しました。
5年制の旧制中学校に進学する子はもっと少なかったことでしょう。
それどころか,尋常小学校でさえ満足に通えなかった子もいたでしょう。
1911(明治44)年に制定された工場法では,12歳未満の児童の労働が禁止されました。
この時に尋常小学校は4年制から6年制に変更されています。
学校系統図(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/others/detail/1318188.htm
法によって多少の違いはありますが,尋常小学校を卒業する12歳辺りを児童の範囲として設定したのではないかと考えられます。
2年制の高等小学校を卒業すると14歳です。そこまではぎりぎり子ども。それ以上は,完全に大人扱いだったと考えられます。
恤救規則(明治7年)の前年に,尋常小学校が規定されています。学制と児童の規定は密接に関連していると考えてよいでしょう。
それでは,今日の問題です。
第25回・問題139 我が国の第二次世界大戦前の各法における児童の対象年齢に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 恤救規則は,無告の窮民であって,かつ13歳以下の孤児を救済することを規定していた。
2 感化法に規定されていた感化院の入院対象年齢は18歳未満であった。
3 工場法では,18歳未満の児童労働を禁止していた。
4 救護法では,貧困であって15歳以下の幼者を救済の対象としていた。
5 第二次世界大戦前の児童虐待防止法の対象年齢は16歳未満であった。
知識がなければ正解するのは難しい問題だと思います。
しかし,知識があれば,消去法ではなく,答えがわかる問題です。
この問題の正解は,選択肢1です。
1 恤救規則は,無告の窮民であって,かつ13歳以下の孤児を救済することを規定していた。
この文章を受けて,前回の問題の
1 恤救規則では,15歳以下の幼者について,人民相互の情宜に頼らず,国家が対応すると規定した。
この文章が作られたと考えられます。
そっくりですね。
それではほかの選択肢もどこが間違っているのかを確認してみましょう。
2 感化法に規定されていた感化院の入院対象年齢は18歳未満であった。
感化院は,そのあと教護院となり,現在は児童自立支援施設となっています。
対象は,8歳から16歳未満の児童でした。
この年齢がわからなくても,戦前の18歳は立派な大人であると思える感性が必要です。
3 工場法では,18歳未満の児童労働を禁止していた。
工場法で,児童の労働を禁止したのは,12歳未満の児童です。
これも選択肢2と同様に,戦前の18歳は立派な大人であると思える感性が必要です。
4 救護法では,貧困であって15歳以下の幼者を救済の対象としていた。
救護法は,恤救規則と同じく,13歳以下の児童を救済の対象としていました。
5 第二次世界大戦前の児童虐待防止法の対象年齢は16歳未満であった。
戦前の児童虐待防止法の対象年齢は,14歳未満です。
<今日の一言>
現在の児童の定義も複雑ですが,戦前も複雑で覚えるのがいやになるかもしれません。
しかし,基本を押さえるという覚え方はいつも使えます。
戦前の児童は,13歳辺りである,という覚え方です。
質の悪い模擬問題なら,13歳以下を13歳未満といったような引っ掛けをしてくるものもあります。しかし国家試験はそういったいやらしい引っ掛けはしません。
国家試験の合格で必要なのは,おおよそをつかむことです。
「児童の年齢のおおよそ」とは,以下のようなことです。
児童の年齢は,
戦前は,13歳辺り。
現在は,18歳が基本。20歳の規定があるのはレアケース。
あとは,レアケースを覚えることだけで済みます。
きっちり覚えるとはこういうことを言います。
別な言い方をすると,こういった覚え方をしないと,国家試験ではあいまいになって間違う原因となります。
勉強したはずなのに,正解できなかった。
というのは寂しすぎます。
2019年11月28日木曜日
国家試験に合格できる覚え方 合格できない覚え方
国家試験に合格するためには,国家試験で問われる内容を知っていなければなりません。
たくさんの知識があっても,国家試験で問われないものであったなら,得点することはできないでしょう。
つまり
国家試験に合格できる覚え方
国家試験に出題されるポイントを確実に覚える
国家試験に合格できない覚え方
国家試験に出題されないポイントを覚えようとしている
国試合格に必要なのは,正しい努力です。
今回から,数回にわたって,児童福祉の発展(つまり歴史)を取り上げます。
まずは今日の問題です。
第28回・問題137 日本の児童福祉の歴史に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 恤救規則では,15歳以下の幼者について,人民相互の情宜に頼らず,国家が対応すると規定した。
2 石井十次は,イギリスのベヴァリッジ(Beveridge,W.)の活動に影響を受けて岡山孤児院を設立した。
3 工場法では,18歳未満の者の労働時間を制限することを規定した。
4 児童虐待防止に関する最初の法律は,第二次世界大戦前につくられた。
5 児童憲章は,児童の権利に関するジュネーブ宣言を受けて制定された。
間違った覚え方
石井十次=岡山孤児院
といった単純化したものでは対応できません。
〇〇年に設立
という覚え方もまったく役に立ちません。
もちろんこういったものも出題されないとは限らないので,覚えないよりも覚えた方が良いに決まっていますが,重視するのは,その内容です。
過去問で勉強する意味は数多くありますが,出題のされ方を知ることは,とても重要なことです。
この問題の正解は,
4 児童虐待防止に関する最初の法律は,第二次世界大戦前につくられた。
1933(昭和8)年に作られています。
ほかの選択肢も見てみましょう。
1 恤救規則では,15歳以下の幼者について,人民相互の情宜に頼らず,国家が対応すると規定した。
間違いポイントは,2つ
恤救規則の対象
15歳以下 → 13歳以下
基本は「人民相互の情宜」
2 石井十次は,イギリスのベヴァリッジ(Beveridge,W.)の活動に影響を受けて岡山孤児院を設立した。
間違いポイント
ベヴァリッジ → バーナード
バーナードのことは知らずとも,ベヴァリッジではないという感性が必要です。
3 工場法では,18歳未満の者の労働時間を制限することを規定した。
間違いポイント
18歳未満の者 → 15歳未満の者
これを知らなくても,1911(明治44)年の工場法の時代,15歳なら立派なおとなだろうと思う感性が必要です。
5 児童憲章は,児童の権利に関するジュネーブ宣言を受けて制定された。
間違いポイント
児童憲章とジュネーブ宣言はとはかかわりを持ちません。
ジュネーブ宣言は,1924年に当時の国際連盟によるものです。
そんな以前のものを受けることはないでしょう。
<今日の一言>
年号を覚えても正解できる問題はありません。
おおよその時代が分かれば,それで十分です。
恤救規則と救護法を比較すると以下のようになります。
児童はいずれも13歳以下です。
戦前の児童虐待防止法(1933)の児童は,14歳未満とされていました。
戦前では,15歳はもう立派なおとな扱いされていたことがわかります。
現在の児童福祉法は,18歳未満です。
この違いはしっかり押さえておくことが必要です。
たくさんの知識があっても,国家試験で問われないものであったなら,得点することはできないでしょう。
つまり
国家試験に合格できる覚え方
国家試験に出題されるポイントを確実に覚える
国家試験に合格できない覚え方
国家試験に出題されないポイントを覚えようとしている
国試合格に必要なのは,正しい努力です。
今回から,数回にわたって,児童福祉の発展(つまり歴史)を取り上げます。
まずは今日の問題です。
第28回・問題137 日本の児童福祉の歴史に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 恤救規則では,15歳以下の幼者について,人民相互の情宜に頼らず,国家が対応すると規定した。
2 石井十次は,イギリスのベヴァリッジ(Beveridge,W.)の活動に影響を受けて岡山孤児院を設立した。
3 工場法では,18歳未満の者の労働時間を制限することを規定した。
4 児童虐待防止に関する最初の法律は,第二次世界大戦前につくられた。
5 児童憲章は,児童の権利に関するジュネーブ宣言を受けて制定された。
間違った覚え方
石井十次=岡山孤児院
といった単純化したものでは対応できません。
〇〇年に設立
という覚え方もまったく役に立ちません。
もちろんこういったものも出題されないとは限らないので,覚えないよりも覚えた方が良いに決まっていますが,重視するのは,その内容です。
過去問で勉強する意味は数多くありますが,出題のされ方を知ることは,とても重要なことです。
この問題の正解は,
4 児童虐待防止に関する最初の法律は,第二次世界大戦前につくられた。
1933(昭和8)年に作られています。
ほかの選択肢も見てみましょう。
1 恤救規則では,15歳以下の幼者について,人民相互の情宜に頼らず,国家が対応すると規定した。
間違いポイントは,2つ
恤救規則の対象
15歳以下 → 13歳以下
基本は「人民相互の情宜」
2 石井十次は,イギリスのベヴァリッジ(Beveridge,W.)の活動に影響を受けて岡山孤児院を設立した。
間違いポイント
ベヴァリッジ → バーナード
バーナードのことは知らずとも,ベヴァリッジではないという感性が必要です。
3 工場法では,18歳未満の者の労働時間を制限することを規定した。
間違いポイント
18歳未満の者 → 15歳未満の者
これを知らなくても,1911(明治44)年の工場法の時代,15歳なら立派なおとなだろうと思う感性が必要です。
5 児童憲章は,児童の権利に関するジュネーブ宣言を受けて制定された。
間違いポイント
児童憲章とジュネーブ宣言はとはかかわりを持ちません。
ジュネーブ宣言は,1924年に当時の国際連盟によるものです。
そんな以前のものを受けることはないでしょう。
<今日の一言>
年号を覚えても正解できる問題はありません。
おおよその時代が分かれば,それで十分です。
恤救規則と救護法を比較すると以下のようになります。
救済の対象
|
児童
|
高齢者
|
恤救規則
|
13歳以下
|
70歳以上
|
救護法
|
13歳以下
|
65歳以上
|
児童はいずれも13歳以下です。
戦前の児童虐待防止法(1933)の児童は,14歳未満とされていました。
戦前では,15歳はもう立派なおとな扱いされていたことがわかります。
現在の児童福祉法は,18歳未満です。
この違いはしっかり押さえておくことが必要です。
2019年11月27日水曜日
各法における児童の年齢の定義
国試に出題される児童関係の法律は複数あり,しかも法律によって児童を定義する年齢がまちまちです。
それぞれをしっかり覚えるのは,難しいです。
こういった場合は,基本を押さえて,例外を覚えるのが確実です。
基本
児童の年齢は18歳
例外(20歳)
20歳を規定しているのは,わずか3法です。
児童に関連する法で,20歳を規定しているのは,ほかに少年法(少年の定義)があります。
社会福祉士の国家試験に出題されるそのほかの法令等は,すべて18歳です。
15歳や16歳などを規定しているものはありません。
20歳は例外です。
それでは今日の問題です。
第27回・問題137 次の各法令などが対象とする「児童」として,正しいものを1つ選びなさい。
1 児童扶養手当法では,「児童」を16歳未満の者と定めている。
2 母子及び寡婦福祉法(現在の母子及び父子並びに寡婦福祉法)では,「児童」を18歳未満の者と定めている。
3 児童手当法では,「児童」を16歳未満の者と定めている。
4 児童の権利に関する条約では,「児童」を16歳未満の者と定めている。
5 児童虐待の防止等に関する法律では,「児童」を18歳未満の者と定めている。
16歳という規定があるものは存在しません。
残るは,
2 母子及び寡婦福祉法(現在の母子及び父子並びに寡婦福祉法)では,「児童」を18歳未満の者と定めている。
5 児童虐待の防止等に関する法律では,「児童」を18歳未満の者と定めている。
母子及び父子並びに寡婦福祉法は,例外の20歳を規定している数少ない法律です。
正解は,
5 児童虐待の防止等に関する法律では,「児童」を18歳未満の者と定めている。
となります。
<今日の一言>
児童・子ども・少年の基本的な年齢は,18歳です。
20歳の規定があるのは,
児童の定義
母子及び父子並びに寡婦福祉法
児童扶養手当法(特別児童扶養手当法)
少年の定義
少年法
社会福祉士の国家試験に出題される法令は,これら以外はすべて18歳です。
児童の権利に関する条約も18歳です。
ばらばらに覚えると難易度が高くなりますが,基本を押さえて,例外を押さえることで,とても整理できるのでおすすめです。
きっちり覚えるとは,こういったことを言います。
それぞれをしっかり覚えるのは,難しいです。
こういった場合は,基本を押さえて,例外を覚えるのが確実です。
基本
児童の年齢は18歳
例外(20歳)
20歳を規定しているのは,わずか3法です。
母子及び父子並びに寡婦福祉法
|
20歳に満たない者。
|
児童扶養手当法
|
18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者,又は20歳未満で政令に定める程度の障害の状態にある者。
|
特別児童扶養手当法
(障害児)
|
20歳未満の者で,1・2級の障害の状態にある者。
|
児童に関連する法で,20歳を規定しているのは,ほかに少年法(少年の定義)があります。
社会福祉士の国家試験に出題されるそのほかの法令等は,すべて18歳です。
15歳や16歳などを規定しているものはありません。
20歳は例外です。
それでは今日の問題です。
第27回・問題137 次の各法令などが対象とする「児童」として,正しいものを1つ選びなさい。
1 児童扶養手当法では,「児童」を16歳未満の者と定めている。
2 母子及び寡婦福祉法(現在の母子及び父子並びに寡婦福祉法)では,「児童」を18歳未満の者と定めている。
3 児童手当法では,「児童」を16歳未満の者と定めている。
4 児童の権利に関する条約では,「児童」を16歳未満の者と定めている。
5 児童虐待の防止等に関する法律では,「児童」を18歳未満の者と定めている。
16歳という規定があるものは存在しません。
残るは,
2 母子及び寡婦福祉法(現在の母子及び父子並びに寡婦福祉法)では,「児童」を18歳未満の者と定めている。
5 児童虐待の防止等に関する法律では,「児童」を18歳未満の者と定めている。
母子及び父子並びに寡婦福祉法は,例外の20歳を規定している数少ない法律です。
正解は,
5 児童虐待の防止等に関する法律では,「児童」を18歳未満の者と定めている。
となります。
<今日の一言>
児童・子ども・少年の基本的な年齢は,18歳です。
20歳の規定があるのは,
児童の定義
母子及び父子並びに寡婦福祉法
児童扶養手当法(特別児童扶養手当法)
少年の定義
少年法
社会福祉士の国家試験に出題される法令は,これら以外はすべて18歳です。
児童の権利に関する条約も18歳です。
ばらばらに覚えると難易度が高くなりますが,基本を押さえて,例外を押さえることで,とても整理できるのでおすすめです。
きっちり覚えるとは,こういったことを言います。
2019年11月26日火曜日
国家試験の合格率は30%
社会福祉士の国家試験の合格率は,わずか30%です。
少なくとも,3年間の過去問を3回繰り返すだけで合格できるような試験ではありません。
社会人の受験者が,3か月で合格とか,過去問3回解けば合格できるといったことを信じているとしたら,おそらく合格することはできないと思います。
社会福祉士の国試の出題範囲は広いので,それだけの勉強では不足するのです。
合格に必要なことは,出題基準に示された範囲をひたすら覚えることです。
一つひとつの問題は決して難しくありません。
国試合格には,近道はありません。
しかし,回り道はたくさんあります。
受験生のすべての人が地道に勉強しているわけではありません。
3か月で合格できる
3年間の過去問を3回解く
これで合格する人もいます。
しかし,多くの人はこの勉強では失敗することでしょう。
間違った勉強で合格できない人が一定数いることは,真面目に勉強をしてきた人の合格を高めることにつながるので,ありがたいことです。
社会福祉士の国家試験は,上位30%が合格できる試験です。
70%の不合格になる受験生がいて,初めて上位30%が成り立ちます。
合格は,不合格になる70%の人の上に存在します。
無責任な情報を流す人は悪だと思いますが,こういった意味では,ありがたいことです。
勉強不足の70%の層を作ってくれるからです。
勉強が進んでいなくとも,今ならまだギリギリ間に合います。
なぜなら,大切なのは,勉強にかけた時間ではなく,どんな勉強をしたのか,だからです。
国家試験は,決して難しいものではありません。
そのため,国家試験を終えてから,問題を見直してみると,正解できた問題は必ずあるです。そのような問題を落として不合格になるのは悔しいことです。
勉強は辛いかもしれませんが,それでも歯を食いしばって,勉強を続けていきましょう。
他の受験生と一歩差をつけることが何よりも大切です。
3年間の過去問をちょこっと解いてみて,合格できるような試験では決してありません。
しかし,基礎力を積み重ねることができた人は,必ず合格をつかむことができます。
私たちチームfukufuku21は,本気で合格を目指す方のサポーターです。
※今日の問題はお休みします。今日は苦手だと思う科目を過去記事で強化してみましょう。
少なくとも,3年間の過去問を3回繰り返すだけで合格できるような試験ではありません。
社会人の受験者が,3か月で合格とか,過去問3回解けば合格できるといったことを信じているとしたら,おそらく合格することはできないと思います。
社会福祉士の国試の出題範囲は広いので,それだけの勉強では不足するのです。
合格に必要なことは,出題基準に示された範囲をひたすら覚えることです。
一つひとつの問題は決して難しくありません。
国試合格には,近道はありません。
しかし,回り道はたくさんあります。
受験生のすべての人が地道に勉強しているわけではありません。
3か月で合格できる
3年間の過去問を3回解く
これで合格する人もいます。
しかし,多くの人はこの勉強では失敗することでしょう。
間違った勉強で合格できない人が一定数いることは,真面目に勉強をしてきた人の合格を高めることにつながるので,ありがたいことです。
社会福祉士の国家試験は,上位30%が合格できる試験です。
70%の不合格になる受験生がいて,初めて上位30%が成り立ちます。
合格は,不合格になる70%の人の上に存在します。
無責任な情報を流す人は悪だと思いますが,こういった意味では,ありがたいことです。
勉強不足の70%の層を作ってくれるからです。
勉強が進んでいなくとも,今ならまだギリギリ間に合います。
なぜなら,大切なのは,勉強にかけた時間ではなく,どんな勉強をしたのか,だからです。
国家試験は,決して難しいものではありません。
そのため,国家試験を終えてから,問題を見直してみると,正解できた問題は必ずあるです。そのような問題を落として不合格になるのは悔しいことです。
勉強は辛いかもしれませんが,それでも歯を食いしばって,勉強を続けていきましょう。
他の受験生と一歩差をつけることが何よりも大切です。
3年間の過去問をちょこっと解いてみて,合格できるような試験では決してありません。
しかし,基礎力を積み重ねることができた人は,必ず合格をつかむことができます。
私たちチームfukufuku21は,本気で合格を目指す方のサポーターです。
※今日の問題はお休みします。今日は苦手だと思う科目を過去記事で強化してみましょう。
2019年11月25日月曜日
各法における少年の定義
現在,少年法の少年の定義は,20歳となっています。
将来は,どのようになるのかはわかりませんが,そのためにちょっと複雑です。
児童福祉法&少年法における少年の定義
小学校就学の始期とは,4/1の意味です。
それでは,今日の問題です。
第28回・問題138 児童福祉法における用語の意味として,正しいものを1つ選びなさい。
1 「少年」とは,中学校入学の始期から,満18歳に達するまでの者をいう。
2 「妊産婦」とは,妊娠中又は出産後3か月以内の女子をいう。
3 「要支援児童」とは,保護者に監護させることが不適当であると認められる児童をいう。
4 「保護者」とは,児童の扶養義務を負う者をいう。
5 「特定妊婦」とは,出産後の養育について,出産前において支援を行うことが特に必要と認められる妊婦をいう。
こういった問題は,本当に難しいと思います。
知識がなければ,まず正解できないでしょう。
国家試験の最高の解答テクニックは,消去法です。
消去法を駆使しないで合格はあり得ないと思います。
この問題の正解は,選択肢5です。
5 「特定妊婦」とは,出産後の養育について,出産前において支援を行うことが特に必要と認められる妊婦をいう。
現在の参考書は「特定妊婦」は書かれているはずです。
これを「正解だ」思えた人は,国試当時いなかったと思います。
どれだけ勉強しても知らないものは出題されます。
国家試験は,そういうものです。
だからと言って正解できない問題は出題しません。
そこで活用されるのが,消去法です。
それでは,ほかの選択肢を消去していきましょう。
1 「少年」とは,中学校入学の始期から,満18歳に達するまでの者をいう。
これは,前説にあったように,
「少年」とは,小学校入学の始期から,満18歳に達するまでの者をいいます。
2 「妊産婦」とは,妊娠中又は出産後3か月以内の女子をいう。
「妊産婦」とは,妊娠中又は出産後1年以内の女子をいいます。
3 「要支援児童」とは,保護者に監護させることが不適当であると認められる児童をいう。
「要支援児童」とは,要保護児童を除く保護者の養育を支援することが特に必要と認められる児童をいいます。
保護者に監護させることが不適当であると認められる児童は,「要保護児童」といいます。
4 「保護者」とは,児童の扶養義務を負う者をいう。
「保護者」は,児童の扶養義務を負う者ではなく,児童の保護の義務を負う者です。
<今日の一言>
国家試験は,おそらく知恵を使わないで合格するのは,とても難しいように思います,
なぜなら,知恵のないワーカーは現場では使えないからです。
そのため,国家試験では,手を変え品を変え,様々なスタイルで出題をします。
合格をつかむためには,いかにそのような問題にも対応するかが大切です。
まず必要なのは,基礎力です。
そして,もう一つ必要なのは,知恵です。
経験によって知識が知恵に変わります。
勉強不足だと思っている人は,ぜひ問題をたくさん解いて国試に臨むと良いと思います。
知識が知恵に変わるでしょう。
何度も受験されている方は,特に重要です。同じ勉強では同じ結果しか得られません。
将来は,どのようになるのかはわかりませんが,そのためにちょっと複雑です。
児童福祉法&少年法における少年の定義
法律名
|
少年の定義
|
児童福祉法
|
小学校就学の始期から,満18歳に達するまでの者
|
少年法
|
20歳に満たない者。
|
小学校就学の始期とは,4/1の意味です。
それでは,今日の問題です。
第28回・問題138 児童福祉法における用語の意味として,正しいものを1つ選びなさい。
1 「少年」とは,中学校入学の始期から,満18歳に達するまでの者をいう。
2 「妊産婦」とは,妊娠中又は出産後3か月以内の女子をいう。
3 「要支援児童」とは,保護者に監護させることが不適当であると認められる児童をいう。
4 「保護者」とは,児童の扶養義務を負う者をいう。
5 「特定妊婦」とは,出産後の養育について,出産前において支援を行うことが特に必要と認められる妊婦をいう。
こういった問題は,本当に難しいと思います。
知識がなければ,まず正解できないでしょう。
国家試験の最高の解答テクニックは,消去法です。
消去法を駆使しないで合格はあり得ないと思います。
この問題の正解は,選択肢5です。
5 「特定妊婦」とは,出産後の養育について,出産前において支援を行うことが特に必要と認められる妊婦をいう。
現在の参考書は「特定妊婦」は書かれているはずです。
これを「正解だ」思えた人は,国試当時いなかったと思います。
どれだけ勉強しても知らないものは出題されます。
国家試験は,そういうものです。
だからと言って正解できない問題は出題しません。
そこで活用されるのが,消去法です。
それでは,ほかの選択肢を消去していきましょう。
1 「少年」とは,中学校入学の始期から,満18歳に達するまでの者をいう。
これは,前説にあったように,
「少年」とは,小学校入学の始期から,満18歳に達するまでの者をいいます。
2 「妊産婦」とは,妊娠中又は出産後3か月以内の女子をいう。
「妊産婦」とは,妊娠中又は出産後1年以内の女子をいいます。
3 「要支援児童」とは,保護者に監護させることが不適当であると認められる児童をいう。
「要支援児童」とは,要保護児童を除く保護者の養育を支援することが特に必要と認められる児童をいいます。
保護者に監護させることが不適当であると認められる児童は,「要保護児童」といいます。
4 「保護者」とは,児童の扶養義務を負う者をいう。
「保護者」は,児童の扶養義務を負う者ではなく,児童の保護の義務を負う者です。
<今日の一言>
国家試験は,おそらく知恵を使わないで合格するのは,とても難しいように思います,
なぜなら,知恵のないワーカーは現場では使えないからです。
そのため,国家試験では,手を変え品を変え,様々なスタイルで出題をします。
合格をつかむためには,いかにそのような問題にも対応するかが大切です。
まず必要なのは,基礎力です。
そして,もう一つ必要なのは,知恵です。
経験によって知識が知恵に変わります。
勉強不足だと思っている人は,ぜひ問題をたくさん解いて国試に臨むと良いと思います。
知識が知恵に変わるでしょう。
何度も受験されている方は,特に重要です。同じ勉強では同じ結果しか得られません。
2019年11月24日日曜日
各法等における児童の年齢の定義
今回から「児童と家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度」に取り組んでいきます。
社会福祉士の国家試験に出題される児童関係の法律で,20歳を規定しているのは,わずか3法です。
母子及び父子並びに寡婦福祉法
児童扶養手当法
特別児童扶養手当法
それ以外は18歳となっています。
早速今日の問題です。
第22回・問題136 児童等の定義に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 児童福祉法にいう乳児とは,2歳未満の者を意味する。
2 母子及び父子並びに寡婦福祉法にいう児童とは,20歳未満の者を意味する。
3 児童福祉法にいう幼児とは,3歳未満の者を意味する。
4 児童福祉法にいう少年とは,15歳以上18歳未満の者を意味する。
5 児童の権利に関する条約にいう児童とは,20歳未満の者を意味する。
知識がないととても難しい問題です。
勘の良さでは太刀打ちできるものではありません。
しかし,前説で紹介ように,児童で20歳を規定しているのは,
母子及び父子並びに寡婦福祉法
児童扶養手当法
特別児童扶養手当法
のみです(社会福祉士の国試で出題される法の場合)。
ということで正解は,選択肢2
2 母子及び父子並びに寡婦福祉法にいう児童とは,20歳未満の者を意味する。
法に規定される児童の年齢を覚えるのは大変ですが,20歳を規定する3法を押さえて,それ以外は18歳だと覚えるのが良いと思います。
それではほかの選択肢も見てみましょう。
1 児童福祉法にいう乳児とは,2歳未満の者を意味する。
これはナンセンスでしょう。
2歳未満で乳児というのはおかしな感じです。
2歳なら,多くの子供は一人で歩いています。
乳児なのに歩くというのは,怖いと思いませんか?
オカルト的です。
正しくは,児童は1歳未満だとということになります。
3 児童福祉法にいう幼児とは,3歳未満の者を意味する。
うっかりすると,正解にしてしまいそうですが,幼児が3歳未満なら,4・5歳はなんと呼ぶのでしょう?
正しくは,満1歳から小学校就学の始期に達するまでの者が幼児です。
4 児童福祉法にいう少年とは,15歳以上18歳未満の者を意味する。
これもうっかりすると正解にしてしまいそうですが,少年が15歳以上18歳未満なら,中学生はなんと呼ぶのでしょう?
正しくは,小学校就学の始期から,満18歳に達するまでの者です。
5 児童の権利に関する条約にいう児童とは,20歳未満の者を意味する。
児童の権利に関する条約は18歳未満の者を児童と規定しています。
<今日の一言>
児童福祉法では,児童を以下のように分類しています。
20歳を規定するのは,
母子及び父子並びに寡婦福祉法
児童扶養手当法
特別児童扶養手当法
それ以外の法や条約が規定する児童は,18歳です。
今日は,日総研模試の日です。
受験される方は,精いっぱい力を出し切りましょう。
(2019/11/25追記)
受験された方はお疲れさまでした。
社会福祉士の国家試験に出題される児童関係の法律で,20歳を規定しているのは,わずか3法です。
母子及び父子並びに寡婦福祉法
児童扶養手当法
特別児童扶養手当法
それ以外は18歳となっています。
早速今日の問題です。
第22回・問題136 児童等の定義に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 児童福祉法にいう乳児とは,2歳未満の者を意味する。
2 母子及び父子並びに寡婦福祉法にいう児童とは,20歳未満の者を意味する。
3 児童福祉法にいう幼児とは,3歳未満の者を意味する。
4 児童福祉法にいう少年とは,15歳以上18歳未満の者を意味する。
5 児童の権利に関する条約にいう児童とは,20歳未満の者を意味する。
知識がないととても難しい問題です。
勘の良さでは太刀打ちできるものではありません。
しかし,前説で紹介ように,児童で20歳を規定しているのは,
母子及び父子並びに寡婦福祉法
児童扶養手当法
特別児童扶養手当法
のみです(社会福祉士の国試で出題される法の場合)。
ということで正解は,選択肢2
2 母子及び父子並びに寡婦福祉法にいう児童とは,20歳未満の者を意味する。
法に規定される児童の年齢を覚えるのは大変ですが,20歳を規定する3法を押さえて,それ以外は18歳だと覚えるのが良いと思います。
それではほかの選択肢も見てみましょう。
1 児童福祉法にいう乳児とは,2歳未満の者を意味する。
これはナンセンスでしょう。
2歳未満で乳児というのはおかしな感じです。
2歳なら,多くの子供は一人で歩いています。
乳児なのに歩くというのは,怖いと思いませんか?
オカルト的です。
正しくは,児童は1歳未満だとということになります。
3 児童福祉法にいう幼児とは,3歳未満の者を意味する。
うっかりすると,正解にしてしまいそうですが,幼児が3歳未満なら,4・5歳はなんと呼ぶのでしょう?
正しくは,満1歳から小学校就学の始期に達するまでの者が幼児です。
4 児童福祉法にいう少年とは,15歳以上18歳未満の者を意味する。
これもうっかりすると正解にしてしまいそうですが,少年が15歳以上18歳未満なら,中学生はなんと呼ぶのでしょう?
正しくは,小学校就学の始期から,満18歳に達するまでの者です。
5 児童の権利に関する条約にいう児童とは,20歳未満の者を意味する。
児童の権利に関する条約は18歳未満の者を児童と規定しています。
<今日の一言>
児童福祉法では,児童を以下のように分類しています。
1歳未満
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乳児
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幼児
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満1歳から小学校就学の始期に達するまでの者
|
少年
|
小学校就学の始期から,満18歳に達するまでの者
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20歳を規定するのは,
母子及び父子並びに寡婦福祉法
児童扶養手当法
特別児童扶養手当法
それ以外の法や条約が規定する児童は,18歳です。
今日は,日総研模試の日です。
受験される方は,精いっぱい力を出し切りましょう。
(2019/11/25追記)
受験された方はお疲れさまでした。
2019年11月23日土曜日
「高齢者に対する支援と介護保険制度」のまとめとして~地域支援事業と保険者機能強化推進交付金
「高齢者に対する支援と介護保険制度」は,ちょうど2か月にわたって,取り上げてきた科目です。国家試験では,10問出題される科目なので,ボリュームが多いのです。
この科目が10問なのは,介護保険の分量が多いからではなく,旧カリキュラム時代にあった「介護概論」がなくなって,旧カリキュラムの「老人福祉論」と統合して,この科目を誕生させたからです。
とは言っても,介護に関する出題は,毎年1~2問程度です。
認知症の介護に至っては,第22回と第23回に出題されただけで,それ以来10年近く出題されたことがありません。
社会福祉士の国家試験を実施している社会福祉振興・試験センターも,介護概論を廃止したために10問になったことを忘れてしまっているのかもしれません。
介護保険制度に目を向けると,近年の傾向としては,介護給付・予防給付よりも地域支援事業が出題されています。
ということで,もう一度,地域支援事業をまとめてみたいと思います。
それぞれの事業は,大体でもどんなものであったかをイメージできればOKです。
昨今のトピックは,「保険者機能強化推進交付金」です。
この交付金は,
保険者が地域の課題を分析して,自立支援,重度化防止に取り組むとともに,財政的
インセンティブを付与すること
を目的としたものです。
今までの介護保険法の改正の整理及び地域支援事業とともに保険者機能強化推進交付金を確認しておきたいです。
平成31年3月20日 社会保障審議会介護保険部会(第76回)資料
「介護予防・健康づくりと保険者機能の強化」
https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000490338.pdf
これで,「高齢者に対する支援と介護保険制度」はおしまいです。
次回からは,「児童と家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度」です。
この科目が10問なのは,介護保険の分量が多いからではなく,旧カリキュラム時代にあった「介護概論」がなくなって,旧カリキュラムの「老人福祉論」と統合して,この科目を誕生させたからです。
とは言っても,介護に関する出題は,毎年1~2問程度です。
認知症の介護に至っては,第22回と第23回に出題されただけで,それ以来10年近く出題されたことがありません。
社会福祉士の国家試験を実施している社会福祉振興・試験センターも,介護概論を廃止したために10問になったことを忘れてしまっているのかもしれません。
介護保険制度に目を向けると,近年の傾向としては,介護給付・予防給付よりも地域支援事業が出題されています。
ということで,もう一度,地域支援事業をまとめてみたいと思います。
介護予防・日常生活支援総合事業 財源:第一号・第二号被保険者の保険料)
|
||
一般介護予防事業
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介護予防把握事業
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介護予防普及啓発事業
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地域介護予防活動支援事業
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地域リハビリ―ション活動支援事業
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介護予防・日常生活支援サービス事業
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訪問型サービス
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通所型サービス
|
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介護予防ケアマネジメント
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包括的支援事業(財源:第一号被保険者の保険料)
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地域包括支援センター事業
|
介護予防ケアマネジメント業務
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要支援者(予防給付を利用しない場合),基本チェックリスト該当者に対する訪問型サービス,通所型サービス,その他の生活支援サービス等の実施。
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総合相談・支援業務
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高齢者の相談受付・支援等。
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権利擁護業務
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高齢者の権利擁護の支援,虐待防止等。
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包括的・継続的ケアマネジメント支援業務
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社会資源を活用したケアマネジメント体制の構築。
地域の介護支援専門員の資質向上のための後方支援。
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在宅医療・介護連携推進事業
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高齢者などが医療機関を退院する際における医療関係者と介護関係者の連携の調整や相互の紹介など。
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生活支援体制整備事業
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生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)及び生活支援サービスの提供主体による情報共有・連携強化の場としての協議体の設置。
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認知症総合支援事業
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認知症初期集中支援チーム編成と認知症地域支援推進員の配置。
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地域ケア会議推進事業
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地域包括ケアシステム構築に向けた多職種で協働し地域課題を地域づくりや政策形成などを行う地域ケア会議を推進する事業。
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任意事業(財源:第一号被保険者の保険料)
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介護給付費等費用適正化事業
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介護給付費等の費用を適正化する事業
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家族介護支援事業
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介護方法の指導など,介護者に対する支援事業
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成年後見制度利用支援事業
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成年後見制度利用の費用を支給する事業
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その他の事業
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その他
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それぞれの事業は,大体でもどんなものであったかをイメージできればOKです。
昨今のトピックは,「保険者機能強化推進交付金」です。
この交付金は,
保険者が地域の課題を分析して,自立支援,重度化防止に取り組むとともに,財政的
インセンティブを付与すること
を目的としたものです。
今までの介護保険法の改正の整理及び地域支援事業とともに保険者機能強化推進交付金を確認しておきたいです。
平成31年3月20日 社会保障審議会介護保険部会(第76回)資料
「介護予防・健康づくりと保険者機能の強化」
https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000490338.pdf
これで,「高齢者に対する支援と介護保険制度」はおしまいです。
次回からは,「児童と家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度」です。
2019年11月22日金曜日
「高齢者の居住の安定確保に関する法律」(高齢者住まい法)
「高齢者の居住の安定確保に関する法律」(高齢者住まい法)は,サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)を規定する法律です。
この法律を所管しているのは,厚生労働省と国土交通省です。
この組み合わせは,バリアフリー新法と同じです。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは?
高齢者向けの賃貸住宅又は老人福祉法に規定する有料老人ホームに高齢者を入居させて,状況把握サービス及び生活相談サービス,その他の高齢者が日常生活を営むために必要な福祉サービスを提供する事業。
都道府県知事の登録を受けて,サービス付き高齢者向け住宅となります。
それでは,今日の問題です。
第28回・問題135 高齢者の居住の安定確保に関する法律に規定するサービス付き高齢者向け住宅に関する記述として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 老人福祉法に規定する有料老人ホームの場合,サービス付き高齢者向け住宅の登録を受けることはできない。
2 サービス付き高齢者向け住宅の登録基準として,各戸の床面積については12m2以上であることが必要とされている。
3 サービス付き高齢者向け住宅において必須とされるサービスは,状況把握サービスのみである。
4 サービス付き高齢者向け住宅の事業者は,入居者に対し契約前に書面を交付して必要な説明を行わなければならない。
5 サービス付き高齢者向け住宅に関する報告徴収,立入検査等の指導監督は,所在地の市町村によって行われる。
この問題は,落ち着いて問題を読むことの大切さを教えてくれるような問題だと思います。
答えは,選択肢4です。
4 サービス付き高齢者向け住宅の事業者は,入居者に対し契約前に書面を交付して必要な説明を行わなければならない。
よくよく読んでみれば,極めて当たり前の内容です。
しかし,ここで深読みしてしまうと,これを正解にすることはできなくなります。
国家試験の問題は,意外と素直に作られています。
社会福祉士の国家試験は難しいという先入観があると素直に問題を読むことができなくなってしまうので注意が必要です。
ほかの選択肢も見てみましょう。
1 老人福祉法に規定する有料老人ホームの場合,サービス付き高齢者向け住宅の登録を受けることはできない。
高齢者向けの賃貸住宅又は老人福祉法に規定する有料老人ホームが都道府県知事の登録を受けることで,サービス付き高齢者向け住宅となります。
2 サービス付き高齢者向け住宅の登録基準として,各戸の床面積については12m2以上であることが必要とされている。
広さは25 m2です。
3 サービス付き高齢者向け住宅において必須とされるサービスは,状況把握サービスのみである。
「のみ」は,たいていの場合は,間違いとなります。
そのため近年はほとんど「のみ」は使われなくなっています。
5 サービス付き高齢者向け住宅に関する報告徴収,立入検査等の指導監督は,所在地の市町村によって行われる。
サ高住は,都道府県知事の登録を受けます。
介護保険は,保険者権限があります。このために,都道府県が指定した事業者であっても市町村が関与します。
しかし,多くの場合は,指定権者等が指導監督権限を持ちます。
同じように,サ高住は都道府県の範疇です。
<今日の一言>
国家試験は,決して意地悪な出題をしません。
それにもかかわらず,深読みすると,正解にたどり着くことはできません。
素直に丁寧に問題を読むことが大切です。
この法律を所管しているのは,厚生労働省と国土交通省です。
この組み合わせは,バリアフリー新法と同じです。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは?
高齢者向けの賃貸住宅又は老人福祉法に規定する有料老人ホームに高齢者を入居させて,状況把握サービス及び生活相談サービス,その他の高齢者が日常生活を営むために必要な福祉サービスを提供する事業。
都道府県知事の登録を受けて,サービス付き高齢者向け住宅となります。
それでは,今日の問題です。
第28回・問題135 高齢者の居住の安定確保に関する法律に規定するサービス付き高齢者向け住宅に関する記述として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 老人福祉法に規定する有料老人ホームの場合,サービス付き高齢者向け住宅の登録を受けることはできない。
2 サービス付き高齢者向け住宅の登録基準として,各戸の床面積については12m2以上であることが必要とされている。
3 サービス付き高齢者向け住宅において必須とされるサービスは,状況把握サービスのみである。
4 サービス付き高齢者向け住宅の事業者は,入居者に対し契約前に書面を交付して必要な説明を行わなければならない。
5 サービス付き高齢者向け住宅に関する報告徴収,立入検査等の指導監督は,所在地の市町村によって行われる。
この問題は,落ち着いて問題を読むことの大切さを教えてくれるような問題だと思います。
答えは,選択肢4です。
4 サービス付き高齢者向け住宅の事業者は,入居者に対し契約前に書面を交付して必要な説明を行わなければならない。
よくよく読んでみれば,極めて当たり前の内容です。
しかし,ここで深読みしてしまうと,これを正解にすることはできなくなります。
国家試験の問題は,意外と素直に作られています。
社会福祉士の国家試験は難しいという先入観があると素直に問題を読むことができなくなってしまうので注意が必要です。
ほかの選択肢も見てみましょう。
1 老人福祉法に規定する有料老人ホームの場合,サービス付き高齢者向け住宅の登録を受けることはできない。
高齢者向けの賃貸住宅又は老人福祉法に規定する有料老人ホームが都道府県知事の登録を受けることで,サービス付き高齢者向け住宅となります。
2 サービス付き高齢者向け住宅の登録基準として,各戸の床面積については12m2以上であることが必要とされている。
広さは25 m2です。
3 サービス付き高齢者向け住宅において必須とされるサービスは,状況把握サービスのみである。
「のみ」は,たいていの場合は,間違いとなります。
そのため近年はほとんど「のみ」は使われなくなっています。
5 サービス付き高齢者向け住宅に関する報告徴収,立入検査等の指導監督は,所在地の市町村によって行われる。
サ高住は,都道府県知事の登録を受けます。
介護保険は,保険者権限があります。このために,都道府県が指定した事業者であっても市町村が関与します。
しかし,多くの場合は,指定権者等が指導監督権限を持ちます。
同じように,サ高住は都道府県の範疇です。
<今日の一言>
国家試験は,決して意地悪な出題をしません。
それにもかかわらず,深読みすると,正解にたどり着くことはできません。
素直に丁寧に問題を読むことが大切です。
2019年11月21日木曜日
虐待防止法に規定される通報義務
虐待防止法は,児童,高齢者,障害者を対象とする3法があります。
それぞれの虐待は以下のように規定されています。
対象はバラバラですが,すべてに共通点があります。
対象は異なっていても,すべてに共通するのは,虐待を受けたと思われる者を発見した者には,通報義務(児童虐待防止法の場合は通告)があることです。
虐待があったかどうかの事実には関係なく,「虐待を受けたと思われる」者を発見したら通報しなければなりません。
それでは今日の問題です。
第29回・問題135 事例を読んで,高齢者虐待に関するL社会福祉士の対応として,適切なものを2つ選びなさい。
〔事 例〕
L社会福祉士は,S町にある特定施設入居者生活介護事業所の管理者をしている。ある日,最近入居したMさんについて,複数の入居者から「昨夜,Mさんが廊下を歩き回ってうるさかった」との苦情を受けた。Mさんを担当したA介護職員に状況を聞くと,「夜勤時,Mさんが大声を出して歩き回っていたので,一晩部屋から出られないように鍵をかけておいた」との説明があった。
1 速やかにS町へ通報をすることとした。
2 閉じ込めたことは,やむを得ない対応と判断した。
3 Mさんの家族に電話で状況を説明し,了解を求めることとした。
4 Mさんの行動について,関係する職員とその要因を分析しつつ,対応方法を検討することとした。
5 外部に情報が広がらないように,ボランティアの受入れを中止することにした。
通報義務があるので,
1 速やかにS町へ通報をすることとした。
は確実に正解でしょう。
もし,これを虐待だと思わないと思うなら,要注意です。
虐待の種類は,ネグレクト及び心理的虐待にあたります。
管理者として行うことは,再発防止です。
つまりもう一つ正解は選択肢4です。
4 Mさんの行動について,関係する職員とその要因を分析しつつ,対応方法を検討することとした。
この問題の正解は2つなので,答えは選択肢1と4ということになりますが,もし正解が1つであったなら,選択肢1を選ばなければなりません。
虐待があったかどうかの事実確認よりも通報(児童の場合は通告)が優先されます。
<今日の一言>
国試が終わったら,各社から解答速報が発表されます。
ところが会社によって答えが割れるものが必ず数問あります。
この問題もその一つです。1を正解にせず,3を正解にした会社があったのです。
人によっては,ドキドキするので自己採点はしない,という方もいます。
ドキドキするような点数ではなく,余裕の点数を取りたいものです。
それはさておき・・・
事例問題での注意点です。
ソーシャルワーク系,しかも初期対応に関する事例問題は,多くの場合,事実確認に関するものが正解になります。
しかし,
虐待に関する事例問題の場合は,最も優先されるのは「通報」です。通報義務があるからです。
虐待事例なのに一般事例と同じように事実確認を優先すると間違います。十二分に気を付けなければなりません。
事例問題のスタイルをとっていても,法の知識が問われているものがあることを忘れないようにしましょう。
それぞれの虐待は以下のように規定されています。
児童虐待防止法
|
・保護者による虐待。
|
高齢者虐待防止法
|
・養護者による虐待。
・養介護施設従事者等による虐待。
|
障害者虐待防止法
|
・養護者による虐待。
・障害者福祉施設従事者等による虐待。
・使用者による虐待。
|
対象はバラバラですが,すべてに共通点があります。
対象は異なっていても,すべてに共通するのは,虐待を受けたと思われる者を発見した者には,通報義務(児童虐待防止法の場合は通告)があることです。
虐待があったかどうかの事実には関係なく,「虐待を受けたと思われる」者を発見したら通報しなければなりません。
児童虐待防止法
|
児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに、これを市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所又は児童委員を介して市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所に通告しなければならない。
|
高齢者虐待防止法
|
養護者による高齢者虐待を受けたと思われる高齢者を発見した者は、当該高齢者の生命又は身体に重大な危険が生じている場合は、速やかに、これを市町村に通報しなければならない。
養介護施設従事者等による高齢者虐待を受けたと思われる高齢者を発見した者は、当該高齢者の生命又は身体に重大な危険が生じている場合は、速やかに、これを市町村に通報しなければならない。
|
障害者虐待防止法
|
養護者による障害者虐待を受けたと思われる障害者を発見した者は、速やかに、これを市町村に通報しなければならない。
障害者福祉施設従事者等による障害者虐待を受けたと思われる障害者を発見した者は、速やかに、これを市町村に通報しなければならない。
使用者による障害者虐待を受けたと思われる障害者を発見した者は、速やかに、これを市町村又は都道府県に通報しなければならない。
|
それでは今日の問題です。
第29回・問題135 事例を読んで,高齢者虐待に関するL社会福祉士の対応として,適切なものを2つ選びなさい。
〔事 例〕
L社会福祉士は,S町にある特定施設入居者生活介護事業所の管理者をしている。ある日,最近入居したMさんについて,複数の入居者から「昨夜,Mさんが廊下を歩き回ってうるさかった」との苦情を受けた。Mさんを担当したA介護職員に状況を聞くと,「夜勤時,Mさんが大声を出して歩き回っていたので,一晩部屋から出られないように鍵をかけておいた」との説明があった。
1 速やかにS町へ通報をすることとした。
2 閉じ込めたことは,やむを得ない対応と判断した。
3 Mさんの家族に電話で状況を説明し,了解を求めることとした。
4 Mさんの行動について,関係する職員とその要因を分析しつつ,対応方法を検討することとした。
5 外部に情報が広がらないように,ボランティアの受入れを中止することにした。
通報義務があるので,
1 速やかにS町へ通報をすることとした。
は確実に正解でしょう。
もし,これを虐待だと思わないと思うなら,要注意です。
虐待の種類は,ネグレクト及び心理的虐待にあたります。
管理者として行うことは,再発防止です。
つまりもう一つ正解は選択肢4です。
4 Mさんの行動について,関係する職員とその要因を分析しつつ,対応方法を検討することとした。
この問題の正解は2つなので,答えは選択肢1と4ということになりますが,もし正解が1つであったなら,選択肢1を選ばなければなりません。
虐待があったかどうかの事実確認よりも通報(児童の場合は通告)が優先されます。
<今日の一言>
国試が終わったら,各社から解答速報が発表されます。
ところが会社によって答えが割れるものが必ず数問あります。
この問題もその一つです。1を正解にせず,3を正解にした会社があったのです。
人によっては,ドキドキするので自己採点はしない,という方もいます。
ドキドキするような点数ではなく,余裕の点数を取りたいものです。
それはさておき・・・
事例問題での注意点です。
ソーシャルワーク系,しかも初期対応に関する事例問題は,多くの場合,事実確認に関するものが正解になります。
しかし,
虐待に関する事例問題の場合は,最も優先されるのは「通報」です。通報義務があるからです。
虐待事例なのに一般事例と同じように事実確認を優先すると間違います。十二分に気を付けなければなりません。
事例問題のスタイルをとっていても,法の知識が問われているものがあることを忘れないようにしましょう。
2019年11月20日水曜日
社会人が社会福祉士の国家試験に合格するための勉強法
社会福祉士の国家試験の合格率は,約30%です。
とは言っても,勉強不足で受験する人もいます。
社会福祉士の国家試験は,まぐれで合格できるような試験ではありません。
知っていたところが偶然出題されて,合格できるといった試験ではありません。
勉強不足の人は確実に不合格になります。
勉強不足の人がまぐれで合格する試験ではないことは,断言します。
今の国家試験は,勉強をしっかりした人は報われるものです。
勉強した人は報われなければなりません。
それにもかかわらず,何度受験しても合格できないという人もいます。
この学習部屋は,そんな仲間が合格するために始めたのがきっかけです。
国家試験に合格するためには,基礎的な知識が必要です。
これなしでは,絶対に合格することはできません。
国家試験に合格するために最も必要なものは,極めてアナログですが「合格したい」という気持ちです。
この気持ちを抱いて国試までの残り時間を勉強していけば,必ず基礎力はつきます。
学習時間に限りがある社会人でも気持ち次第で実力はぐんぐん伸ばすことができます。
ただし,3年間の過去問を完璧に覚える勉強は,覚えるべき内容が少なすぎて基礎力をつけるためには,不適切です。
3年間の過去問を効果的に使うのは,内容を覚えるというよりも,国家試験に慣れるためのという視点をもつことです。
そうすれば,いろいろなものが見えてくるでしょう。
それでは今日の問題です。
第24回・問題128 「高齢者虐待の防止,高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 この法律にいう「高齢者」とは,その年齢が65歳以上の者を指すとともに,65歳未満の者であって介護保険における要介護あるいは要支援の認定を受けた者をいう。
2 市町村長は養護者による高齢者虐待により高齢者の生命又は身体に重大な危険が生じているおそれがあると認められるときは,裁判所の許可を得て,立入調査をさせることができる。
3 市町村は,虐待防止のために市町村が行う高齢者や養護者に対する相談,助言,指導について,当該市町村と連携協力する高齢者虐待対応協力者のうち適当と認められるものに委託することができる。
4 市町村長は,毎年度,養介護施設従事者等による高齢者虐待の状況や養介護施設従事者等による高齢者虐待があった場合に採った措置などについて公表しなければならない。
5 養護者による虐待を受けた高齢者について老人福祉法における措置が採られ,養介護施設へ入所させた場合,養護者から当該高齢者との面接の要求があったときには養介護施設の長はこれを拒むことはできない。
今回から,「高齢者虐待防止法」を取り上げます。
高齢者虐待防止法の目的
第一条 この法律は、高齢者に対する虐待が深刻な状況にあり、高齢者の尊厳の保持にとって高齢者に対する虐待を防止することが極めて重要であること等にかんがみ、高齢者虐待の防止等に関する国等の責務、高齢者虐待を受けた高齢者に対する保護のための措置、養護者の負担の軽減を図ること等の養護者に対する養護者による高齢者虐待の防止に資する支援のための措置等を定めることにより、高齢者虐待の防止、養護者に対する支援等に関する施策を促進し、もって高齢者の権利利益の擁護に資することを目的とする。
定義等
第二条 この法律において「高齢者」とは、六十五歳以上の者をいう。
2 この法律において「養護者」とは、高齢者を現に養護する者であって養介護施設従事者等以外のものをいう。
3 この法律において「高齢者虐待」とは、養護者による高齢者虐待及び養介護施設従事者等による高齢者虐待をいう。
高齢者虐待防止法は,虐待した人を罰するための法律ではありません。
目的に書かれているように,擁護者に対する支援を行うことで,高齢者の権利擁護を図るものです。
法制度で理解しにくいことがあったら,まずは法に当たることです。
しかし,今はあまり時間をかけたくありません。
そこでおすすめするのは,国が作成した行政説明用の資料を見ることです。
理解しにくいものがすんなり分かったりします。
さて,今日の問題の答えは,選択肢です。
3 市町村は,虐待防止のために市町村が行う高齢者や養護者に対する相談,助言,指導について,当該市町村と連携協力する高齢者虐待対応協力者のうち適当と認められるものに委託することができる。
難しいですね。
しかし,ほかの選択肢を消去することで,正解できます。
この問題の読み方が,過去問を解く意味であると言えます。
1 この法律にいう「高齢者」とは,その年齢が65歳以上の者を指すとともに,65歳未満の者であって介護保険における要介護あるいは要支援の認定を受けた者をいう。
高齢者の権利擁護が目的ですから,余計なことをごちゃごちゃ並べる必要はありません。
高齢者の年齢だけを明記すればよいだけです。
2 市町村長は養護者による高齢者虐待により高齢者の生命又は身体に重大な危険が生じているおそれがあると認められるときは,裁判所の許可を得て,立入調査をさせることができる。
高齢者虐待防止法による立入調査は,捜査ではありません。
裁判所の許可を得るには時間がかかります。法の目的を考えるとあり得ないだろうという考える感性が必要です。
4 市町村長は,毎年度,養介護施設従事者等による高齢者虐待の状況や養介護施設従事者等による高齢者虐待があった場合に採った措置などについて公表しなければならない。
公表するのは都道府県知事です。
5 養護者による虐待を受けた高齢者について老人福祉法における措置が採られ,養介護施設へ入所させた場合,養護者から当該高齢者との面接の要求があったときには養介護施設の長はこれを拒むことはできない。
児童でも同じような問題がありますが,拒否できなければ,何のために分離したのかの意味をなさなくなってしまいます。
<今日の一言>
これから先は,絶対にマイナス言葉を口にしないようにしましょう。
マイナス言葉を口にするたびに,国家試験の点数が1点ずつダウンする,というくらいの危機感が必要です。
社会人は,学生と違って自分の周りに社会福祉士の国家試験を受験する仲間は身近にいないことが多いと思います。
仲間同士で支え合うことができにくい環境なので,学生以上に自律が求められます。
とは言っても,勉強不足で受験する人もいます。
社会福祉士の国家試験は,まぐれで合格できるような試験ではありません。
知っていたところが偶然出題されて,合格できるといった試験ではありません。
勉強不足の人は確実に不合格になります。
勉強不足の人がまぐれで合格する試験ではないことは,断言します。
今の国家試験は,勉強をしっかりした人は報われるものです。
勉強した人は報われなければなりません。
それにもかかわらず,何度受験しても合格できないという人もいます。
この学習部屋は,そんな仲間が合格するために始めたのがきっかけです。
国家試験に合格するためには,基礎的な知識が必要です。
これなしでは,絶対に合格することはできません。
国家試験に合格するために最も必要なものは,極めてアナログですが「合格したい」という気持ちです。
この気持ちを抱いて国試までの残り時間を勉強していけば,必ず基礎力はつきます。
学習時間に限りがある社会人でも気持ち次第で実力はぐんぐん伸ばすことができます。
ただし,3年間の過去問を完璧に覚える勉強は,覚えるべき内容が少なすぎて基礎力をつけるためには,不適切です。
3年間の過去問を効果的に使うのは,内容を覚えるというよりも,国家試験に慣れるためのという視点をもつことです。
そうすれば,いろいろなものが見えてくるでしょう。
それでは今日の問題です。
第24回・問題128 「高齢者虐待の防止,高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 この法律にいう「高齢者」とは,その年齢が65歳以上の者を指すとともに,65歳未満の者であって介護保険における要介護あるいは要支援の認定を受けた者をいう。
2 市町村長は養護者による高齢者虐待により高齢者の生命又は身体に重大な危険が生じているおそれがあると認められるときは,裁判所の許可を得て,立入調査をさせることができる。
3 市町村は,虐待防止のために市町村が行う高齢者や養護者に対する相談,助言,指導について,当該市町村と連携協力する高齢者虐待対応協力者のうち適当と認められるものに委託することができる。
4 市町村長は,毎年度,養介護施設従事者等による高齢者虐待の状況や養介護施設従事者等による高齢者虐待があった場合に採った措置などについて公表しなければならない。
5 養護者による虐待を受けた高齢者について老人福祉法における措置が採られ,養介護施設へ入所させた場合,養護者から当該高齢者との面接の要求があったときには養介護施設の長はこれを拒むことはできない。
今回から,「高齢者虐待防止法」を取り上げます。
高齢者虐待防止法の目的
第一条 この法律は、高齢者に対する虐待が深刻な状況にあり、高齢者の尊厳の保持にとって高齢者に対する虐待を防止することが極めて重要であること等にかんがみ、高齢者虐待の防止等に関する国等の責務、高齢者虐待を受けた高齢者に対する保護のための措置、養護者の負担の軽減を図ること等の養護者に対する養護者による高齢者虐待の防止に資する支援のための措置等を定めることにより、高齢者虐待の防止、養護者に対する支援等に関する施策を促進し、もって高齢者の権利利益の擁護に資することを目的とする。
定義等
第二条 この法律において「高齢者」とは、六十五歳以上の者をいう。
2 この法律において「養護者」とは、高齢者を現に養護する者であって養介護施設従事者等以外のものをいう。
3 この法律において「高齢者虐待」とは、養護者による高齢者虐待及び養介護施設従事者等による高齢者虐待をいう。
高齢者虐待防止法は,虐待した人を罰するための法律ではありません。
目的に書かれているように,擁護者に対する支援を行うことで,高齢者の権利擁護を図るものです。
法制度で理解しにくいことがあったら,まずは法に当たることです。
しかし,今はあまり時間をかけたくありません。
そこでおすすめするのは,国が作成した行政説明用の資料を見ることです。
理解しにくいものがすんなり分かったりします。
さて,今日の問題の答えは,選択肢です。
3 市町村は,虐待防止のために市町村が行う高齢者や養護者に対する相談,助言,指導について,当該市町村と連携協力する高齢者虐待対応協力者のうち適当と認められるものに委託することができる。
難しいですね。
しかし,ほかの選択肢を消去することで,正解できます。
この問題の読み方が,過去問を解く意味であると言えます。
1 この法律にいう「高齢者」とは,その年齢が65歳以上の者を指すとともに,65歳未満の者であって介護保険における要介護あるいは要支援の認定を受けた者をいう。
高齢者の権利擁護が目的ですから,余計なことをごちゃごちゃ並べる必要はありません。
高齢者の年齢だけを明記すればよいだけです。
2 市町村長は養護者による高齢者虐待により高齢者の生命又は身体に重大な危険が生じているおそれがあると認められるときは,裁判所の許可を得て,立入調査をさせることができる。
高齢者虐待防止法による立入調査は,捜査ではありません。
裁判所の許可を得るには時間がかかります。法の目的を考えるとあり得ないだろうという考える感性が必要です。
4 市町村長は,毎年度,養介護施設従事者等による高齢者虐待の状況や養介護施設従事者等による高齢者虐待があった場合に採った措置などについて公表しなければならない。
公表するのは都道府県知事です。
5 養護者による虐待を受けた高齢者について老人福祉法における措置が採られ,養介護施設へ入所させた場合,養護者から当該高齢者との面接の要求があったときには養介護施設の長はこれを拒むことはできない。
児童でも同じような問題がありますが,拒否できなければ,何のために分離したのかの意味をなさなくなってしまいます。
<今日の一言>
これから先は,絶対にマイナス言葉を口にしないようにしましょう。
マイナス言葉を口にするたびに,国家試験の点数が1点ずつダウンする,というくらいの危機感が必要です。
社会人は,学生と違って自分の周りに社会福祉士の国家試験を受験する仲間は身近にいないことが多いと思います。
仲間同士で支え合うことができにくい環境なので,学生以上に自律が求められます。
2019年11月19日火曜日
地域支援事業のまとめ
介護保険を終えるにあたって,地域支援事業をまとめてみたいと思います。
たくさんの事業があるので,覚えるのが大変だと思いますが,確実に押さえておきたいです。
介護予防・日常生活支援総合事業
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一般介護予防事業
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介護予防把握事業
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介護予防普及啓発事業
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地域介護予防活動支援事業
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地域リハビリ―ション活動支援事業
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介護予防・日常生活支援サービス事業
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訪問型サービス
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通所型サービス
|
||
介護予防ケアマネジメント
|
||
包括的支援事業
|
||
地域包括支援センター事業
|
介護予防ケアマネジメント業務
|
要支援者(予防給付を利用しない場合),基本チェックリスト該当者に対する訪問型サービス,通所型サービス,その他の生活支援サービス等の実施。
|
総合相談・支援業務
|
高齢者の相談受付・支援等。
|
|
権利擁護業務
|
高齢者の権利擁護の支援,虐待防止等。
|
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包括的・継続的ケアマネジメント支援業務
|
社会資源を活用したケアマネジメント体制の構築。
地域の介護支援専門員の資質向上のための後方支援。
|
|
在宅医療・介護連携推進事業
|
高齢者などが医療機関を退院する際における医療関係者と介護関係者の連携の調整や相互の紹介など。
|
|
生活支援体制整備事業
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生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)及び生活支援サービスの提供主体による情報共有・連携強化の場としての協議体の設置。
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認知症総合支援事業
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認知症初期集中支援チーム編成と認知症地域支援推進員の配置。
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地域ケア会議推進事業
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地域包括ケアシステム構築に向けた多職種で協働し地域課題を地域づくりや政策形成などを行う地域ケア会議を推進する事業。
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任意事業
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介護給付費等費用適正化事業
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介護給付費等の費用を適正化する事業
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家族介護支援事業
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介護方法の指導などの介護者に対する支援事業
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成年後見制度利用支援事業
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成年後見制度利用の費用を支給する事業
|
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その他の事業
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その他
|
たくさんの事業があるので,覚えるのが大変だと思いますが,確実に押さえておきたいです。
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