今回は,「刑事司法と福祉」を取り上げます。
この科目は,現在の「更生保護制度」の後継となるものです。
そして,現在は,社会福祉士の専門科目ですが,新しい試験では,共通科目になります。
刑事司法と福祉(30時間)
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ねらい(目標)
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①刑事司法の近年の動向と制度の仕組みを理解する。
②刑事司法における社会福祉士及び精神保健福祉士の役割について理解する。
③刑事司法の制度に関わる関係機関等の役割について理解する。
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教育に含むべき事項(内容)
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教育に含むべき事項
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想定される教育内容の例
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①刑事司法における近年の動向とこれを取り巻く社会環境
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1 刑事司法における近年の動向
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・犯罪の動向(認知件数と発生率、再犯率等)
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2 刑事司法を取り巻く社会環境
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・高齢者、障害者等の社会復帰支援
・再犯の防止等の推進に関する法律(再犯防止推進法)
・就労支援(刑務所出所者等総合的就労支援対策)
・薬物依存者の再犯防止、回復支援
・修復的司法
・農福連携
等
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3 社会福祉士及び精神保健福祉士の役割
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・検察庁や矯正施設、保護観察所、地域生活定着支援センター、精神保健福祉センター等における役割
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②刑事司法
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1 刑法
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・刑法の基本原理
・犯罪の成立要件と責任能力
・刑罰
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2 刑事事件の手続き、処遇
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・刑事手続
・刑事施設内での処遇
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③少年司法
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1 少年法
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・少年法の基本原理
・児童福祉法との関係
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2 少年事件の手続き、処遇
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・非行少年に対する手続
・少年鑑別所、少年院での処遇
・児童福祉法による措置
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④更生保護制度
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1 制度の概要
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・意義、歴史、更生保護法制
・更生保護施設
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2 生活環境の調整
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・目的、機能、手続、関係機関との連携
・特別調整
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3 仮釈放等
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・仮釈放と仮退院、意義、許可基準、手続き
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4 保護観察
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・目的、方法、対象、内容、運用状況
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5 更生緊急保護
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・目的、対象、期間、内容、手続き
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6 団体・専門職等の役割と連携
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・福祉事務所、児童相談所
・保護観察官
・保護司
・更生保護施設
・民間協力者(更生保護女性会、BBS 会、協力雇用主等)
・法テラス
・公共職業安定所
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⑤医療観察制度
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1 制度の概要
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・目的
・制度導入の背景
・対象者
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2 審判・処遇の流れと内容
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・審判の手続き
・処遇の流れ
・入院処遇の概要
・通院処遇の概要
・精神保健観察
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3 関係機関・専門職等の役割と連携
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・裁判所、裁判官
・精神保健審判員、精神保健参与員
・指定医療機関(指定入院医療機関、指定通院医療機関)
・社会復帰調整官
・保護観察所
・都道府県、市町村
・障害福祉サービス事業所
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⑥犯罪被害者支援
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1 犯罪被害者の法的地位
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・犯罪被害者の地位の変遷
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2 犯罪被害者支援に関する法
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・犯罪被害者等基本法
・配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律
・ストーカー行為等の規制等に関する法律
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3 犯罪被害者支援に関する制度
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・被害者等通知制度、意見等聴取制度、心情等伝達制度、相談・支援
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3 団体・専門職等の役割と連携
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・被害者支援員制度
・被害者ホットライン
・犯罪被害相談窓口
・被害者支援センター
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現在のカリキュラムは,更生保護制度と医療観察制度しかありません。
新しいカリキュラムでは,刑法及び少年法,そして犯罪被害者支援が加わっています。
犯罪被害者支援は,今までに一度だけ出題されたことがあります。
第24回・問題150 事例を読んで,被害者担当官の対応に関する次の記述のうち,最も適切なものを一つ選びなさい。
〔事 例〕
Nさん(40歳,男性)は,加害少年(15歳,男子)に自宅へ押し入られ,150万円相当の被害を受けた。加害者側からは,謝罪も被害弁償も受けていない。家庭裁判所から加害少年は保護観察処分となった旨の連絡を受けたが,加害少年とは直接連絡が取れない。そこで保護者の居場所を教えてほしいというのが,Nさんの要望である。
1 Nさんの事件後の苦労と心情を考えると,加害者側と連絡を取りたいというNさんの要望は当然なので,すぐに居場所を教えた。
2 Nさんが加害者側から謝罪も被害弁償も受けていないことを知り,保護観察所にNさんを呼んで保護者と面接する機会を設けた。
3 心情等伝達制度を利用して,その気持ちを加害少年に伝えたらどうかとNさんに助言した。
4 被害者担当官は保護観察を担当しないので,意見等聴取制度の申出をするようにNさんに助言した。
5 被害者が心情等を述べることができる期間に制限はないので,気持ちが落ち着いたときに申し出るようにNさんに助言した。
正解は,選択肢3です。
3 心情等伝達制度を利用して,その気持ちを加害少年に伝えたらどうかとNさんに助言した。
心情等伝達制度は,保護観察対象者に,犯罪被害者の心情を伝える制度です。
<今日の一言>
犯罪被害者支援には
・被害者等通知制度
・意見等聴取制度
・心情等伝達制度
・相談・支援
があります。
被害者等通知制度は,犯罪被害者等に犯罪を犯した人の処遇等を伝える制度です。
意見等聴取制度は,仮釈放や仮退院の際に,犯罪被害者が意見を述べることができる制度です。
4つめの相談・支援は,ソーシャルワークそのものですね。