現時点(2020/03/04)は,国家試験が終わって1か月が経ったところです。
かなり冷静に試験を振り返ることができてくる頃でしょう。
試験当日は,あれだけ難しいと思った問題なのに,今,改めて見てみると,「なんでこの問題を間違ったのか」と思うものもあるでしょう。
そういう思いをしたくないから,国家試験の後には,国家試験のことは考えない,という人もいます。
しかし,資格取得を採用条件として,内定をもらっている新卒学生にとっては,合格・不合格は死活問題です。
だからこそ,ボーダーラインが気になることでしょう。
この学習部屋に訪室いただいたすべての人が合格されることを心から願っております。
さて,「福祉行財政と福祉計画」は,多くの受験生が苦手とする科目です。
第32回・問題45 次の計画のうち,定めたとき,又は変更したときに内閣総理大臣に提出しなければならないものを1つ選びなさい。
1 都道府県介護保険事業支援計画
2 都道府県における子どもの貧困対策についての計画
3 都道府県障害福祉計画
4 都道府県老人福祉計画
5 都道府県子ども・子育て支援事業支援計画
社会福祉士の国家試験には,数多くの法制度が出題されます。
その多くは,厚生労働省が所掌しています。
主だったもので,内閣府が所掌するものには,障害者基本法と子ども・子育て支援法があります。
これらを内閣府が所掌する意味は,複数の省庁の協力があって,施策の推進が可能となるからです。
障害者基本法に関して言えば,一般企業の協力は欠かせません。
例えば,
就労では経済産業省
移動では国土交通省
といったところです。
子ども・子育て支援法も一般企業の理解と協力は必須でしょう。
ということで,問題45の答えは,5ということになります。
第32回国家試験では,福祉計画の策定について,以下のような出題があります。
問題22 4 都道府県は,都道府県地域福祉支援計画を策定しなければならない。
都道府県地域福祉支援計画の策定は努力義務です。
問題36 2 市町村は,市町村地域福祉計画を市町村社会福祉協議会が策定する地域福祉活動計画と一体的に策定しなければならない。
このような規定はありません。
問題46 次の各計画の策定を規定している法律に,計画の実績について評価を行うと明記されているものを1つ選びなさい。
1 市町村自殺対策計画
2 市町村介護保険事業計画
3 市町村障害者計画
4 市町村子ども・子育て支援事業計画
5 市町村老人福祉計画
正解は,2です。これは正解できなくてもそれほど問題ではありません。
問題59 3 市町村障害福祉計画を策定するよう努めなければならない。
障害者福祉計画の策定は義務です。
ほかにも福祉計画の策定について出題されているものがありますが,主だったものは,この4問です。
<今日の一言>
福祉行財政と福祉計画で,福祉計画に関するものが正解できなくても,1点や2点です。
しかし,他科目でも出題されるので,きちっと覚えていなければ,こういった問題で,3・4点を失うことになります。
社会の動きにも気を向けなければならないのかもしれませんが,合格・不合格を分ける1・2点は,案外こういった極めてスタンダードな問題で得点できるか,できないかにかかっているように思います。
福祉計画は,ますます重要になってくるので,今後受験される方は,苦手意識は捨てて,確実に覚えることを強くおすすめします。
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