2020年3月30日月曜日

新カリキュラムの概要~⑯児童・家庭福祉

新しいカリキュラムによる国家試験は,第37回から実施されます。

今回は,「児童・家庭福祉」を取り上げます。


児童・家庭福祉30時間)
ねらい(目標)
①児童が権利の主体であることを踏まえ、児童・家庭及び妊産婦の生活とそれを取り巻く社会環境について理解する。
②児童福祉の歴史と児童観の変遷や制度の発展過程について理解する。
③児童や家庭福祉に係る法制度について理解する。
④児童や家庭福祉領域における支援の仕組みと方法、社会福祉士の役割について理解する。
⑤児童・家庭及び妊産婦の生活課題を踏まえて、適切な支援のあり方を理解する。
教育に含むべき事項(内容)
教育に含むべき事項
想定される教育内容の例
①児童・家庭の定義と権利
1 児童・家庭の定義
・児童の定義、家庭の定義
・児童と家庭の関係
2 児童の権利
・児童憲章
・児童権利宣言
・児童の権利に関する条約
②児童・家庭の生活実態とこれを取り巻く社会環境
1 児童・家庭の生活実態
・ライフサイクル、家族形態
・子育て(出産、育児、保育、家事)
・住居、就労、経済、教育
・課外活動、遊び
2 児童・家庭を取り巻く社会環境
・いじめ
・児童虐待
・ひとり親家庭
・家庭内DV
・社会的養護
③児童・家庭福祉の歴史
1 児童福祉の理念
・健全育成
・児童の権利
・最善の利益
2 児童観の変遷
・保護の対象としての児童
・権利の主体としての児童
3 児童・家庭福祉制度の発展過程
・児童福祉法制定
・措置と契約
・最善の利益
④児童・家庭に対する法制度
1 児童福祉法
・児童福祉法の概要
・児童相談所
・児童福祉施設の種類、里親制度、障害児支援、児童福祉制度に係る財源、児童福祉サービスの最近の動向
2 児童虐待の防止等に関する法律
・児童虐待の防止等に関する法律の概要
・児童虐待の定義、虐待予防の取組、虐待発見時の対応
3 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(DV防止法)
DV防止法の概要
DV 防止法の目的、DVの定義、家庭内暴力発見時の対応
4 母子及び父子並びに寡婦福祉法
・母子及び父子並びに寡婦福祉法の概要
・母子及び寡婦福祉法の目的、母子寡婦福祉資金、母子福祉施設、母子寡婦福祉制度に係る財源、母子寡婦福祉サービスの最近の動向
5 母子保健法
・母子保健法の概要
・母子保健法の目的、母子健康手帳、養育医療の種類、母子保健制度に係る財源、母子保健サービスの最近の動向
6 児童手当法
・児童手当法の概要
・児童手当の種類、児童手当に係る財源、児童手当制度の最近の動向
7 児童扶養手当法
・児童扶養手当法の概要
・児童扶養手当の種類、児童扶養手当に係る財源、児童扶養手当制度の最近の動向
8 特別児童扶養手当等の支給に関する法律(特別児童扶養手当法)
・特別児童扶養手当法の概要
・特別児童扶養手当の種類、特別児童扶養手当に係る財源、特別児童扶養手当制度の最近の動向
9 次世代育成支援対策推進法
・次世代育成支援対策推進基本法の概要
10 少子化社会対策基本法
・少子化対策基本法の概要
11 売春防止法
・売春防止法の概要
・婦人相談所、婦人保護施設、婦人相談員
12 子ども・子育て支援法
・子ども・子育て支援法の概要
13 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律
・就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の概要
14 子どもの貧困対策の推進に関する法律
・子どもの貧困対策の推進に関する法律の概要
15 子ども・若者育成支援推進法
・子ども・若者育成支援推進法の概要
16 いじめ防止対策推進法
・いじめ防止対策推進法の概要
⑤児童・家庭に対する支援における関係機関と専門職の役割
1 児童や家庭に対する支援における公私の役割関係
・行政の責務
・公私の役割関係
2 国、都道府県、市町村の役割
・国の役割
・都道府県の役割
・市町村の役割
3 児童相談所の役割
・児童相談所の組織
・児童相談所の業務
・市町村及び他の機関との連携
4 その他の児童や家庭(女性、若者を含む)に対する支援における組織・団体の役割
・児童福祉施設
・家庭裁判所
・警察
・婦人相談所、配偶者暴力相談支援センター、婦人保護施設
・子ども家庭総合支援拠点
・子ども・若者総合相談センター
・子育て世代包括支援センター
・地域若者サポートステーション
5 関連する専門職等の役割
・保育士、医師、歯科医師、保健師、看護師、助産師、理学療法士、作業療法士、栄養士、弁護士 等
・児童福祉司、児童心理司、家庭児童福祉主事、児童指導員、母子支援員 等
・スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラー 等
・民生委員、児童委員、主任児童委員
・家族、住民、ボランティア 等
⑥児童・家庭に対する支援の実際
1 社会福祉士の役割

2 支援の実際(多職種連携を含む)
・児童相談所における支援
・要保護児童対策地域協議会における支
・児童虐待防止にむけた支援
・社会的養護を必要とする児童に対する支援
・障害児に対する支援
・ひとり親家庭に対する支援
・児童と家庭に対する就労支援
・子どもの貧困に対する支援
・女性、若者への支援
・子ども・子育て妊産婦への支援


覚えるべき法制度は,以下のとおりです。

1 児童福祉法
2 児童虐待の防止等に関する法律
3 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(DV防止法)
4 母子及び父子並びに寡婦福祉法
5 母子保健法
6 児童手当法
7 児童扶養手当法
8 特別児童扶養手当等の支給に関する法律(特別児童扶養手当法)
9 次世代育成支援対策推進法
10 少子化社会対策基本法
11 売春防止法
12 子ども・子育て支援法
13 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律
14 子どもの貧困対策の推進に関する法律
15 子ども・若者育成支援推進法
16 いじめ防止対策推進法


このうちの「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律」は,「認定こども園法」のことです。


子どもの定義

法律名
定義
認定子ども園法
小学校就学の始期に達するまでの者
子ども・子育て支援法
十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にある者


またまた覚えるのが面倒なものが加わります。

頑張って覚えましょう。 

最新の記事

子ども・子育て支援法

  子ども・子育て支援法は,これまでにも出題されてきましたが,正式に出題基準に含まれたのは,第37回国家試験です。 子ども・子育て支援制度は,市町村が実施主体になっています。 支給申請は,市町村に対して行います。 児童福祉法には,入所系があるので都道府県の役割がありますが,子ども...

過去一週間でよく読まれている記事