令和3年から新しいカリキュラムが順次導入されていきます。
教育課程
年度
|
大学等
|
短大等
|
一般養成施設等
|
短期養成施設等
|
2020年度
(令和2)
|
現行
|
現行
|
現行
|
現行
|
2021年度
(令和3)
|
新カリ
|
↓
|
↓
|
↓
|
2022年度
(令和4)
|
↓
|
新カリ
|
↓
|
↓
|
2023年度
(令和5)
|
↓
|
↓
|
新カリ
|
↓
|
2024年度
(令和6)
|
↓
|
↓
|
↓
|
新カリ
|
国家試験
年度
|
回
|
カリキュラム
|
2020年度
(2021年2月実施)
|
第33回
|
現行カリキュラム
|
2021年度
(2022年2月実施)
|
第34回
|
↓
|
2022年度
(2023年2月実施)
|
第35回
|
↓
|
2023年度
(2024年2月実施)
|
第36回
|
↓
|
2024年度以降
(2025年2月実施)
|
第37回以降
|
新カリキュラム
|
科目
共通科目
|
医学概論
|
心理学と心理的支援
|
|
社会学と社会システム
|
|
社会福祉の原理と政策
|
|
地域福祉と包括的支援体制
|
|
社会保障
|
|
障害者福祉
|
|
権利擁護を支える法制度
|
|
刑事司法と福祉
|
|
社会福祉調査の基礎
|
|
ソーシャルワークの基盤と専門職
|
|
ソーシャルワークの理論と方法
|
|
専門科目
(社会福祉士)
|
高齢者福祉
|
児童・家庭福祉
|
|
貧困に対する支援
|
|
保健医療と福祉
|
|
福祉サービスの組織と経営
|
|
ソーシャルワークの基盤と専門職(専門)
|
|
ソーシャルワークの理論と方法(専門)
|
今回は,「ソーシャルワークの理論と方法(専門)」を紹介します。
ソーシャルワークの理論と方法(専門)(60時間)
|
||
ねらい(目標)
|
||
①社会福祉士として多様化・複雑化する課題に対応するため、より実践的かつ効果的なソーシャルワークの様々な理論と方法を理解する。
②支援を必要とする人との援助関係の形成やニーズの掘り起こしを行うための、知識と技術について理解する。
③社会資源の活用の意義を踏まえ、地域における社会資源の開発やソーシャルアクションについて理解する。
④個別の事例の具体的な解決策及び事例の共通性や一般性を見出すための、事例分析の意義や方法を理解する。
|
||
教育に含むべき事項(内容)
|
||
教育に含むべき事項
|
想定される教育内容の例
|
|
①ソーシャルワークにおける援助関係の形成
|
1 援助関係の意義と概念
|
・ソーシャルワーカーとクライエントシステムの関係
|
2 援助関係の形成方法
|
・自己覚知と他者理解
・コミュニケーションとラポール
|
|
3 面接技術
|
・面接の意義、目的、方法、留意点
・面接の場面と構造
・面接の技法
|
|
4 アウトリーチ
|
・アウトリーチの意義、目的、方法、留意点
・アウトリーチを必要とする対象
・ニーズの掘り起こし
|
|
②ソーシャルワークにおける社会資源の活用・調整・開発
|
1 社会資源の活用・調整・開発
|
・社会資源の活用・調整・開発の意義、目的、方法、留意点
・ニーズの集約、提言、計画策定、実施、評価
|
2 ソーシャルアクション
|
・ソーシャルアクションの意義、目的、方法、留意点
|
|
③ネットワークの形成
|
1 ネットワーキング
|
・ネットワーキングの意義、目的、方法、留意点
・セーフティネットの構築とネットワーキング
・家族や住民、サービス提供者間のネットワーキング
・重層的な範囲(ミクロ・メゾ・マクロ)におけるネットワーキング
・多様な分野の支援機関とのネットワーキング
|
2 コーディネーション
|
・コーディネーションの意義、目的、方法、留意点
|
|
1 ネゴシエーション
|
・ネゴシエーションの意義、目的、方法、留意点
|
|
2 ファシリテーション
|
・ファシリテーションの意義、目的、方法、留意点
|
|
3 プレゼンテーション
|
・プレゼンテーションの意義、目的、方法、留意点
|
|
⑤カンファレンス
|
1 カンファレンス
|
・カンファレンスの意義、目的、留意点
・カンファレンスの運営と展開
|
⑥事例分析
|
1 事例分析
|
・事例分析の意義、目的
|
2 事例検討、事例研究
|
・事例検討、事例研究の意義、目的、方法、留意点
|
|
⑦ソーシャルワークにおける総合的かつ包括的な支援の実際
|
1 総合的かつ包括的な支援の考え方
|
・多様化、複雑化した生活課題への対応
・今日的な地域福祉課題への対応
・分野、領域を横断する支援
|
2 家族支援の実際
|
・家族が抱える複合的な生活課題
・家族支援の目的、方法、留意点
|
|
3 地域支援の実際
|
・地域が抱える課題
・多機関協働
・地域住民との協働
・地域アセスメント
|
|
4 非常時や災害時支援の実際
|
・非常時や災害時の生活課題
・非常時や災害時における支援の目的、方法、留意点
|
随所に新しい部分が加わっていますが,特に着目したいのは,以下の部分です。
④ソーシャルワークに関連する方法
|
1 ネゴシエーション
|
・ネゴシエーションの意義、目的、方法、留意点
|
2 ファシリテーション
|
・ファシリテーションの意義、目的、方法、留意点
|
|
3 プレゼンテーション
|
・プレゼンテーションの意義、目的、方法、留意点
|
|
⑤カンファレンス
|
1 カンファレンス
|
・カンファレンスの意義、目的、留意点
・カンファレンスの運営と展開
|
⑦ソーシャルワークにおける総合的かつ包括的な支援の実際
|
2 家族支援の実際
|
・家族が抱える複合的な生活課題
・家族支援の目的、方法、留意点
|
3 地域支援の実際
|
・地域が抱える課題
・多機関協働
・地域住民との協働
・地域アセスメント
|
|
4 非常時や災害時支援の実際
|
・非常時や災害時の生活課題
・非常時や災害時における支援の目的、方法、留意点
|
ソーシャルワークは,外国生まれなので,もともとカタカナ用語が多いですが,またカタカナ用語が加わります。
外国人の名前やカタカナ用語は,覚えにくいものですが,そんなことは言ってられません。
ソーシャルワークの対象として,明確化されたのが「災害支援」です。
第32回・問題112 S市社会福祉協議会は,S市から避難行動要支援者への支援の役割調整等のコーディネートを委託されている。
次の記述のうち,コーディネーターであるS市社会福祉協議会のF社会福祉士が平常時から行う行動として,適切なものを2つ選びなさい。
1 避難行動要支援者を個別に訪問し,避難支援を行うに当たっての留意点を聞き取る。
2 内閣府が策定する,避難支援のための個別計画を地域の支援者と共有する。
3 地域住民に声を掛け,避難訓練を避難行動要支援者と一緒に行う。
4 災害発生に備えて,避難行動要支援者名簿を地域の全戸に配布する。
5 避難行動要支援者に対して,住民の中から住民基本台帳によって支援者の役割を割り当てる。
正解は,1と3です。
災害支援は,これまでも「地域福祉の理論と方法」で出題されてきましたが,新しいカリキュラムでは,
社会学と社会システム
ソーシャルワークの理論と方法(専門)
地域福祉と包括的支援体制
保健医療と福祉
の4科目に盛り込まれています。
<今日の一言>
新しいカリキュラムに関して,第32回では,以下の問題も出題されています。
第32回・問題113 事例を読んで,地域包括支援センターのG社会福祉士が,現段階で行う関係者の連携による会議として,最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
近隣住民から,Hさん(82歳,女性)宅から異臭がするとの相談を受けたJ民生委員が,その地域を担当する地域包括支援センターのG社会福祉士に,訪問への同行を依頼した。Hさん宅を訪問し話を聞く中で,ゴミ収集の曜日や分別の方法の理解が難しくなっている状況が分かってきた。他にも同様のケースの存在を意識したG社会福祉士は,Hさん個人への支援と,地域でHさんと同じような困難を持つ高齢者を支えるために会議を開催することにした。
1 住宅確保が難しい人の,民間賃貸住宅への入居を進める住宅確保要配慮者居住支援協議会
2 高齢者虐待対応のための個別ケース会議
3 高齢者のニーズ調査を企画する,介護保険法に基づくサービス担当者会議
4 地域包括支援センターと関係者で協議する地域ケア会議
5 介護支援専門員の資質向上を目指す地域包括支援センターの事例検討会
正解は,選択肢4です。
地域ケア会議は,「高齢者に対する支援と介護保険制度」で学ぶ内容です。
こういったものをきっちり覚えておくことで,確実に正解できます。
現行カリキュラムの「相談援助の理論と方法」は,本来,得点を稼ぐ科目でなければなりませんが,実は,そんなに簡単ではありません。
この科目も,勉強不足の人が簡単に得点できるものではないのです。