2020年3月14日土曜日

国家試験の年代別合格率(推測)

第32回社会福祉士国家試験について,発表されているのは,以下の情報です

受験者数
39,629
合格者数
11,612
合格率
29.3


このほかに,発表されているデータは

合格者の内訳

・性別
・受験資格別
・年齢別
・都道府県別

です。

今回,着目したいのは,そのうちの年齢別です。

受験者の年齢別合格者
年齢区分
人数
割合
30
5,597
48.2
3140
2,076
17.9
4150
2,369
20.4
5160
1,256
10.8
61
314
2.7
合計
11,612
100.0


このデータは,合格者の内訳を表わしたものであり,受験者の割合のデータがありません。

それにもかかわらず,よく知らない人は,割合を合格率だと思っている人が存在します。

割合であって,合格率ではない!!

年代別の合格率は発表されていない!!

仮に合格率だとして,受験者数を試算すると以下のようになってしまいます。

年齢区分
合格率
受験者数
30
48.2
11,612
3140
17.9
11,598
4150
20.4
11,613
5160
10.8
11,630
61
2.7
11,630
合計
100.0
58,082

実際の受験者数は,39,629人なので,かなりかけ離れたものとなります。

そこで,受験者の年代別構成割合を推測してみます。

そこから,年代別受験者数を推測すると,合格率は,以下のようになります。

年代別受験者数及び合格率(推測)
年齢区分
割合
(推測)
受験者数
(推測)
合格率
(推測)
30
55.0%
21,796
25.7%
3140
15.0%
5,944
34.9%
4150
20.0%
7,926
29.9%
5160
8.0%
3,170
39.6%
61
2.0%
793
39.6%
合計
100.0%
39,629
 


30歳以下の55.0%は,合格者の内訳の「福祉系大学等卒業者」の56.7%から推測しました。

ほかの年代は,おおよそです。

推測なので,「31~40歳」と「41~50歳」の割合は,ずれている可能性があります。



<今日の一言>

合格発表のデータの中には,年代別の合格者数と割合は発表されていますが,年代別の受験者数は発表されていません。

そのために,おかしな話が一人歩きしています。

先述の年代別の合格率はあくまで推測なので,正確性はありませんが,それほど大外れはしていないと思います。

ここで改めて言いたいのは,

若い年代の合格率は,決して高くない


年齢の高い人の合格率は,決して低くない


61歳以上の割合が,2.0%よりも少ない場合は,61歳以上の合格率は,さらに上がる可能性があります。

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