社会福祉士の国家試験は,一定程度,勉強したことがない問題が出題されます。
全体の分量のうち,それほど多くはないので,正解できなくても焦ることはありません。
ほかの受験者も同じ条件だからです。
今回は,そういった問題への対処法を紹介します。
ただし,今日の問題のような問題で正解できなくても,ほかの問題で十分ボーダーラインを超えることができます。
なぜなら,全体の4割程度は間違うことができるからです。
それでは今日の問題です。
第28回・問題38 地域福祉活動における情報の取扱いに関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 社会福祉法では,社会福祉事業者による個人情報の取扱いに関して規定している。
2 地域ケア会議では,保護のため,個人情報を含んだ個別ケースは検討できない。
3 災害対策基本法では,避難行動要支援者名簿は,市町村の条例に特別の定めがあれば,本人の同意がなくても,平常時から民生委員や消防機関等に提供できる。
4 個人情報の保護に関する法律では,生命,身体又は財産の保護のための個人データの第三者への提供に当たっては,本人の同意が必須とされている。
5 「子ども虐待対応の手引き」(厚生労働省)では,児童虐待が疑われる情報があっても,実態が確認できるまでは通告や相談は避けた方が良いとされている。
選択肢1,選択肢2,選択肢5は消去できそうです。
残るのは,
3 災害対策基本法では,避難行動要支援者名簿は,市町村の条例に特別の定めがあれば,本人の同意がなくても,平常時から民生委員や消防機関等に提供できる。
4 個人情報の保護に関する法律では,生命,身体又は財産の保護のための個人データの第三者への提供に当たっては,本人の同意が必須とされている。
どちらも「本人の同意」がキーワードになっている選択肢です。
逆になっているところがチェックポイントです。
どちらかが正解になりそうです。
一般的に,個人情報の提供は,本人の同意が必要ですが,いずれも一般事例ではないものです。
そうなると,「本人の同意がなくても」が正解っぽいのではないかと考えることができそうです。
正解は,選択肢3です。
3 災害対策基本法では,避難行動要支援者名簿は,市町村の条例に特別の定めがあれば,本人の同意がなくても,平常時から民生委員や消防機関等に提供できる。
これが単独で出題されれば,正解だと考えることは難しいですが,反対の内容である選択肢4とセットで出題されているので,正解できる可能性が高まっています。
<今日の一言>
人によっては,一問一答の参考書を使って仕上げましょう,とアドバイスする人もいます。
一問一答もそれなりの意味はありますが,国家試験は,一問一答式で出題されるわけではありません。
最後の仕上げは,国試のスタイルで実力アップするのが適切です。参考書や一問一答式の参考書では身につけられない力をつけることができるでしょう。