国家試験では,毎年一定程度,目新しいものが出題されます。
そのときに,冷静に問題に向かうことができるか,イメージしたことはありますか?
それらができなくても,そのほかの問題で十二分に合格基準点は超えることができます。
しかし,余裕をもって,合格発表の日を迎えるために,正解できそうな問題は確実に得点したいとものです。
あと1点,2点で合格基準点に届かない人は,たくさんいます。
問題を前にして,右往左往している姿が思い浮かびます。
実力を発揮できずに,国試を終えることになると,悲しいです。
過去問を解く時,どのように問題が作られているのか,意識してみると,正解できる可能性がかなり高くなります。ミスを減らすことができます。
今日の問題で,確認してみましょう。
第28回・問題36 厚生労働省による「市民後見推進事業」に関する次の記述のうち正しいものを1つ選びなさい。
1 市町村は,市民後見人を選任する。
2 市民後見人は,一定額以上の所得税を納めた市民に限られる。
3 今後増加する認知症の人の福祉を増進する観点から,市町村に対して市民後見人の育成及び活用を求めている。
4 市民後見人は,弁護士,社会福祉士などの専門職による指示に基づいて業務を行う。
5 市民後見人による後見開始に当たり,被後見人は市民後見人と契約を締結しなければならない。
正解は,選択肢3です。
3 今後増加する認知症の人の福祉を増進する観点から,市町村に対して市民後見人の育成及び活用を求めている。
この選択肢は,実はちょっと迷うものです。
専門職の育成は都道府県の役割だからです。
市民後見人は,専門職かもしれませんが,市民なので,市町村の役割となります。
この選択肢が
市町村に対して市民後見人の育成
だったら,選べないかもしれません。
市町村に対して市民後見人の育成及び活用
活用が加わることで,この選択肢を選びやすくなっています。
活用は,都道府県では市民と距離が遠すぎるからです。そこから市町村だと推測できます。
この問題の場合は,市民後見人であっても,後見人であると考えられれば,そのほかの選択肢は消去できます。