社会保障給付費に関する出題は,ほぼ100%です。
覚える数字が多いためか,毎年出題される割には苦手に人が多いようです。
「社会保障」の科目で0点とならないために,必ず制覇したい問題となります。
それでは,今日の問題です。
第28回・問題51 「平成24年度社会保障費用統計」(国立社会保障・人口問題研究所)の内容に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 社会保障給付費が国内総生産に占める割合は,40%を超えている。
2 部門別(「医療」,「年金」,「福祉その他」)の社会保障給付費の構成比では,「医療」が約50%を占めている。
3 機能別(「高齢」,「保健医療」,「家族」,「失業」など)の社会保障給付費の構成比では,「失業」が20%を超えている。
4 年金給付費の中では,国民年金の給付の方が厚生年金保険の給付を上回っている。
5 社会保障財源の構成としては,社会保険料が最も多い。
こんな古いデータを引っ張り出して,覚えても意味がないだろう,と思う方は,ちょっと待ってください。
社会保障にかかる費用は莫大なので,年度によってほとんど変化しません。
それにもかかわらず,新しい統計調査が発表されると,「どれを覚えていいの?」と不安になる人がいます。
国試の出題を知っていれば,そんなことに不安になる必要は一切ありません。
この問題では,40%,50%,20%という数字が出題されていますが,こういったものは,大きくずらして出題されます。
小さな差を問われることはありません。
そのために,覚えるのは,だいたいの数字でよいです。
たとえば,社会保障給付費の構成割合は
年金 5
医療 3
福祉その他 2
といった具合です。
それでは,解説です。
1 社会保障給付費が国内総生産に占める割合は,40%を超えている。
社会保障給付費に関して,出題されるのは,「対国内総生産比」と「対国民所得比」です。
対国内総生産比は,約20%です。
対国民所得比は,約30%です。
いずれも40%は超えません。
国内総生産は,約550兆円です。
国民所得は,約400兆円です。
社会保障給付費は,約100兆円です。
だいたいの数字でOKです。
これを覚えておくと,あいまいになりそうなときに役立つことでしょう。
2 部門別(「医療」,「年金」,「福祉その他」)の社会保障給付費の構成比では,「医療」が約50%を占めている。
50%を占めるのは,年金です。
3 機能別(「高齢」,「保健医療」,「家族」,「失業」など)の社会保障給付費の構成比では,「失業」が20%を超えている。
最も多い高齢と次に多い保健医療を足すと全体の80%を占めます。
その次の家族でさえ,10%もありません。
これだけ覚えておけば,ほかに何が出題されたとしても,10%を超えることはないだろうと推測することができます。
すべての項目を覚えなくても国試では対応できます。
4 年金給付費の中では,国民年金の給付の方が厚生年金保険の給付を上回っている。
厚生年金保険の給付が多くなっています。
5 社会保障財源の構成としては,社会保険料が最も多い。
これが正解です。
財源は,社会保険料,公費,その他で構成されます。
そのうち,最も多いのは,社会保険料です。
何度も何度も出題されています。
必ず覚えておきたいです。