今回は,社会保険の保険者を学んでいきたいと思います。
国試に合格する勉強方法~社会保険の整理法 (まずはここを見て!)
https://fukufuku21.blogspot.com/2017/12/blog-post_1.html
保険者(誰が取り扱うの?)は,社会保険を押さえる基本です。
誰が取り扱うの?(保険者)
年金保険
政府
医療保険
健康保険 ➡ 各保険者(全国健康保険協会&健康保険組合)
国民健康保険 ➡ 市町村&都道府県(都道府県は平成30年4月~)
国民健康保険組合
後期高齢者医療制度 ➡ 都道府県区域の全市町村が加入する広域連合
介護保険
市町村(広域連合)
労災保険
政府
雇用保険
政府
※都道府県が保険者なのは,市町村国保のみ!!
注意したいのは,市町村国保です。
平成30年から,保険者が市町村とともに都道府県が加わり,都道府県が責任主体となりました。
保険者が変更になるというのは,社会保険制度の基本が変わる極めて大きな制度改正です。
それでは,今日の問題です。
第30回・問題51 社会保険の保険者に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 国民年金の保険者は,日本年金機構である。
2 介護保険の保険者は,国である。
3 国民健康保険組合の保険者は,市町村である。
4 健康保険の保険者は,全国健康保険協会及び健康保険組合である。
5 労働者災害補償保険の保険者は,都道府県である。
わが国の社会保険制度は5つありますが,そのうち,医療保険と年金保険は戦前からある制度を利用して国民皆保険・皆年金に作り替えたので,保険者が複数にわたります。
そこがちょっと面倒なところかもしれません。
それでは,解説です。
1 国民年金の保険者は,日本年金機構である。
国民年金及び厚生年金の保険者は,政府です。
2 介護保険の保険者は,国である。
介護保険の保険者は,市町村です。
3 国民健康保険組合の保険者は,市町村である。
国民健康保険組合(国保組合)の保険者は,各国民健康保険組合です。
国保組合は,主に同業者が組合を組織して運営しています。
国民健康保険(国保)は,市町村国保とともに国保組合があることを覚えておきたいです。
国保組合の歴史は古く,1938(昭和13)年の国民健康保険法の成立当時から国保組合が認められていました。
4 健康保険の保険者は,全国健康保険協会及び健康保険組合である。
これが正解です。
全国健康保険協会(協会けんぽ)の加入者は,主に中小企業の従業員です。
健康保険組合の加入者は,主に大企業の従業員です。
5 労働者災害補償保険の保険者は,都道府県である。
労働保険と呼ばれる雇用保険と労働者災害補償保険の保険者は,政府です。