2021年5月31日月曜日

意思決定支援ガイドライン

厚生労働省では,障害者等の意思決定支援の基本を示したガイドラインを作成しています。

 

障害福祉サービスの利用等にあたっての意思決定支援ガイドライン

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/0000159854.pdf

 

認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000212396.pdf

 

現場では,すでに活用している事業所もあるのではないでしょうか。

 

この2つのガイドラインに共通するものは,「意思決定支援会議」の開催です。

 

それでは,今日の問題です。

 

30回・問題61 事例を読んで,Fサービス管理責任者(社会福祉士)の対応に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事 例〕

 Gさん(40歳,男性)は,重度の知的障害があり,20年間W施設に入所している。Gさんは,自分だけでは意思決定することが困難な状態であるため,成年後見人が選任されている。W施設のFサービス管理責任者は,入所を継続したいか地域移行したいかのGさんの意向が分からない状態であったが,個別支援計画の見直しを行う時期となっている。

1 入所継続を前提に,日中活動の充実を図る。

2 家族の意向に沿って方針を立てる。

3 成年後見人の意向に沿って方針を立てる。

4 グループホームへの入居を調整する。

5 本人,関係者の参加による意思決定支援会議を開催する。

 

「障害福祉サービスの利用等にあたっての意思決定支援ガイドライン」を知らなくても,おそらく正解できるのではないかと思います。

 

正解は,選択肢5です。

 

5 本人,関係者の参加による意思決定支援会議を開催する。

 

「障害福祉サービスの利用等にあたっての意思決定支援ガイドライン」では,意思決定支援会議ついて,以下のように記述しています。

 

意思決定支援会議の開催

意思決定支援会議は、本人参加の下で、アセスメントで得られた意思決定が必要な事項に関する情報や意思決定支援会議の参加者が得ている情報を持ち寄り、本人の意思を確認したり、意思及び選好を推定したり、最善の利益を検討する仕組みである。

意思決定支援会議は、本人の意思を事業者だけで検討するのではなく、家族や、成年後見人等の他、必要に応じて関係者等の参加を得ることが望ましい。


この選択肢以外

1 入所継続を前提に,日中活動の充実を図る。

2 家族の意向に沿って方針を立てる。

3 成年後見人の意向に沿って方針を立てる。

4 グループホームへの入居を調整する。

 

これらは,内容は違えど,Gさん意向は分からない状態であるにもかかわらず,すべて結論が出ている内容です。

 

あり得ません。

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