社会福祉士の国家試験に合格することは簡単なことではありません。
合格率30%という事実を正しく認識する必要があります。
受験者の70%が不合格になる試験です。
受験資格を考えた時,誰もが受験できるわけではなく,かなりハードルが高い資格です。
合格率を下げているのは,一般養成施設だと思っている人も多いようですが,それは間違いです。
第29~33回国試の合格率の比較
回 |
福祉系大学 |
一般養成施設 |
33 |
28.7% |
33.6% |
32 |
29.1% |
33.0% |
31 |
29.4% |
34.0% |
30 |
29.2% |
35.0% |
29 |
23.9% |
32.3% |
平均 |
28.1% |
33.6% |
合格率を下げているのは福祉系大学であることは明らかです。
この事実を知らない人が多いようですが,データがすべてを語ります。
福祉系大学と一般養成施設の合格率
https://fukufuku21.blogspot.com/2021/03/blog-post_25.html
社会福祉士の国家試験は,マーク式です。
答えは,必ず問題の中にあります。
知恵を働かせれば,正解できる問題もあります。
一般養成施設のうち,多くを占める通信課程で学ぶ人は社会人でしょう。
社会人には社会人の強みがあります。
最も大きな強みは,人生の中で培われた「知恵」があることでしょう。
年齢とともに高まることが知られている結晶性知能がそのことを物語ります。
さて,今日のテーマは「出題意図を考えること」です。
これができるようになれば,確実に得点力が上がります。
それでは,今日の問題です。
第30回・問題56 障害者スポーツに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 スペシャルオリンピックスは,オリンピックの直後に当該開催地で行われる。
2 パラリンピックは,イギリスの病院での脊髄損傷者が参加する競技会の開催がきっかけとなった。
3 デフリンピックは,知的障害者による国際スポーツ大会として誕生した。
4 ゆうあいピックは,全国障害者スポーツ大会から独立して誕生した。
5 フェスピック競技大会は,発達障害者を対象に展開された。
第30回国試は,2018年に実施されたものです。
次のオリンピック・パラリンピックは,2020東京大会です。
わずか2年後に起きることを予測できた人は果たしてどのくらいいたことでしょうか。
正解は,試験委員にとって,極めて重要な意味を持ちます。
きっちりと設計される問題は,正解を先に作ってからそれ以外の選択肢をつくります。
これを意識すると,正解できる確率が上がります。
ここまで言えば,正解は想像できることでしょう。
2 パラリンピックは,イギリスの病院での脊髄損傷者が参加する競技会の開催がきっかけとなった。
これが正解です。
このほかの選択肢がもし今後出題されることがあったとしても,正解にはなりにくいものだと言えます。
本当に伝えたいものではなかったからです。