第35回国試に向けた出題基準が「社会福祉振興・試験センター」から発表されています。
出題基準
https://www.sssc.or.jp/shakai/kijun/pdf/pdf_kijun_s_no34.pdf
出題基準の内容よりもとても気になるのが,試験センターの次の記述です。
社会福祉振興・試験センターにおいては、令和4年度から厚生労働省の通知を踏まえ、基本的な知識を問う問題を増やす等の対応を行なってまいります。 |
文面通りに受け取れば,しっかり勉強した人にとって解きやすい問題が多くなることになります。
合格基準は,今までと同じく「問題の総得点の60%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数以上の得点の者」となっています。
また,合格率の基準のことは何も触れられていないので,今まではたまたま30%くらいのところに収まっていると考えてもよいと思います。
正解できる問題が多くなれば,これまでとは問題の難易度が変わります。
難易度によって補正する仕方が今までと同じなら,合格基準点はかなり高いところに設定されることになります。
「社会福祉士国家試験の在り方に関する検討会」の報告書では,社会福祉士の合格率が他の資格試験と比べると低すぎることを指摘しています。
試験センター記述の「基本的な知識を問う問題を増やす等」の「等」には何があるのか,誰も知る由もありません。
この「等」の中に,合格率の検討も含まれていると良いのですが,そうでなかったとしたら,合格基準点は下がることはなくなってしまいます。
ミスが多い者が不合格になるますます過酷な試験になることが予測されます。
今後の勉強について
細かい制度はほぼ出題されないと考えて良いと思います。
その根拠は,検討会報告書に「特定の実践分野に限り必要な詳細な知識については,出題するべきではない」と述べられているからです。
そうなると,以下のような問題も出題されにくくなります。
第27回・問題57 「障害者総合支援法」における障害福祉サービスに関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 視覚障害者に対する同行援護は,障害支援区分2以上の者が対象である。
2 50歳以上の者に対する生活介護は,障害支援区分2(障害者支援施設に入所する場合は区分3)以上の者が対象である。
3 居宅介護や重度訪問介護において,一定の研修を修了した介護職員が,医師の指示の下で喀痰吸引と摘便を実施できるようになった。
4 医療型短期入所は,医療機関及び医師の常勤配置のある障害者支援施設において実施できる。
5 重度の肢体不自由者のみが対象であった重度訪問介護は,行動障害を有する障害支援区分3以上の者も利用できるようになった。
この問題と同じようなものはその後出題されていないので,既に反省しているのかもしれません。
どのような問題を「基本的な知識を問う問題」と考えているのかは実際の国家試験を見てみないとわかりません。
しかし,確実に言えるのは,基礎的な知識を確実につけることがますます重要になることです。