介護保険は,介護保険の被保険者が,指定事業者が提供する介護サービスを利用した場合,介護保険の保険給付を受けられるものです。
本来は,保険者は被保険者に対して給付を行うのですが,それでは面倒なことが多いので,保険者にとっても被保険者にとっても利便性の高い制度を作り上げられています。
制度の根本を押さえておかないと思わぬところでのミスにつながるので注意が必要です。
それでは今日の問題です。
第31回・問題130 介護保険制度に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 被保険者は,都道府県に対して,当該被保険者に係る被保険者証の交付を求めることができる。
2 要介護認定は,その申請のあった日にさかのぼってその効力を生ずる。
3 介護給付を受けようとする被保険者は,要介護者に該当すること及びその該当する要介護状態区分について,主治の医師の認定を受けなければならない。
4 要介護認定は,要介護状態区分に応じて市町村の条例で定める期間内に限り,その効力を有する。
5 市町村は,政令で定めるところにより一般会計において,介護給付及び予防給付に要する費用の額の100分の25に相当する額を負担する。
注意したいことがあります。
選択肢5です。
公費負担の分は,一般会計から介護保険特別会計に繰り入れます。
公費負担分を含めた財布(特別会計)に入れたお金(財政)で介護保険は運営されます。
介護保険というと,特別会計だと単純に覚えていると間違えますので要注意です。
それでは,解説です。
1 被保険者は,都道府県に対して,当該被保険者に係る被保険者証の交付を求めることができる。
被保険者証を交付するのは,保険者である市町村です。
2 要介護認定は,その申請のあった日にさかのぼってその効力を生ずる。
これが正解です。
要介護認定には,時間がかかるので,申請日にさかのぼって適用する仕組みになっています。
3 介護給付を受けようとする被保険者は,要介護者に該当すること及びその該当する要介護状態区分について,主治の医師の認定を受けなければならない。
要介護状態区分の認定を行うのは市町村です。
4 要介護認定は,要介護状態区分に応じて市町村の条例で定める期間内に限り,その効力を有する。
要介護認定の有効期間は,国が定めた期間内で有効です。
5 市町村は,政令で定めるところにより一般会計において,介護給付及び予防給付に要する費用の額の100分の25に相当する額を負担する。
市町村の公費負担割合は,100分の12.5です。
先に述べたように,100分の12.5にあたる分を一般会計から特別会計に繰り入れて,運用します。