2022年7月14日木曜日

介護予防・日常生活支援総合事業

介護予防・日常生活支援総合事業は,平成23年の法改正で誕生し,平成26年に再編成されて現在に至ります。総合事業が実質的にスタートしたのは,平成29年です。


介護保険法の中では,地域支援事業が最も変化が大きいもので,改正されるたびに新たな事業が加わります。


覚えるのは面倒ですが,総合事業だけでも確実に押さえておきたいです。












 出典は,厚生労働省「総合事業ガイドライン(概要)」

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000088276.pdf


それでは今日の問題です。


第28回・問題130 2014年(平成26年)の介護保険法の改正で新たに導入された介護予防・日常生活支援総合事業に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 この事業は2015年(平成27年)4月1日からの実施が義務づけられている。

2 この事業の財源は,介護保険特別会計からではなく,市町村の一般財源が用いられる。

3 この事業における「介護予防・生活支援サービス事業」の対象者は,要支援者と基本チェックリスト該当者である。

4 この事業における「介護予防・生活支援サービス事業」には,従来の予防給付の介護予防訪問看護と介護予防通所リハビリテーションが移行される。

5 この事業における「一般介護予防事業」の対象者は,第一号被保険者と第二号被保険者及びその同居家族である。


今見てもなかなかの難問ぶりです。


正解は,選択肢3です。


3 この事業における「介護予防・生活支援サービス事業」の対象者は,要支援者と基本チェックリスト該当者である。


基本チェックリストとは,要介護認定を受けずとも窓口で簡便にチェックできるものです。


介護予防・生活支援サービス事業の対象者は,要支援者に加えて,基本チェックリスト該当者です。


介護予防・生活支援サービスは,

訪問型サービス

通所型サービス

その他の生活支援サービス


で構成されます。これらの内容は決まっているものではなく,市町村独自に決めることができます。


それでは,そのほかの選択肢も確認します。


1 この事業は2015年(平成27年)4月1日からの実施が義務づけられている。


平成26年に決まったものが平成27年に実施が義務づけられることはありません。

準備期間が必要です。


総合事業の実施が義務づけられたのは,平成29年度末まででした。


2 この事業の財源は,介護保険特別会計からではなく,市町村の一般財源が用いられる。


介護保険特別会計の財源が用いられます。


なぜなら,第一号被保険者と第二号被保険者の保険料が財源に用いられるからです。


4 この事業における「介護予防・生活支援サービス事業」には,従来の予防給付の介護予防訪問看護と介護予防通所リハビリテーションが移行される。


従来の介護予防から介護予防・生活支援サービスに移行とはたのは,介護予防訪問介護と介護予防通所介護です。


これらが,訪問型サービス及び通所型サービスとなっています。


介護保険が導入された時は,全国どこでも同じサービスが同じ料金で受けられるという触れ込みで始まりましたが,その方針は現代では大きく変わり,介護予防に関しては,一部を保険給付から切り離し,市町村独自の工夫で実施することが求められるようになりました。



5 この事業における「一般介護予防事業」の対象者は,第一号被保険者と第二号被保険者及びその同居家族である。


総合事業のもう一つの柱は,一般介護予防事業です。対象は,すべての第1号被保険者とその支援のための活動にかかわる者です。


一般介護予防事業は,

・介護予防把握事業

・介護予防普及啓発事業

・地域介護予防活動支援事業

・地域リハビリ―ション活動支援事業

で構成されます。

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