今回は肺を取り上げます。
肺は,右と左に1つずつあります。
右肺は3つに分かれ,左肺は2つに分かれます。
左肺の容量が小さいのは,心臓があるためです。
肺の拡張と収縮には横隔膜がかかわります。
横隔膜が下がると肺が拡張します。
横隔膜が上がると肺が収縮します。
それでは今日の問題です。
第30回・問題2 人体の各器官に関する次の記述のうち,解剖学的に正常なものを1つ選びなさい。
1 頸椎は12個の骨で構成される。
2 頸動脈は体表から触知できる。
3 大腸は空腸と回腸に分けられる。
4 右肺は2つの肺葉からなる。
5 胃は横隔膜の上にある。
びっくりするような問題です。
この科目はおそろしいほど難しい問題が出題されますが,その一方でこのような問題が出題されます。
正解は,選択肢2です。
2 頸動脈は体表から触知できる。
勉強せずとも多くの人は知っていることだと思います。
しかし,正解するのはそれほど簡単なものではありません。なぜならほかの選択肢によって正解をうまく隠しているからです。
それでは,正解を守っているつわものどもを解説します。
1 頸椎は12個の骨で構成される。
頸椎の骨は,7個で構成されています。
医学系の資格を持っている人なら知っているかもしれませんが,そうでない人にとってはかなり難しいものでしょう。
3 大腸は空腸と回腸に分けられる。
大腸は,盲腸と結腸に分けられます。
空腸と回腸に分けられるのは,小腸です。
4 右肺は2つの肺葉からなる。
右肺は,3つの肺葉に分けられます。
5 胃は横隔膜の上にある。
横隔膜は,胃の上にあります。胃が横隔膜の上にあったら,肺の動きにかかわることができなくなってしまいます。