2022年8月18日木曜日

褥瘡がよく起きる部位はどこ?

褥瘡は,擦れ,圧迫,栄養状態などによって発生します。

 

原因がよくわかっていなかった時には,褥瘡の防止に円座というものが使われていた時代があります。

 

円座とは,ドーナツ状のクッションで,褥瘡が出来ている部分を円座の真ん中にして,寝かせておきました。

 

それでは,血流が悪くなって,褥瘡は悪化する一方です。知らないというのは,とても怖いものです。

 

褥瘡の予防には,体位を変えます。それは圧迫によって血流が悪くなるのを防止するためです。

 

さて,今日のテーマは,褥瘡の好発部位です。

 

好発部位とは,よく起きる場所という意味で,体位によって変わります。

 

寝ている時の体位を大きく分けると,仰臥位(あおむけ),側臥位(横向け),伏臥位(うつぶせ)がありますが,伏臥位で寝ることはそれほど多くないと思います。

 

体位名

褥瘡の好発部位

仰臥位

後頭部,肩甲骨部,肘部,仙骨部,踵骨部(かかど),など

側臥位

肋骨部,大転子部(太ももの上),外果部(外側のくるぶし)など

伏臥位

耳介部(みみたぶ)など

座位

後頭部,肩甲骨部,仙骨部,座骨部など

 

それでは,今日の問題です。

 

28回・問題2 人体の部位と疾病,病態との関連性に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 吐血とは,気道から口腔を経て血液を排出することである。

2 上腕骨骨折は,寝たきりを引き起こしやすい。

3 対麻痺とは,左右どちらか半身に起こる麻痺である。

4 踵骨部の褥瘡は,仰臥位で起こる。

5 声帯の障害は,誤飲を引き起こす。

 

答えは,すぐわかりますね。選択肢4です。

 

4 踵骨部の褥瘡は,仰臥位で起こる。

 

体位の意味がわかっていれば,上記に書いた好発部位は細かく覚える必要はありません。

 

圧迫される場所を考えると良いからです。

 

それでは,そのほかの選択肢です。

 

1 吐血とは,気道から口腔を経て血液を排出することである。

 

止血は,食道部を経て血液を排出するものです。

 

吐血は,肺から出てくるものです。

 

歴史ドラマが好きな人は,結核で吐血するという場面をよく見るでしょう。

新選組メンバーでは,沖田総司がそうでした。

 

2 上腕骨骨折は,寝たきりを引き起こしやすい。

 

寝たきりを引き起こしやすいのは,腕の骨折ではなく,大腿骨頚部骨折です。

大腿骨頸部はとても細いので折れやすいのです。

 

3 対麻痺とは,左右どちらか半身に起こる麻痺である。

 

対麻痺は,両下肢の麻痺です。左右どちらか半身に起こる麻痺は,片麻痺です。

 

5 声帯の障害は,誤飲を引き起こす。

 

誤飲を引き起こすのは,のどの動き(嚥下機能)が低下するためです。

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