認知症という疾患そのものの研究が進むことによって,認知症の原因疾患別に語られるようになってきています。
さらに認知症研究・研修センターができた2000年代以降,認知症ケアは急速に発展してきました。
国家試験で出題される認知症は,
・アルツハイマー型認知症
・脳血管性認知症
・レビー小体型認知症
・ピック病(前頭側頭型認知症)
の4つに絞られます。
今日のテーマは,その中の「脳血管性認知症」です。
脳血管性認知症の症状の特徴は,
①クリアな時とそうではない時がある「まだら認知症」。
②喜怒哀楽の感情の表出が激しくなる「感情失禁」。
の2つです。
これを踏まえて,今日の問題です。
第32回・問題6 次のうち,脳血管性認知症の特徴的な症状として,適切なものを2つ選びなさい。
1 パーキンソン症状
2 まだら認知症
3 幻視
4 感情失禁
5 常同行動
この問題は,認知症に関するスタンダードに位置づけられると思います。
一般的に知られるアルツハイマー型認知症だけが抜けてだけです。
整理すると以下のようになります。
アルツハイマー型認知症 |
早期からの記憶障害 |
脳血管性認知症 |
まだら認知症 感情失禁 |
レビー小体型認知症 |
パーキンソン症状 はっきりとした幻視 |
ピック病 (前頭側頭型認知症) |
人格変化 常同行動 |
ということで,今日の問題の正解は選択肢2の「まだら認知症」と選択肢4の「感情失禁」です。