認知症の出題頻度は高いですが,基本事項さえ押さえておけば,それほど難しくはありません。
問われることが多いのは,認知症の種類別の症状の特徴です。
それでは今日の問題です。
第25回・問題5 認知症に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 アルツハイマー型認知症では,感情失禁が特徴的な症状である。
2 脳血管性認知症では,まだら認知症が特徴的な症状である。
3 レビー小体型認知症では,幻聴が特徴的な症状である。
4 ピック病では,人格変化は生じにくい。
5 クロイツフェルト・ヤコブ病では,梅毒病原体が原因となる。
今となっては,懐かしい「クロイツフェルト・ヤコブ病」が出題されています。
5 クロイツフェルト・ヤコブ病では,梅毒病原体が原因となる。
クロイツフェルト・ヤコブ病は,プリオン蛋白が原因となって発症するものです。
若い人は知らないかもしれませんが,一時期,大きな問題となり,牛肉の輸入を制限して,大手牛丼チェーン店では,牛丼の提供をやめたということがありました。
これで,ピンときた人もいると思いますが,クロイツフェルト・ヤコブ病は,狂牛病という名前で知られるものです。
ということでこの選択肢は正しくありません。
それでは,これ以外の選択肢を解説します。
1 アルツハイマー型認知症では,感情失禁が特徴的な症状である。
感情失禁が特徴的なのは,脳血管性認知症です。
2 脳血管性認知症では,まだら認知症が特徴的な症状である。
まだら認知症が特徴的な症状なのも脳血管性認知症です。
ということでこれが正解です。
3 レビー小体型認知症では,幻聴が特徴的な症状である。
レビー小体型認知症の特徴的な症状は,幻視とパーキンソン症状です。
4 ピック病では,人格変化は生じにくい。
ピック病の特徴は,人格変化を生じることです。
認知症の症状は,次回整理します。