2022年8月11日木曜日

高齢者の難聴の特徴

今回は,出題基準のうち,「1 人の成長・発達 3 老化」を取り上げます。


今の日本は,超高齢社会ということもあり,老化に関する出題は盛沢山です。


そのうち,高齢者の難聴の出題はかなり多いです。


多くの人は,経験的に高齢者の難聴では,高い音が聞こえにくくなることを知っているはずです。


余談ですが,CDの音は,20~20,000ヘルツの音域です。

これは,人の可聴域に合わせているものです。ハイレゾ音源は,可聴域よりも広い音が含まれ,聴こえない音は雰囲気として体で感じます。


高齢者でも高音域が聞こえないわけではありませんが,低音域にくらべると音を感じる力が低下します。


それでは今日の問題です。


第22回・問題2 高齢者や老化に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。

1 加齢に伴って生理低下機能が顕著となる器官は,心臓である。

2 高齢者の難聴は,高音領域から始まる。

3 高齢者の「寝たきり」の原因で最も多い疾患は,骨粗しょう症である。

4 高齢者の死因の第1位は,脳血管疾患である。

5 廃用症候群の一つに変形性関節症がある。


細かいことですが,この問題は今とちょっと違うことに気がつきますか。


この問題では「一つ選びなさい」となっていますが,今は「1つ選びなさい」です。


この違いは,第25回から出題されている「2つ選びなさい」によります。


2つ選ぶ問題は,2つ選ぶのを忘れがちです。十分すぎるくらいの対策が必要です。


それでは,解説です。


1 加齢に伴って生理低下機能が顕著となる器官は,心臓である。


心臓は加齢によって機能低下はあまりない臓器の代表です。


2 高齢者の難聴は,高音領域から始まる。


前説のように,これが正解です。


3 高齢者の「寝たきり」の原因で最も多い疾患は,骨粗しょう症である。


寝たきりの原因で最も多いのは,脳血管疾患です。


4 高齢者の死因の第1位は,脳血管疾患である。


高齢者の死因の第1位は,新生物(がん)です。

若者世代の死因の第1位は,自殺です。悲しくないですか。


5 廃用症候群の一つに変形性関節症がある。


廃用症候群は,生活不活発病とも呼ばれる体を動かさないことで生じるものです。


変形性関節症は,廃用症候群とは異なります。軟骨のすり減りなどによって生じます。

廃用症候群と異なり,逆に長年体を多く動かしたことも原因の一つとなります。


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