障害者総合支援法が規定する基幹相談支援センターは市町村が任意で設置し,地域の相談支援の中核を担います。
〈基幹相談支援センターの業務〉
・総合的・専門的な相談の実施 ・地域の相談支援体制強化の取組 ・地域の相談事業者への専門的な指導助言,人材育成 ・地域の相談機関との連携強化 ・地域移行・地域定着の促進の取組 ・権利擁護・虐待の防止 |
設置は,任意となっているため,令和3年4月時点での設置率は,約50%にとどまります。
このうち,直営が2割,委託が8割です。
それでは,今日の問題です。
第34回・問題57 「障害者総合支援法」における相談支援などに関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 サービス利用支援では,利用者の自宅を訪問し,身体介護や家事援助等の介助を行う。
2 地域相談支援では,地域生活から施設入所や精神科病院への入院に向けた移行支援を行う。
3 相談支援は,訓練等給付費の支給対象となる。
4 基幹相談支援センターは,地域における相談支援の中核的な役割を担う機関である。
5 指定障害福祉サービスの管理を行う者として相談支援専門員が規定されている。
この問題は,知識ゼロでも正解できてしまいそうです。日本語的に判断できる選択肢が存在しています。
こんなところに合格基準点が105点となった理由がありそうです。
それでは,解説です。
1 サービス利用支援では,利用者の自宅を訪問し,身体介護や家事援助等の介助を行う。
相談支援の問題なのに,介助を行うのはおかしいです。
利用者の自宅を訪問し,身体介護や家事援助等の介助を行うのは,居宅介護です。
サービス利用支援は,サービス等利用計画案を作成してケアマネジメントを行います。
2 地域相談支援では,地域生活から施設入所や精神科病院への入院に向けた移行支援を行う。
地域相談支援には,地域移行支援と地域定着支援があります。
地域移行支援は
病院・施設等 ➡ 地域生活
です。
3 相談支援は,訓練等給付費の支給対象となる。
訓練等給付費の支給対象となるのは,訓練等給付です。
相談支援では,地域相談支援には地域相談支援給付費,計画相談支援には計画相談支援給付費がそれぞれ給付されます。
4 基幹相談支援センターは,地域における相談支援の中核的な役割を担う機関である。
これが正解です。
基幹相談支援センターがよくわからなくても「基幹」という名称から正解できてしまいます。
5 指定障害福祉サービスの管理を行う者として相談支援専門員が規定されている。
指定障害福祉サービスの管理を行う者は,サービス管理責任者です。
相談支援専門員は,障害者に対する相談支援を行います。