福祉計画との関係では,
一体のもの
整合性
調和
があります。
一体のもの |
整合性 |
調和 |
老人福祉計画 と 介護保険事業(支援)計画 |
都道府県介護保険事業支援計画 と 都道府県計画 (医療介護総合確保推進法) と 医療計画 (医療法) |
いっぱい |
障害福祉計画 と 障害児福祉計画 |
市町村介護保険事業計画 と 市町村計画 (医療介護総合確保推進法) |
これをもとに今日の問題です。
第32回・問題48
第7期介護保険事業計画(2018年度(平成30年度)開始)に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 地域包括支援センターが,創設されることになった。
2 市町村が実施主体となる地域支援事業が開始された。
3 介護保険事業計画が,初めて地域包括ケア計画と位置づけられた。
4 「基本指針」において,医療法に規定される医療計画との整合性を確保することの重要性が明記された。
5 第7期の第一号被保険者の保険料が全市町村で引き上げられた。
(注)「基本指針」とは,「介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針」(平成30年3月13日厚生労働省告示第57号)のことを指す。
この時に受験した人にとって,この問題はとても難しいものだったと思います。
しかし,この問題を正解するためのヒントはあります。
第29回・問題47
福祉計画等の策定に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 市町村障害者計画と市町村障害福祉計画は,一体のものとして策定されなければならない。
2 市町村は,市町村障害福祉計画を定めたときは,厚生労働大臣に提出しなければならない。
3 市町村は,市町村老人福祉計画と市町村介護保険事業計画のうち,いずれか一つを策定すればよい。
4 市町村子ども・子育て支援事業計画は, 都道府県知事の定める基本指針に即して策定される。
5 都道府県介護保険事業支援計画は,医療計画との整合性の確保が図られたものでなければならない。
この問題の正解は,「5 都道府県介護保険事業支援計画は,医療計画との整合性の確保が図られたものでなければならない」でした。
第32回国家試験の問題は,これを前提にして出題したタクソノミーⅡ型です。
その知識をもとに,思考することで,第32回の問題を考えてみると
4 「基本指針」において,医療法に規定される医療計画との整合性を確保することの重要性が明記された。
が正解ではないかと推測することが可能です。
そして,これが正解です。
都道府県介護保険事業支援計画と医療計画が整合性の関係性となったのは,地域包括ケアシステムの構築には,医療の確保が欠かせないからです。
〈今日の注意ポイント〉
今日の問題の難易度が高い理由は,「介護保険事業計画が,初めて地域包括ケア計画と位置づけられた」がよくわからないものだからです。
しかし,正解となった選択肢4と比べると,出題内容に大きな意義は認められません。
社会福祉士は歴史学者ではないので,介護保険事業計画がいつ地域包括計画と位置づけられたのかを学ぶことの優先性はそれほど高くないように思います。
それは,選択肢1と2にも言えます。
それに比べると,選択肢4の知識を問うことは,この時点での現行の話であり,意義があるように思います。
そういったことから,過去のものと現在のものが混在している場合は,現在のものが正解になりやすそうだと言えそうです。