2023年10月16日月曜日

福祉計画等の歴史

平成2年(1990年)の福祉関係八法改正では,老人保健法の改正により老人保健計画,老人福祉法の改正により老人福祉計画がそれぞれ策定の義務が規定されました。

 

この老人保健計画は,老人保健法が「高齢者医療確保法」に改正された時点で策定の義務はなくなりました。

 

福祉計画が策定されていくようになるのは,福祉関係八法改正以降のことです。

 

それ以前には,昭和45年(1970年)の「社会福祉施設緊急整備5か年計画」(策定期間:昭和4650年)があったくらいです。

 

この計画によって高齢者施設,障害者施設が整備されていきました。

 

また,古い木造施設が多かったために,防災上の問題から,既存の施設の建て替えが進められていきます。

 

この計画が策定されたのは,高度経済成長の真っただ中のことです。将来に夢を描けた時代だったことでしょう。

 

その後,低成長時代,マイナス成長時代がやってくるとは思いもしなかったでしょう。

 

それでは,今日の問題です。

 

32回・問題47 

福祉計画に関して,1990年(平成2年)の福祉関係八法改正より以前の記述として,正しいものを1つ選びなさい。

1 「エンゼルプラン」が策定された。

2 障害福祉計画が障害者自立支援法に規定された。

3 社会福祉施設緊急整備5か年計画が策定された。

4 「新ゴールドプラン」が策定された。

5 地域福祉計画が社会福祉法に規定された。

(注)1 「エンゼルプラン」とは,「今後の子育て支援のための施策の基本的方向について」のことである。

   2 「新ゴールドプラン」とは,「新・高齢者保健福祉推進十か年戦略」のことである。

 

整理します。

 

計画名等

1970年(昭和45年)

社会福祉施設緊急整備5か年計画

1989年(平成元年)

ゴールドプラン

1990年(平成2年)

福祉関係八法改正

※老人福祉計画,老人保健計画の策定義務

1994年(平成6年)

新ゴールドプラン

エンゼルプラン

1995年(平成7年)

障害者プラン

1999年(平成11年)

ゴールドプラン21

新エンゼルプラン

2000年(平成12年)

社会福祉法

※地域福祉計画(策定は任意,2018年から策定は努力義務)

2005年(平成17年)

障害者自立支援法

※障害福祉計画の策定義務

 

ということで,正解は,「3 社会福祉施設緊急整備5か年計画が策定された」でした。

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