2023年10月13日金曜日

民生費について~確実に押さえて

民生費とは,地方公共団体の支出のうち,福祉にかかる費用です。

社会保険に関する費用は含まれません。


前説なしに今日の問題です。


第32回・問題44 

「平成31年版地方財政白書」(総務省)における民生費に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 地方公共団体の目的別歳出純計決算額のうち,民生費は教育費に次いで多い。

2 都道府県の目的別歳出では,生活保護費の割合が最も高い。

3 都道府県の性質別歳出では,扶助費の割合が最も高い。

4 市町村の目的別歳出では,児童福祉費の割合が最も高い。

5 市町村の性質別歳出では,人件費の割合が最も高い。


古いデータですが,そのまま使えます。


令和3年度だけは,傾向が変わっている部分がありますが,基本を押さえていれば,大丈夫です。


それでは,解説です。


1 地方公共団体の目的別歳出純計決算額のうち,民生費は教育費に次いで多い。


純計とは,市町村と都道府県の支出額の総計のことです。


目的別歳出の純計で最も高いのは,民生費です。

市町村で最も高いのは,民生費です。

都道府県で最も高いのは,教育費です。


令和3年は,都道府県で最も多いのは商工費となっていますが,これは例の感染症によって,飲食店に対する補償を行なったためです。


2 都道府県の目的別歳出では,生活保護費の割合が最も高い。


民生費の内訳のうち,都道府県で最も高いのは老人福祉費です。


市町村で最も多いのは,児童福祉費です。


純計で最も多いのも児童福祉費です。


老人福祉費ではないの? と思う人も多いと思いますが,高齢者施策の多くは,介護保険制度で行われているため,民生費には計上されません。


3 都道府県の性質別歳出では,扶助費の割合が最も高い。


扶助費とは,住民に対して給付するものです。


多くの福祉サービスは,市町村が行っているため,扶助費が最も高くなっています。


都道府県が多いのは,団体などに給付する補助費等です。


4 市町村の目的別歳出では,児童福祉費の割合が最も高い。


これが正解です。


市町村が最も高いのは,児童福祉費です。


5 市町村の性質別歳出では,人件費の割合が最も高い。


選択肢3の解説に書いた通り,市町村の性質別歳出で最も高いのは,扶助費です。


〈今日の注意ポイント〉


民生費の目的別歳出

純計 児童福祉費

市町村 児童福祉費

都道府県 老人福祉費


純計と市町村では,児童福祉費が最も高いのがポイントです。

何度も何度も繰り返して出題されているので,確実に押さえておきたいです。

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