法はいずれかの中央省庁が所管していますが,それを意識して勉強しているでしょうか。
社会福祉士に出題される法制度の多くは,厚生労働省が所管しています。
しかし,中には,内閣府が所管しているものもあります。
こども基本法は,こども家庭庁が所管しています。
〈内閣府が所管する主な法律〉
・子ども・子育て支援法
・障害者基本法 など
それでは,今日の問題です。
第32回・問題45
次の計画のうち,定めたとき,又は変更したときに内閣総理大臣に提出しなければならないものを1つ選びなさい。
1 都道府県介護保険事業支援計画
2 都道府県における子どもの貧困対策についての計画
3 都道府県障害福祉計画
4 都道府県老人福祉計画
5 都道府県子ども・子育て支援事業支援計画
それぞれの計画の根拠法と所管
計画名 |
根拠法 |
所管 |
都道府県介護保険事業支援計画 |
介護保険法 |
厚生労働省 |
都道府県における子どもの貧困対策についての計画 |
子どもの貧困対策の推進に関する法律 |
内閣府 |
都道府県障害福祉計画 |
障害者総合支援法 |
厚生労働省 |
都道府県老人福祉計画 |
老人福祉法 |
厚生労働省 |
都道府県子ども・子育て支援事業支援計画 |
子ども・子育て支援法 |
内閣府 |
都道府県が計画を策定・変更した場合,届けるのは所管する官庁です。
なお,市町村が計画を策定・変更した場合,届けるのは都道府県です。
さて,この問題は「内閣総理大臣に提出しなければならないもの」です。
所管は内閣府が所管する法制度です。
この中で内閣府が所管しているのは,
子どもの貧困対策の推進に関する法律
子ども・子育て支援法
の2つです。
このうち,「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が規定する「子どもの貧困対策についての計画」はなじみがないと思います。
それもそのはず。策定は任意です。策定の義務はありません。
そのため,内閣総理大臣に提出することは規定されていません。
提出しなければならないことを規定するのは,策定の義務がある場合です。
任意で策定したものを内閣総理大臣に提出しても見てくれるとも思えません。
ということで,正解は,選択肢5です。
5 都道府県子ども・子育て支援事業支援計画
〈今日の注意ポイント〉
今日の問題では出題されていませんが,子ども・子育て支援法と合わせて,覚えておきたいのは,障害者基本法です。
この2つの法制度は,内閣府が所管しているものです。
基本指針,基本計画を策定するのは,所管する官庁です。