自閉スペクトラム症(ASD)は,社会的なコミュニケーションが苦手な発達障害です。
人への関心が弱く,行動に強いこだわりがあるのが特徴です。
それでは,今日の問題です。
第33回・問題11
発達障害に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 限局性学習症(SLD)は,全般的な知的発達に遅れが認められる。
2 自閉スペクトラム症(ASD)は,通常,6歳以降に発症する。
3 自閉スペクトラム症(ASD)は,知的障害を伴わないのが特徴である。
4 自閉スペクトラム症(ASD)と注意欠如・多動症(ADHD)の両方が併存することがある。
5 注意欠如・多動症(ADHD)は,男児よりも女児の方が有病率が高い。
(注) 選択肢に使われている診断名に係る用語は,「精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM-5)」に基づく。
自閉スペクトラム症以外の発達障害も出題されており,なかなか手ごわいものとなっています。
限局性学習症がくせものです。
それでは,解説です。
1 限局性学習症(SLD)は,全般的な知的発達に遅れが認められる。
限局性学習症は,知的発達の遅れはないものの,読む,書く,計算する,など特定の行為を苦手とするものです。
2 自閉スペクトラム症(ASD)は,通常,6歳以降に発症する。
自閉スペクトラム症(ASD)が通常,発症するのは3歳以降です。
3 自閉スペクトラム症(ASD)は,知的障害を伴わないのが特徴である。
自閉スペクトラム症では,知的障害を伴う人もいますが,多くの場合,知的障害を伴います。
4 自閉スペクトラム症(ASD)と注意欠如・多動症(ADHD)の両方が併存することがある。
これが正解です。
発達障害は,併存することがあります。
注意欠如・多動症の特徴は,不注意と多動・衝動性です。
5 注意欠如・多動症(ADHD)は,男児よりも女児の方が有病率が高い。
注意欠如・多動症の有病率が高いのは,男児です。