心的外傷後ストレス障害(PTSD)と急性ストレス障害(ASD)の症状は同じですが,発症する時期が異なります。
急性ストレス障害(ASD)は,体験直後に発症します。
心的外傷後ストレス障害(PTSD)は,しばらくしてから発症します。
急性ストレス障害は,しばらくすると軽快することも,軽快せずに心的外傷後ストレス障害に移行することもあります。
それでは,今日の問題です。
第33回・問題12
心的外傷後ストレス障害(PTSD)に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 心的外傷後ストレス障害(PTSD)は,自然災害によっても引き起こされる。
2 フラッシュバックとは,心的外傷体験に関する出来事を昇華することである。
3 心的外傷後ストレス障害(PTSD)は,心的外傷体験後1か月程度で自然に回復することもある。
4 過覚醒とは,心的外傷体験に関する刺激を持続的に避けようとすることである。
5 回避症状とは,心的外傷体験の後,過剰な驚愕反応を示すことである。
この問題は,その後の出題の下敷きになったものです。その問題は後で紹介します。
それでは,早速解説です。
1 心的外傷後ストレス障害(PTSD)は,自然災害によっても引き起こされる。
これが正解です。
PTSDは,事故,自然災害,戦争などが引き金になります。
2 フラッシュバックとは,心的外傷体験に関する出来事を昇華することである。
フラッシュバックは,体験の記憶がよみがえることです。
3 心的外傷後ストレス障害(PTSD)は,心的外傷体験後1か月程度で自然に回復することもある。
1か月程度で自然に回復することもあるのは,急性ストレス障害です。
4 過覚醒とは,心的外傷体験に関する刺激を持続的に避けようとすることである。
PTSDの症状が出題されたのは,この時が初めてでした。
過覚醒は,選択肢5に出題されている,心的外傷体験の後,過剰な驚愕反応を示すことです。
5 回避症状とは,心的外傷体験の後,過剰な驚愕反応を示すことである。
回避症状は,選択肢4に出題されている,心的外傷体験に関する刺激を持続的に避けようとすることです。
〈この問題を下書きにした問題〉
第36回・問題12
心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状に関する次の記述のうち,回避症状の事例として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 ささいな事でもひどく驚いてしまうようになった。
2 事故が起きたのは全て自分のせいだと考えてしまう。
3 つらかった出来事を急に思い出すことがある。
4 交通事故にあった場所を通らないようにして通勤している。
5 大声を聞くと虐待されていたことを思い出し苦しくなる。
第33回の出題から,正解は選択肢4であることがわかります。
※この問題の解説は,今回はしません。