2024年8月12日月曜日

心的外傷後ストレス障害(PTSD)について

心的外傷後ストレス障害(PTSD)と急性ストレス障害(ASD)の症状は同じですが,発症する時期が異なります。


急性ストレス障害(ASD)は,体験直後に発症します。


心的外傷後ストレス障害(PTSD)は,しばらくしてから発症します。


急性ストレス障害は,しばらくすると軽快することも,軽快せずに心的外傷後ストレス障害に移行することもあります。


それでは,今日の問題です。


第33回・問題12

心的外傷後ストレス障害(PTSD)に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 心的外傷後ストレス障害(PTSD)は,自然災害によっても引き起こされる。

2 フラッシュバックとは,心的外傷体験に関する出来事を昇華することである。

3 心的外傷後ストレス障害(PTSD)は,心的外傷体験後1か月程度で自然に回復することもある。

4 過覚醒とは,心的外傷体験に関する刺激を持続的に避けようとすることである。

5 回避症状とは,心的外傷体験の後,過剰な驚愕反応を示すことである。


この問題は,その後の出題の下敷きになったものです。その問題は後で紹介します。


それでは,早速解説です。


1 心的外傷後ストレス障害(PTSD)は,自然災害によっても引き起こされる。


これが正解です。


PTSDは,事故,自然災害,戦争などが引き金になります。


2 フラッシュバックとは,心的外傷体験に関する出来事を昇華することである。


フラッシュバックは,体験の記憶がよみがえることです。


3 心的外傷後ストレス障害(PTSD)は,心的外傷体験後1か月程度で自然に回復することもある。


1か月程度で自然に回復することもあるのは,急性ストレス障害です。


4 過覚醒とは,心的外傷体験に関する刺激を持続的に避けようとすることである。


PTSDの症状が出題されたのは,この時が初めてでした。


過覚醒は,選択肢5に出題されている,心的外傷体験の後,過剰な驚愕反応を示すことです。


5 回避症状とは,心的外傷体験の後,過剰な驚愕反応を示すことである。


回避症状は,選択肢4に出題されている,心的外傷体験に関する刺激を持続的に避けようとすることです。


〈この問題を下書きにした問題〉


第36回・問題12

心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状に関する次の記述のうち,回避症状の事例として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 ささいな事でもひどく驚いてしまうようになった。

2 事故が起きたのは全て自分のせいだと考えてしまう。

3 つらかった出来事を急に思い出すことがある。

4 交通事故にあった場所を通らないようにして通勤している。

5 大声を聞くと虐待されていたことを思い出し苦しくなる。


第33回の出題から,正解は選択肢4であることがわかります。


※この問題の解説は,今回はしません。

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