近年,がん(悪性新生物)は,日本人の死因の1位となっています。
そのために,がん検診を実施して,早期発見し,早期治療を行っています。
その結果として,がんになっても治療によって,生存率が高まり,がんサバイバーという言葉が生まれてきています。
それでは,今日の問題です。
第33回・問題4
日本におけるがん(悪性新生物)に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 近年において,がんは死因の第2位となっている。
2 がんと食生活は関係がない。
3 早期発見を目的とするがん検診は,がんの一次予防である。
4 近年の傾向として,胃がんの「死亡率」は低下している。
5 がんの治療は,手術療法に限られる。
(注) 「死亡率」とは,年齢構成を基準人口で調整した「年齢調整死亡率」を指す。
予防概念があいまいだと,正解するのが難しい問題です。
一次予防 → 病気にならないこと。
二次予防 → 病気を早期発見し,早期に治療すること。
三次予防 → 病気を悪化させないこと。
この知識を確認したところで解説です。
1 近年において,がんは死因の第2位となっている。
今日のテーマどおり,がんは死因の1位です。
2位だったら,あえて出題することはないように思います。
2 がんと食生活は関係がない。
これも誤りです。
近年,大腸がんが増加していますが,食生活の西洋化が影響していると言われています。
3 早期発見を目的とするがん検診は,がんの一次予防である。
これも誤りです。
早期発見は,二次予防です。
がんの一次予防は,食生活の改善などです。
4 近年の傾向として,胃がんの「死亡率」は低下している。
これが正解です。
胃がんの罹患率は高いですが,胃がん検診の実施によって,早期発見・早期治療が可能となっています。
その結果として,胃がんに罹患しても死亡率の低下につながっています。
5 がんの治療は,手術療法に限られる。
これは誤りです。
がんの治療は,がん組織を取り除く,侵襲的な方法,つまり手術が行われています。
しかし,そのほかには,放射線治療,抗がん剤治療なども実施されています。
〈予防概念に関する出題〉
第35回・問題3
次のうち,疾病の予防に関する記述として,正しいものを1つ選びなさい。
1 特定健康診査は一次予防である。
→ 特定健康診査は,メタボリックシンドローム予備群の早期発見なので,二次予防
2 糖尿病予防教室は一次予防である。
正解
3 ワクチン接種は二次予防である。
→ ワクチン接種は,病気にならないためのものなので,一次予防
4 リハビリテーションは二次予防である。
→ リハビリテーションは,悪化させないためのものなので,三次予防
5 胃がんの手術は三次予防である。
→ 手術(治療)は,二次予防