2024年8月7日水曜日

リハビリテーションの4分野

 

リハビリテーションというと,身体機能の維持・向上をイメージする人は多いのではないかと思います。

 

しかし,それだけにはとどまりません。

 

世界保健機関(WHO)では,以下の4分野を示しています。


医学的リハビリテーション

身体機能,心理的機能などの向上を目的とするもの。

社会リハビリテーション

社会生活力を高めることなどを目的とするもの。

教育リハビリテーション

障害児などの潜在能力の開発,自己実現を図ることなどを目的とするもの。

職業リハビリテーション

職業指導,職業訓練などによって職業能力の向上を目的とするもの。



それでは,今日の問題です。

 

33回・問題7

リハビリテーションに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 学校教育では行われない。

2 急性期治療を終えてから開始される。

3 補装具の処方による代償的・適応的アプローチは含まれない。

4 介護保険制度によるサービスとしては提供されない。

5 将来的な筋力低下が予想される場合の予防的アプローチが含まれる。

 

それほど難しくはない問題かもしれませんが,一応解説します。

 

1 学校教育では行われない。

 

これは誤りです。

学校教育現場では,教育リハビリテーションや社会リハビリテーションなどが実施されます。

 

2 急性期治療を終えてから開始される。

 

これも誤りです。

リハビリテーションは,急性期中から開始されます。

 

3 補装具の処方による代償的・適応的アプローチは含まれない。

 

これも誤りです。

 

補装具の処方及び適合判定は,身体障害者更生相談所の業務です。

 

代償的とは,身体の代わりになるもの,適応的とは,社会に適応すること,といった意味合いです。

 

医学的リハビリテーションでは,補装具も重要です。

パラリンピックの始まりは,医学的リハビリテーションを目的としていました。

 

4 介護保険制度によるサービスとしては提供されない。

 

これも誤りです。

 

介護保険サービスのリハビリテーションサービスは,訪問リハビリテーション,デイケアがあります。

 

そのほかには,介護老人保健施設で行われるリハビリテーションなどもあります。

 

5 将来的な筋力低下が予想される場合の予防的アプローチが含まれる。

 

これが正解です。

 

リハビリテーションには,予防的に行うものもあります。筋力低下が予想されるのに何もしないということはないでしょう。

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