今回は,心臓の構造を覚えます。
心臓は,右心房,右心室,左心房,左心室の4つの部屋によって,構成されています。
心房と心室の間には,血液の逆流を防ぐための「弁」がついています。
右心房と右心室の間にある弁は,「三尖弁」です。
左心房と左心室の間にある弁は,「僧帽弁」です。
さて,次は血液の流れです。
心臓から出る血管は「動脈」,心臓に戻る血管は「静脈」です。
全身をめぐってきた血液は,上下の大静脈から右心房に戻り,右心室から肺動脈を通って,肺に送られます。
肺で酸素を取り込み,肺静脈を通って,左心房に戻り,左心室から上下の大動脈を通って,全身に送られます。
酸素を含んだ血液を「動脈血」といいます。
酸素を含まない血液を「静脈血」といいます。
肺に血液を送る肺動脈には,「静脈血」が流れます。
肺で酸素を取り込んだ血液は,肺動脈を通って,左心房に戻ります。
肺静脈には,「動脈血」が流れます。
この仕組みを理解したところで,今日の問題です。
第33回・問題2
心臓と血管の構造と機能に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 肺と右心房をつなぐのは,肺静脈である。
2 左心房と左心室の間には,大動脈弁がある。
3 血液は,左心室から大動脈へと流れる。
4 上大静脈と下大静脈は,左心房に開口する。
5 血液は,大動脈から肺に流れる。
心臓の仕組みは,中学校の理科で学びますが,もうすっかり忘れた,あるいは,こんなことを学んだ? と思う人は多いかもしれません。
今,わからなくても,今,覚えてしまえば良いです。
それでは解説です。
1 肺と右心房をつなぐのは,肺静脈である。
これは誤りです。肺と右心房はつながっていません。
右心房につながっているのは,上下の大静脈です。
肺静脈は,肺と左心房をつなぐ血管です。
2 左心房と左心室の間には,大動脈弁がある。
これも誤りです。
左心房と左心室の間にある弁は,三尖弁です。
3 血液は,左心室から大動脈へと流れる。
これが正解です。
血液は,左心室から大動脈に流れて全身に送られます。
全身に送られる血液は,左心室から出て,右心房に戻ってくると覚えると良いです。
4 上大静脈と下大静脈は,左心房に開口する。
これは誤りです。
右心房につながっているのは,大静脈です。
上半身と下半身を流れるので,上下の大静脈があります。
5 血液は,大動脈から肺に流れる。
右心房と肺をつなぐ血液は,肺動脈です。
肺動脈には,酸素を含まない「静脈血」が流れます。
〈今日の一言〉
社会福祉士の国家試験は,出題範囲が広いのが特徴です。
しかし,1科目の出題数は少なく,医学概論では,たった6問しか出題されません。
毎年,出題されるようなものは,めったにありません。
参考書の内容をまんべんなく勉強して,苦手な領域を作らないことが国試合格には必要です。
三尖弁と僧帽弁
動脈血と静脈血
は引っ掛けに使われます。