①貸借対照表
②事業活動計算書
③資金収支計算書
の3種類です。
そのうち,今回は,貸借対照表を紹介します。
(自)●年●月●日(至)●年●月●日
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借方
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貸方
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資産の部
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負債の部
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資産
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負債
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流動資産
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流動負債
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固定資産
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固定負債
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負債の部合計
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純資産の部
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純資産
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基本金
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国庫補助金等特別積立金
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その他の積立金
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純資産の合計
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資産の部合計
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負債の部及び純資産の部合計
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貸借対照表は,上記のようにまとめて,ある時点(当該会計年度末)の「資産」「負債」「純資産」の状況を示す計算書類です。
この図の上部に示したように,左半分を「借方」(かりかた)と呼びます。
右半分は「貸方」(かしかた)と呼びます。
これらは簿記用語です。
「借方」という言葉のイメージから「負債」のことをいうと思いがちですが,借方は,負債ではなく,「資産」を示します。
こういったところが国試ではねらわれるポイントとなります。
簿記をわが国に紹介したのは,福沢諭吉だと言われています。
Bookkeepingを簿記と訳し,その際にDebitを借方,Creditを貸方と訳しました。
もうちょっとわかりやすく訳してくれていたら,良かったのにと思います。
しかし,明治の人たちは,今と違って英語をそのまま使わず苦労して日本語を作っていったことはすごいと思います。
借方,貸方は今一歩ですが,Bookkeepingを簿記と訳したのは秀逸だと思いませんか。
さて,財務諸表に戻ります。
貸借対照表は,ある時点(当該会計年度末)の状態を示すものです。
事業活動計算書と資金収支計算書は,ある一定期間(当該会計年度)の状態を示すものです。
そこを核にして覚えていきましょう。
それでは今日の問題です。
第27回・問題119 社会福祉法人の会計や財務諸表に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 社会福祉法人は,その会計や財務諸表をインターネットや広報などにおいて公表する必要はない。
2 貸借対照表とは,事業の収支の状態や継続性をみるために,当該会計年度における支払資金の増加及び減少の状況を表示するものである。
3 資金収支計算書とは,資金の調達や資産への投入状況をみるために,当該会計年度末現在における資産,負債及び純資産の状態を表示するものである。
4 財務諸表では,「土地」のように価値が上下する資産については,毎期一定の方法により償却計算を行わなくてはならない。
5 社会福祉法人には,配当(利益処分)が認められておらず,「過去の利益の蓄積額」は,赤字経営をしない限り増加する特性がある。
前回の問題は,第23回でした。今回は第27回国試問題です。
4年ぶりの出題です。
この4年ぶりというのが,ポイントです。
今年の中央法規の過去問題集は,4年前の問題も解説なしで加えていますが,昨年まて゛は過去3年間の過去問を発売していました。
そのため,多くの受験生は,4年前の問題は知りませんでした。
3年間の過去問では,4年前の問題は対応不可です。
学校によっては,もっと古い年度の問題も提供してくれるところもありますが,そうでなければ,参考書でしっかり勉強していくことが基本中の基本の勉強法とあるでしょう。
それはさておき・・・
今日の問題の正解は,
5 社会福祉法人には,配当(利益処分)が認められておらず,「過去の利益の蓄積額」は,赤字経営をしない限り増加する特性がある。
この出題は,その後に実施される「社会福祉法人改革」につながっていく内部留保(過去の利益の蓄積)の問題に関連するものです。
この選択肢を正解にすることの意味がそれほどあったとは思いませんが,あえて意味を見出そうとすると,今後は,社会福祉法人改革について,しっかり学んでくださいね,といった呼び水だったということくらいでしょう。
それでは,ほかの選択肢はどこが間違っているのかを確認していきましょう。
1 社会福祉法人は,その会計や財務諸表をインターネットや広報などにおいて公表する必要はない。
何度も紹介していますが,必要がないものをわざわざ出題する意味がありません。
もともとは,
社会福祉法人は,その会計や財務諸表をインターネットや広報などにおいて公表しなければならない。
という文章を否定形にすることで,間違い選択肢を生成するために,意味がない文章になってしまっています。
はっきりいうと,あまり高度な問題のつくり方ではないと言えます。
その分,受験生にとってはラッキーとなります。
2 貸借対照表とは,事業の収支の状態や継続性をみるために,当該会計年度における支払資金の増加及び減少の状況を表示するものである。
当該会計年度における支払資金の増加及び減少の状況を表示する計算書類は,資金収支計算書です。
当該会計年度というところから,事業活動計算書あるいは資金収支計算書であるとわかり,支払資金というところから資金収支計算書だと絞り込むことができます。
3 資金収支計算書とは,資金の調達や資産への投入状況をみるために,当該会計年度末現在における資産,負債及び純資産の状態を表示するものである。
当該会計年度末現在における資産,負債及び純資産の状態を表示する計算書類は,貸借対照表です。
資産は,表の左側である「借方」に記載し,負債及び純資産は,表の右側である「貸方」に記載します。
4 財務諸表では,「土地」のように価値が上下する資産については,毎期一定の方法により償却計算を行わなくてはならない。
減価償却において,土地は要注意です。減価償却の対象となるのは,建物や物品などの固定資産です。経年によって,価値が下がっていくからです。
価値が下がった分を費用化するのが減価償却です。土地は経年によって価値は下がらないために減価償却の対象とはなりません。
<今日の一言>
今日の問題の正解は,以下でした。
5 社会福祉法人には,配当(利益処分)が認められておらず,「過去の利益の蓄積額」は,赤字経営をしない限り増加する特性がある。
落ち着いてこの選択肢を読むことができれば,ごくごく普通のことを述べたことに気が付くことでしょう。
積立預金をしている人が,その積立を取り崩さなければ積立金は増えるということと同じです。
国試は,深読みしたら深みにはまります。
ごくごく普通すぎて,何か裏があるのでは,と勘繰ってはなりません。
国試問題をたくさん解いていくとわかっていきますが,今日の問題のように,意外にシンプルな内容の選択肢が正解になっていることがよくあります。
その逆に先読みすることもいけません。
事例問題でよくありますが,事例に書かれていないことを補足してしまうことです。
現場経験のある人は,そうなりがちなので,特に注意することが必要です。