歴史が苦手だ,という人はたくさんいます。
それはそれで仕方がないのですが,覚えるべきポイントはそれほど多くはないので,苦手だと思わず取り組んでほしいと思います。
年号がわからなくて,解けないという問題はほとんどありません。
覚え方のコツは
★我が国初の社会保険制度は,健康保険法
★社会保険制度は,医療保険制度が先で,後から年金保険制度
このような覚え方ができるのは,国家試験はどのように出題されているのかを知っているからです。
それでは,今日の問題です。
第29回・問題49 日本の社会保障の歴史的展開に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 被用者を対象とした社会保険制度として,まず健康保険法が施行され,その後,厚生年金保険法が施行された。
2 最初に実施された公的医療保険制度は,国民健康保険である。
3 後期高齢者医療制度は,介護保険制度と同時に創設された。
4 国民皆年金は,基礎年金制度の導入によって実現した。
5 第二次世界大戦後,社会福祉の制度は,身体障害者福祉法,児童福祉法,生活保護法の順に施行された。
歴史が苦手な人は,見るだけでいやになる問題かもしれません。
しかし答えは,超シンプルです。
1 被用者を対象とした社会保険制度として,まず健康保険法が施行され,その後,厚生年金保険法が施行された。
健康保険保険法は,我が国初の社会保険制度ですから,当然ですが,これよりも早い社会保険立法は存在しません。
それではほかの選択肢を確認してみましょう。
2 最初に実施された公的医療保険制度は,国民健康保険である。
最初に実施された公的医療保険制度が何だったかなぁ,と思う人もいるかもしれません。
しかし,「我が国初の社会保険制度は,健康保険法」ですから,国民健康保険が初なわけないです。
3 後期高齢者医療制度は,介護保険制度と同時に創設された。
介護保険の導入とともに導入されたものはたくさんありますが,後期高齢者医療制度が創設されたのは,介護保険制度の創設よりもずっと以前のことです。
4 国民皆年金は,基礎年金制度の導入によって実現した。
皆年金が実現したのは,国民年金法の施行によってです。
5 第二次世界大戦後,社会福祉の制度は,身体障害者福祉法,児童福祉法,生活保護法の順に施行された。
施行された順番は
旧・生活保護法
児童福祉法
身体障害者福祉法
現・生活保護法
となります。
身体障害者福祉法は,難産の結果,ようやくできたのです。