2020年10月1日木曜日

社会福祉法人の財務会計

社会福祉士の国家試験で出題される財務諸表は

貸借対照表

事業収支計算書

資金収支計算書


の3種類です。


貸借対照表

会計年度の期末の資産,負債,純資産を表わします。


貸借対照表の左側は借方と呼び,資産が示されます。

右側は貸方と呼び,負債と純資産が示されます。

借方の合計と貸方の合計は,一致します。

一致しないとすればどこかの計算が間違っています。


事業収支計算書

会計年度中の純資産の増減を表わします。


資金収支計算書

会計年度中の資金の増減を表わします。


それでは,今日の問題です。


第29回・問題124 社会福祉法人の経営・会計に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 法人全体の財務諸表を作成しなければならない。

2 貸借対照表の貸方(右側)には,固定資産が計上される。

3 減価償却費はコストであるため,法人外部に資金流出する。

4 アカウンタビリティとは,間接金融を指す。

5 借入金返済の財源として,外部寄附者による寄附金を用いてはならない。


この問題は,考え込むと深みに入り込んでしまうものです。


というのは,正解は,選択肢1

1 法人全体の財務諸表を作成しなければならない。


どんな財務諸表を作成しなければならないのか,という問題ではなく,財務諸表を作成しなければならない,という内容です。


深く掘り下げれば,いくらでも掘り下げることができますが,そうすると正解できる人がいなくなってしまうので,絶対に掘り下げて出題することはないでしょう。


一応,ほんの選択肢も確認してみます。


2 貸借対照表の貸方(右側)には,固定資産が計上される。


貸方に計上されるのは,負債と純資産です。


借方に計上されるのは,固定資産と流動資産を合わせた資産が計上されます。


3 減価償却費はコストであるため,法人外部に資金流出する。


減価償却は,何度も繰り返して出題されていますが,固定資産を取得した経費を使用年によって,計上するものです。


外部に資金が流出するのは,取得した時です。減価償却は,会計処理上の問題なので,実際には外部に流出しません。


土地も固定資産ですが,使用によって価値は下がらないので,減価償却の対象外です。


4 アカウンタビリティとは,間接金融を指す。


アカウンタビリティは,説明責任のことです。


間接金融は,金融機関から資金を調達することです。

直接金融という用語もあり,金融機関を通さず,資金を調達することをいいます。


5 借入金返済の財源として,外部寄附者による寄附金を用いてはならない。


このような制約はありません。

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