エリクソンの発達理論は,人生を8つの段階に分けて,それぞれの発達課題を設定しているのが特徴です。
エリクソンによる発達段階の発達課題vs危機
乳児期(0~1歳) 基本的信頼 vs 基本的不信 幼児前期(1~3歳) 自立性 vs 恥・疑惑 幼児後期(3~6歳) 自主性 vs 罪悪感 児童期(7~11歳) 勤勉性 vs 劣等感 青年期(12~20歳) 同一性獲得vs 同一性拡散 前成人期(20~30歳) 親密 vs 孤立 成人期(30~65歳) 世代性 vs 停滞 老年期(65歳以降) 統合 vs 絶望 |
訳し方によって,表現が異なるものもありますが,おおよそのことだけを理解していれば何とかなります。
それでは,今日の問題です。
第31回・問題1 次の年齢のうち,エリクソン(Erikson,E.)の発達段階に関する理論にいう「アイデンティティ」が発達課題となる年齢として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 3歳
2 7歳
3 15歳
4 30歳
5 50歳
発達段階がわからなくても,落ち着いて考えると正解できそうな感じがします。
正解は,選択肢3です。つまり15歳です。
15歳は,日本で言えば中学3年生です。
自分が何者なのか,何をすべきなのか,どこに向かおうとしているのか,いろいろ悩む時期です。
これがアイデンティティ(同一性)です。
かつて校内暴力が激しかった時代があります。
そんな時代に,尾崎豊さんは「15の夜」という歌を作りました。
この歌の歌詞を改めて見てみると,アイデンティティを確立するために,もがいている様子が描かれています。
少年の犯罪事件が減少している昨今,「盗んだバイクで走り出す」なんて歌詞を理解できる若者はほとんどいないかもしれませんが,時代を映し出した名曲だと思います。(盗みを肯定しているわけではありません)
エリクソンの8つの発達課題で確実に覚えておきたいのが,アイデンティティです。
アイデンティティが出題されたら,「15の夜」を思い出すと良いと思います。たとえが古いですね。
ということで,今日から第31回国試問題に取り組んでいきたいと思います。
改めましてどうぞよろしくお願いします。