防衛機制は,「心理学理論」で多く出題されています。
数が多くて,覚えるのが面倒ですが,出題頻度が高いので確実に覚えておきたいものです。
防衛機制は,実は「児童・家庭」でも出題されています。
今日の問題はそんな問題です。
第22回・問題141 Gちゃん(6歳)は父親と二人で暮らしていたが,父親が行方不明となり,里親に措置された。当初Gちゃんはおとなしく里親にとって育てやすい子どもであったが,2~3か月を経過した頃から抱っこや添い寝を常に要求するようになった。里親がそうした要求に応じるよう努めた結果,半年後ぐらいからGちゃんの状況は安定するようになってきた。
次の記述のうち,Gちゃんが抱っこや添い寝を要求したことの解釈として,最も適切なものを一つ選びなさい。
1 Gちゃんには,アスベルガー症候群に基づく行動が起こっていたと考えられる。
2 Gちゃんには,注意欠陥多動性障害(ADHD)に基づく行動が起こっていたと考えられる。
3 Gちゃんには,退行が起こっていたと考えられる。
4 Gちゃんには,解離性障害が起こっていたと考えられる。
5 Gちゃんには,フラッシュバックが起こっていたと考えられる。
古い出題なので,アスベルガー症候群となっていますが,DSM-5では,自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害となっています。
また,注意欠陥多動性障害となっていますが,注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害となっています。
さて,答えは,前説でわかるように,選択肢3です。
3 Gちゃんには,退行が起こっていたと考えられる。
退行は,発達段階の一つ前の段階に戻ることをいいます。そのため,赤ちゃん返りとも呼ばれることもあります。