「更生保護制度」は,令和元年カリキュラム改正で「刑事司法と福祉」という科目になりました。
現時点(2022年1月)でも,なじみがないために苦手だと思っている人も多いように思います。
しかし,新カリキュラムでは,一つの科目として独り立ちするので,今まで以上にしっかり勉強する必要があります。
それを考えると現時点の国家試験は,とてもラクだと言えるでしょう。
令和7年以降にこの学習部屋が残っていて,その時点でこの記事を読む人は,よい時代だったなぁと思うのではないかと思います。
保護観察は,犯罪をした者及び非行のある少年に対して,社会内において適切な処遇を行うことによって,再び犯罪をすることを防ぎ,又はその非行をなくし,これらの者が善良な社会の一員として自立し,改善更生することを助けることを目的として実施されます。
これを社会内処遇といいます。
それでは,今日の問題です。
第22回・問題147 保護観察の目的に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 犯罪をした者及び非行のある少年に対し,本人の申出に基づき,社会内で適切な処遇を行うことにより,再犯を防ぎ,又はその非行をなくし,これらの者の自立と改善更生を助ける。
2 犯罪をした者及び非行のある少年に対し,矯正施設内で適切な処遇を行うことにより,再犯を防ぎ,又はその非行をなくし,これらの者の自立と改善更生を助ける。
3 犯罪をした者及び非行のある少年に対し,社会内で適切な処遇を行うことにより, 再犯を防ぎ,又はその非行をなくし,これらの者の自立と改善更生を助ける。
4 犯罪及び非行を行うおそれのある者に対し,予防的に社会内で適切な処遇を行うことにより,これらの者の自立と改善更生を助ける。
5 犯罪をした者及び非行のある少年に対し,社会内で適切な処遇を行うことにより,これらの者が生業に就く機会を保障し,社会的に自立し改善更生することを助ける。
同じような文章の選択肢が並んでいるので,混乱しそうです。
既に資格を取得した人の中には「国試は国語の問題だ」と豪語する人がいます。
その言葉を見聞きするととても腹が立ちます。なぜ社会福祉士の威厳を自らおとしめるようなことを言うのだろうか,と思うからです。
確かに日本語的に解ける問題もあります。しかし,それらを正解するだけでは合格基準点には到達することは到底できません。
この問題のようなスタイルは,日本語的に正解することは,絶対にできないでしょう。
保護観察は,社会内処遇であることがわかっていることが必要です。
ということで,正解は,選択肢3です。
3 犯罪をした者及び非行のある少年に対し,社会内で適切な処遇を行うことにより, 再犯を防ぎ,又はその非行をなくし,これらの者の自立と改善更生を助ける。
<今日の一言>
更生保護制度は,国家試験の最後の最後にあたる科目です。
午前中から国試がスタートし,この科目にたどり着いた頃には疲れ切っています。
脳も十分に働かないでしょう。しかし,問題自体は決して難しくないです。もう少しで終わりだと思うと,読み間違いなどのミスをすることになるので,そこだけは注意したいです。