2022年1月16日日曜日

児童相談所の業務

児童相談所は,児童福祉法が規定する機関です。

 

児童相談所は,都道府県と指定都市に設置義務,中核市と特別区は任意設置です。

業務は以下のとおりです。

 

児童相談所の業務 

・市町村相互間の連絡調整、市町村に対する情報の提供、市町村職員の研修その他必要な援助を行うこと及びこれらに付随する業務。

・児童に関する家庭その他からの相談のうち、専門的な知識及び技術を必要とするものに応ずること。

・児童及びその家庭につき、必要な調査並びに医学的、心理学的、教育学的、社会学的及び精神保健上の判定を行うこと。

・児童及びその保護者につき、調査又は判定に基づいて心理又は児童の健康及び心身の発達に関する専門的な知識及び技術を必要とする指導その他必要な指導を行うこと。

・児童の一時保護。

・一時保護の解除後の家庭その他の環境の調整、当該児童の状況の把握その他の措置により当該児童の安全を確保すること。

・里親に関する普及啓発。

・里親につき、その相談に応じ、必要な情報の提供、助言、研修その他の援助。

・里親と入所の措置が採られて乳児院、児童養護施設、児童心理治療施設又は児童自立支援施設に入所している児童及び里親相互の交流の場の提供。

・里親の選定及び里親と児童との間の調整。

・里親に委託しようとする児童及びその保護者並びに里親の意見を聴いて、当該児童の養育の内容その他の事項について当該児童の養育に関する計画の作成。

・養子縁組により養子となる児童、その父母及び当該養子となる児童の養親となる者、養子縁組により養子となつた児童、その養親となつた者及び当該養子となつた児童の父母その他の児童を養子とする養子縁組に関する者につき、その相談に応じ、必要な情報の提供、助言その他の援助。

・児童及び妊産婦の福祉に関し、広域的な対応が必要な業務並びに家庭その他につき専門的な知識及び技術を必要とする支援。

 

かなり多岐にわたります。里親に関する業務は近年の改正によって加わったものです。

 

それでは,今日の問題です。

 

22回・問題142 児童相談所の業務内容に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。

1 児童福祉法に基づき,必要があると認めるときは児童の一時保護を行うこと。

2 児童福祉法に基づき,保育所への入所決定を行うこと。

3 児童福祉法に基づき,母子生活支援施設への入所決定を行うこと。

4 障害者自立支援法に基づき,児童デイサービスの給付決定を行うこと。

5 児童福祉法に基づき,児童委員を指揮監督し,業務の遂行に対して必要な指示を行うこと。

 

古い出題なので,今の制度と異なる部分があります。

 

1つは,障害者自立支援法は,現在は,障害者総合支援法となっています。

 

もう1つは,障害者自立支援法に規定されていた児童デイサービスは廃止されています。

 

現在は,児童福祉法が規定する放課後等デイサービスとなっています。

 

それでは,解説です。

 

1 児童福祉法に基づき,必要があると認めるときは児童の一時保護を行うこと。

 

これが正解です。

 

児童の一時保護を行うのは,児童相談所の業務の一つです。

 

一時保護に関することで覚えておきたいのは,一時保護は原則2か月を超えない期間で実施されます。

 

2か月を超えて一時保護を行う場合は,家庭裁判所の承認が必要です。

 

2 児童福祉法に基づき,保育所への入所決定を行うこと。

 

保育所への入所決定は,市町村長が行います。

 

3 児童福祉法に基づき,母子生活支援施設への入所決定を行うこと。

 

母子生活支援施設への入所決定は,都道府県知事が行います。

 

4 障害者自立支援法に基づき,児童デイサービスの給付決定を行うこと。

 

放課後等デイサービスの給付決定は,都道府県知事が行います。

 

5 児童福祉法に基づき,児童委員を指揮監督し,業務の遂行に対して必要な指示を行うこと。

 

児童委員の指揮監督及び必要な指示は,都道府県知事が行います。

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