2018年5月14日月曜日

第31回国試に合格する勉強法~福祉の歴史編~その9

今日も歴史問題を続けます。

第27回・問題25 救貧制度の対象者として,正しいものを1つ選びなさい。

1 恤救規則(1874年(明治7年))では,身寄りのある障害者も含まれた。
2 軍事救護法(1917年(大正6年))では,戦死した軍人の内縁の妻も含まれた。
3 救護法(1929年(昭和4年))では,労働能力のある失業者も含まれた。
4 旧生活保護法(1946年(昭和21年))では,素行不良な者も含まれた。
5 現行生活保護法(1950年(昭和25年))では,扶養義務者のいる者も含まれる。

日本の救貧制度は,

恤救規則
救護法
旧・生活保護法
現・生活保護法

の4つが中心です。

これでは,5択にするには,1つ足りません。

この問題では,そのために「軍事救護法」が加えられています。

それでは,解説です。


1 恤救規則(1874年(明治7年))では,身寄りのある障害者も含まれた。

恤救規則は,誰にも頼ることができない「無告の窮民」を救済しました。

よって間違いです。


2 軍事救護法(1917年(大正6年))では,戦死した軍人の内縁の妻も含まれた。

またまた軍事救護法かと思う人もいるでしょう。

軍事救護法の対象は,傷痍軍人とその家族,戦死軍人とその遺族です。内縁の妻は含まれません。よって間違いです。


3 救護法(1929年(昭和4年))では,労働能力のある失業者も含まれた。

救護法は,恤救規則よりも救済の対象は広がり,65歳以上の老衰者,障害等により仕事に支障がある者などです。しかし,労働能力のある失業者は含まれません。よって間違いです。


4 旧生活保護法(1946年(昭和21年))では,素行不良な者も含まれた。

旧・生活保護法は,GHQの指令によって成立したものです。

無差別平等の原則が打ち出されていますが,実際には,素行不良な者などは,救護法に引き続き保護の対象外とされています。よって間違いです。

5 現行生活保護法(1950年(昭和25年))では,扶養義務者のいる者も含まれる。

これが正解です。

前にも書きましたが,歴史問題に見えながら,結局現代の問題となっています。

最新の記事

ノーマライゼーションの国家試験問題

 今回は,ノーマライゼーションに取り組みます。 前説なしで,今日の問題です。 第26回・問題93 ノーマライゼーションの理念に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。 1 すべての人間とすべての国とが達成すべき共通の基準を宣言した世界人権宣言の理念として採用された。 2...

過去一週間でよく読まれている記事