第27回・問題25 救貧制度の対象者として,正しいものを1つ選びなさい。
1 恤救規則(1874年(明治7年))では,身寄りのある障害者も含まれた。
2 軍事救護法(1917年(大正6年))では,戦死した軍人の内縁の妻も含まれた。
3 救護法(1929年(昭和4年))では,労働能力のある失業者も含まれた。
4 旧生活保護法(1946年(昭和21年))では,素行不良な者も含まれた。
5 現行生活保護法(1950年(昭和25年))では,扶養義務者のいる者も含まれる。
日本の救貧制度は,
恤救規則
救護法
旧・生活保護法
現・生活保護法
の4つが中心です。
これでは,5択にするには,1つ足りません。
この問題では,そのために「軍事救護法」が加えられています。
それでは,解説です。
1 恤救規則(1874年(明治7年))では,身寄りのある障害者も含まれた。
恤救規則は,誰にも頼ることができない「無告の窮民」を救済しました。
よって間違いです。
2 軍事救護法(1917年(大正6年))では,戦死した軍人の内縁の妻も含まれた。
またまた軍事救護法かと思う人もいるでしょう。
軍事救護法の対象は,傷痍軍人とその家族,戦死軍人とその遺族です。内縁の妻は含まれません。よって間違いです。
3 救護法(1929年(昭和4年))では,労働能力のある失業者も含まれた。
救護法は,恤救規則よりも救済の対象は広がり,65歳以上の老衰者,障害等により仕事に支障がある者などです。しかし,労働能力のある失業者は含まれません。よって間違いです。
4 旧生活保護法(1946年(昭和21年))では,素行不良な者も含まれた。
旧・生活保護法は,GHQの指令によって成立したものです。
無差別平等の原則が打ち出されていますが,実際には,素行不良な者などは,救護法に引き続き保護の対象外とされています。よって間違いです。
5 現行生活保護法(1950年(昭和25年))では,扶養義務者のいる者も含まれる。
これが正解です。
前にも書きましたが,歴史問題に見えながら,結局現代の問題となっています。