10問出題される科目の特徴は,細かい出題が多いということです。
時には,出題基準を超えるような出題さえもあります。
そのため,対策が難しいと思われるかもしれません。
実際に,苦手としている人も多いようです。
この科目の攻略法はズバリ
知らない問題でも慌てない
真面目に勉強をしてきた人は
こんなに勉強したのに・・・
という無力感が生まれるかもしれません。
しかし,この科目の特徴は,日常生活で得られた知識が役立つことは多いことです。
なぜなら,地域福祉は,身近なものだからです。
それでは今日の問題です。
第27回・問題38 地域で活動する組織に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 町内会は,収益事業を実施することはできない。
2 老人クラブは,教養講座やレクリエーション活動以外の活動も実施することができる。
3 社会福祉法人は,社会福祉事業以外の事業を実施することに制約はない。
4 消費生活協同組合は,地域福祉活動を実施することができない。
5 社会福祉法では,第二種社会福祉事業は,国,地方公共団体又は社会福祉法人が経営することを原則としている。
町内会,老人クラブ,消費生活協同組合などが出題されています。
活動内容は知らない
と思うと試験委員の思うつぼです。
まずは,試験の必勝法
言い切り表現に正解少なし
を思い出してみましょう。
言い切っているものは,
できない,制約はない,できない
これを軸にしてもう一度問題を読んでみてください。
それでは解説です。
1 町内会は,収益事業を実施することはできない。
「できない」の言い切り表現です。
身近な町内会を考えてみましょう。
パサーや廃品回収などを行っているのではないでしょうか。
よって間違いです。
町内会は,地域福祉の担い手として注目されています。
2 老人クラブは,教養講座やレクリエーション活動以外の活動も実施することができる。
老人クラブも地域福祉の担い手として注目されています。
地域の見守り,ヘルパー,健康体操などさまざまな活動を行っています。
よって正解です。
3 社会福祉法人は,社会福祉事業以外の事業を実施することに制約はない。
制約がない
という言い切り表現なので,制約があると想像がつくかもしれません。
せっかくですから,ここで社会福祉法人の事業をまとめてみます。
社会福祉事業 → 社会福祉法人は社会福祉事業以外に公益事業,収益事業を行うことができます。しかし,社会福祉事業が主たる事業であることが必要です。
公益事業 → 介護保険サービスや有料老人ホームなどの公益事業を行うことができます。しかし福祉に関係しないものは実施できません。
収益事業 → 駐車場,マンション,売店などの収益事業を行うことができます。基本的に制限はありませんが,法人の社会的信用を傷つけるもの(パチンコ店などの風俗営業など)などは不適切だとされています。
ということで,さまざまな制約があります。よって間違いです。
4 消費生活協同組合は,地域福祉活動を実施することができない。
消費生活協同組合は,いわゆる生協です。
実際には,共済,医療,介護など広い活動が認められています。よって間違いです。
5 社会福祉法では,第二種社会福祉事業は,国,地方公共団体又は社会福祉法人が経営することを原則としている。
国,地方公共団体又は社会福祉法人が経営することを原則としているのは,第一種社会福祉事業です。
第一種社会福祉事業は,入所系なので,人の目が届きにくいこともあり,経営主体が制限されています。