児童の権利に関する条約(児童権利条約)の特徴は,古典的な権利である「受動的権利」とともに「能動的権利」を児童に保障したことです。
受動的権利とは,児童は弱い存在なので,守られるべきである,というものです。
能動的権利とは,児童が積極的に意見を述べることができる,結社の自由などを認める,というものです。
歴史は,また改めて整理するとして,ホワイトハウス会議における声明などがありますが,それらは,受動的権利に言及したものです。
それらは,〇〇宣言などは,法的拘束力を持たないものであるのに対し,条約は,法的拘束力を持つものです。
歴史的にみると,受動的権利を法的拘束力をもつ条約として規定し直したものが,「児童権利条約」だということになります。
それでは,今日の問題です。
第30回・問題138 児童が「自由に自己の意見を表明する権利を確保する」と明記しているものとして,正しいものを1つ選びなさい。
1 児童福祉法
2 児童の権利に関する条約
3 児童虐待の防止等に関する法律
4 児童権利宣言
5 児童憲章
正解は,選択肢2
2 児童の権利に関する条約
児童権利宣言及び児童憲章は,後日改めて学びます。
児童権利条約を受けて,現在の児童福祉法は以下のように規定されています。
第一条 全て児童は、児童の権利に関する条約の精神にのつとり、適切に養育されること、その生活を保障されること、愛され、保護されること、その心身の健やかな成長及び発達並びにその自立が図られることその他の福祉を等しく保障される権利を有する。
今日の問題で「1 児童福祉法」を正解だと思った人は,別の面ですごい人かもしれません。
現在の児童福祉法は,児童権利条約の精神が流れているのです。
児童福祉法の理念に関する記事
https://fukufuku21.blogspot.com/2019/12/blog-post_4.html
<今日の一言>
国家試験は,きちっと覚えた者勝ちです。
児童権利条約に関しては,受動的権利とともに能動的権利を保障しているのが特徴である,というところがポイントです。
一つひとつをきっちり覚えて,得点力を伸ばしていきましょう。
国家試験は,きちっと覚えた者が合格をつかみ取ります。
決して深い知識は,求められません。
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