2020年8月28日金曜日

ソーシャルワーク専門職のグローバル定義について

 ソーシャルワークの定義は,2000年に採択されたものを用いてきましたが,2014年に新しく,「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」が採択されています。

 

28回国試以降毎年出されています。

 

ソーシャルワーク専門職のグローバル定義

 ソーシャルワークは,社会変革と社会開発,社会的結束,および人々のエンパワメントと解放を促進する,実践に基づいた専門職であり学問である。社会正義,人権,集団的責任,および多様性尊重の諸原理は,ソーシャルワークの中核をなす。ソーシャルワークの理論,社会科学,人文学,および地域・民族固有の知を基盤として,ソーシャルワークは,生活課題に取り組みウェルビーイングを高めるよう,人々やさまざまな構造に働きかける。

 この定義は,各国および世界の各地域で展開してもよい。

 

グローバル定義を受けて,2020年6月に日本社会福祉士会が新しい倫理綱領を採択しています。

出題基準には,日本社会福祉士会倫理綱領は含まれていませんが,一度はこれも目を通しておきたいです。

 

それでは今日の問題です。

 

29回・問題92 「ソーシャルワークのグローバル定義」(2014年)におけるソーシャルワークの中核をなす原理として,正しいものを1つ選びなさい。

1 個人的正義

2 集団主義

3 自民族中心主義

4 自己責任

5 多様性尊重 

(注) 「ソーシャルワークのグローバル定義」とは,2014年7月の国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)と国際ソーシャルワーク学校連盟(IASSW)の総会・合同会議で採択されたものを指す。

 

正解は,選択肢5の「多様性尊重」です。

 

グローバル定義を知らずとも正解できそうな問題です。

まだグローバル定義が浸透していなかったからでしょう。

 

この後の年から問題がだんだん難しくなってきています。

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