ソーシャルワークの定義は,2000年に採択されたものを用いてきましたが,2014年に新しく,「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」が採択されています。
第28回国試以降毎年出されています。
ソーシャルワーク専門職のグローバル定義 |
ソーシャルワークは,社会変革と社会開発,社会的結束,および人々のエンパワメントと解放を促進する,実践に基づいた専門職であり学問である。社会正義,人権,集団的責任,および多様性尊重の諸原理は,ソーシャルワークの中核をなす。ソーシャルワークの理論,社会科学,人文学,および地域・民族固有の知を基盤として,ソーシャルワークは,生活課題に取り組みウェルビーイングを高めるよう,人々やさまざまな構造に働きかける。 この定義は,各国および世界の各地域で展開してもよい。 |
グローバル定義を受けて,2020年6月に日本社会福祉士会が新しい倫理綱領を採択しています。
出題基準には,日本社会福祉士会倫理綱領は含まれていませんが,一度はこれも目を通しておきたいです。
それでは今日の問題です。
第29回・問題92 「ソーシャルワークのグローバル定義」(2014年)におけるソーシャルワークの中核をなす原理として,正しいものを1つ選びなさい。
1 個人的正義
2 集団主義
3 自民族中心主義
4 自己責任
5 多様性尊重
(注) 「ソーシャルワークのグローバル定義」とは,2014年7月の国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)と国際ソーシャルワーク学校連盟(IASSW)の総会・合同会議で採択されたものを指す。
正解は,選択肢5の「多様性尊重」です。
グローバル定義を知らずとも正解できそうな問題です。
まだグローバル定義が浸透していなかったからでしょう。
この後の年から問題がだんだん難しくなってきています。